た行


 「タイタニック」

1998年 アメリカ 監督:ジェームズ・キャメロン 出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット

泣いた。とにかく泣いた。映画館では泣かないぞーと思っていたのに(人目があるから)泣いた。
よく見たら前の席や隣の席に座っていたおじさん達も泣いていた。(ちなみに両方とも一人で来ていた)
「泣けましたね−」とか話し掛けられちゃうし。
レオファンじゃなくても、観て面白いと思う。
船の様子とか、その時代の人々の様子とか。セットが凄い。
何度も泣くポイントがあるけど、ラストでレオが階段の時計の前で待っていてくれたシーンが一番きたかな。
あの笑顔が「よく頑張ったね。待ってたよ」って言ってくれてるみたいで。
レオってTVで観てもなんとも思わないけれど、映画の中だと断然格好良く見えるんですよね。何故?


 「タキシード」

2002年 アメリカ 監督:ケヴィン・ドノヴァン 出演:ジャッキー・チェン ジェニファー・ラヴ・ヒューイット ジェイソン・アイザックス デビ・メイザー

スピード狂のタクシードライバー、ジミーはひょんなことからその運転技術を認めら、大富豪デブリンのお抱え運転手となる。
ある日、主人であるデブリンが何者かに襲われ爆発事故で重傷を負う。
デブリンの言い残した“ウォーター・ストライダー”という言葉を頼りに、ジミーは犯人を捜し出そうとするが・・・・。

以下、ネタバレ有り。

 

実はデブリンは秘密組織CSAの腕利きエージェントだった。
好きな女性に満足に話しかけることもできない冴えない男、ジミーが、触れてはいけないと禁じられていたデブリンのタキシードを身につけたことから、事態が一変する。
そのタキシードはハイテクの粋を尽くした秘密兵器。身につければ、誰でも一流のエージェントになれるのですよ。歌、ダンス、銃の扱い、格闘、何でもござれ。

そんな、馬鹿な、という設定。(笑)
しかし、ジャッキー映画では今まで、職業が刑事であれコックであれ、ジャッキーは拳法の達人という設定が常だった。
今度の映画では何の取り柄もない男、というのが目新しい。
あくまで特殊なタキシードを身につけたために強くなった、というように見せる演技が難しかったそうです。

ジャッキーの映画は低予算のため、アクションもCGを使わずいっさいが生身のもの。
それによる迫力というのが売りだったはずなのに、今回はハリウッド映画のためにアクションシーンにVFX映像を織り交ぜている。
これが賛否両論をよんでいるらしい。
一緒に観に行った友人もそれが物足りないと思ったそうだ。

私もめちゃくちゃ驚いたけれど、別にアクションシーンに違和感はなかった。逆に、新しい広がりを見せたといっていい。
タキシードの能力を使ってジャッキーが走って車に追いつく場面など、抱腹絶倒だった。
そういうわけでわりと肯定派なのだけれど、あれほどワイヤーアクションを拒み、生のアクションで勝負していたジャッキーも、寄る年波には勝てないのかと思うと物哀しい気分である。
VFXで体力の低下を誤魔化しているんですよねぇ。

 

さて、肝心の中身はというと、結構あらが目立つ。
結局CSAという組織は何をするところなのか(政府が関わっているらしいが)はっきり分からないし、重傷だったデブリンはラストであっさり治ってるし、ジャッキーの運転技術もあまり意味がなかった。
タキシードを奪われたジャッキーが、唯一の得意分野である運転で敵の鼻を開かすとかさ。
まぁ、それらは映画を観ている間はあんまり気にならないです。

ジャッキーが共演する女優さんって、何故か私の好みの範疇から外れているのですが、今回の映画は違いました。
ジャニファー・ラヴ・ヒューイット。
美人なうえに、可愛いのですよ!!好みのタイプ!!!
まず役柄が新人なために、デブリンと運転手が入れ替わっていると気付かないおまぬけさん。
新人らしく、敵と対峙したときはおぼつかない構えで可愛らしい。でも、なめてかかると結構強い。
色仕掛けで情報収集をすると思えば、好きな人の前では素直になれなかったり。可愛い、可愛すぎる。
でも、彼女、ジャッキーが真顔で演技すればするほど笑っちゃってNG出しちゃうのですよ。気持ちは何となく分かるが。(笑)

とにかく笑いところ満載でした。ジャッキー映画はどれもコミカルな場面がありますが、今回ほど腹抱えて笑ったのは初めてでした。
笑いだけでなく、ジャッキー、ちゃんとスパイ活動(?)もしているし。
というわけで、お勧め!


 「ダニー・ザ・ドッグ」

2004年 フランス/アメリカ 監督:ルイ・レテリエ 脚本:リュック・ベッソン 出演:ジェット・リー モーガン・フリーマン ボブ・ホスキンス

 

5歳の時に誘拐され、悪徳高利貸しバートの元で戦う犬として育てられた青年ダニー。
謝金の取立てに行くバートに常に付き添い、首輪を外されれば命令の通り相手に向かっていく。
人の心を持たない彼は命を奪うことに対して何の躊躇いはない。そして、戦闘マシンのような彼の力に敵う者もいなかった。
用のないときは狭い地下に閉じ込められ、食事は冷たい缶詰、怪我をしても手当てをされることはない。
孤独な彼が興味を示すのは唯一、ボロボロになった絵本の中に描かれているピアノだけだった。

ある日、いつものように借金の取立てに向かう車内で、彼らは事故にあう。
血まみれになったバートやその仲間を見て死んだと思い込んだダニーは、一人、傷を負った体を引きずりその場から逃げ出す。
倒れこんだ彼を助けたのは、一度だけ面識のあった盲目の元ピアニスト、サムだった。
サムと娘のヴィクトリアは、献身的にダニーの世話をし、彼も段々と人としての感情を思い出していく。
幸せな生活は永遠に続くかと思われたが、町で遭遇したバートの部下に彼が生きていることを知らされ、ダニーの人生は再び急降下する。
バートに地下室へと連れ戻されたダニーは元のように闘犬として扱われるが、彼は命令に従うだけの犬ではなくなっていた。

 

以上、おおまかなあらすじ。続きは、どうぞ映画で。
以下は大いにネタバレありです。

 

 

 

ジェット・リーとモーガン・フリーマン!!!!???
というのが、最初にこの映画を知ったときの印象。接点がないような・・・・。リュック・ベッソン脚本だからこその組み合わせか。
映画の最初は犬となったジェット・リーの姿が辛かったです。(涙)
10歳くらいの知能しかなく、物と食べるときも手づかみ、怪我をして頭から血が出ていても首をかしげて手で拭うだけ。
地下の鉄格子の中、クマのぬいぐるみを大切にして、一冊しかないボロボロの絵本を顔を綻ばせて読んでいるのも痛々しい。
しかも、命令がないと何も動けないのですよ。「おじさん」と思っているバートがボコボコにされても、首輪を外されなければ動かない。
心のない犬の演技をジェット・リーが頑張っています。

この映画で一番不思議なのは、モーガン・フリーマン演じるサムが、手負いの青年ダニーを自分の家へと運ぶところ。
普通、血まみれの男が倒れていたら、警察か救急車を呼ぶでしょう。
そのあとも、動物そのもののダニーを「心に傷のある可哀相な青年」として面倒を見る。そんないい人、いないって!!
でも、モーガン・フリーマンだから、と許せてしまう。(笑)いい人の役がぴったりなんですね。
そして、サムの娘のヴィクトリアとダニーのやり取りも大好きでした。
怯えてベッドの下に隠れるダニーを無理に引きずり出すことをせず、食事や彼の好きらしいピアノを与え、自分から出てきてくれるのを待つ。
スプーンを使ってスープを飲むことも教える。
学校に迎えに来たダニーを誘い、いろいろな物を見せるのも彼女の役目でした。

一番好きな場面はダニーが始めてアイスを食べる場面。
どんなものか知らずにアイスにかぶりついたダニーは、その冷たさにびっくりしてあたふたするんですよ。
もーーーーー、可愛いーーーーーーーーー!!まさか、ああくるとは。ジェット・リー、42歳なんですよ!!
ヴィクトリアにアイスはなめるものなのよーと教わり、ボートに乗るときは救命胴衣をつけたり、ほのぼの場面に心が和みます。
首輪を外すところはダニーが暴れるのではないかと凄くドキドキしましたが、彼はもう犬ではなくなっていたので、平気でした。良かった。

 

バートに関しては疑問が多い。
頑丈すぎないですか!!最初、乗っていた車にトラックがぶつかってぼこぼこに、さらには銃が打ち込まれる。
あれが一ヶ月くらいで治る怪我なのか!!
そして、二度目の事故。車が横転。このときは入院する気配もなく、すぐダニーを追いかけてきました。ふ、普通に走っているし。
あれが車椅子に乗っている状態とかならまだ分かるんですが。(^_^;)
あと、ダニーの母親とどうして知り合ったのかなぁとか。将来有望なピアニストと、悪徳高利貸しなんて、接点ないよ・・・。ダニーの本当の父親も謎。
バートが後生大事にダニーの母親の写真を持ったままだったのも不思議だ。
最後も、あの親子を人質の取ればもっとダニーはいうことを聞いたんじゃないかなぁ。

諸々の不自然さは、まぁ、ジェット・リーとモーガン・フリーマンということで帳消しになります。(笑)
サムやヴィクトリアと一緒にいるときのダニーが、もう、ようやく自分の居場所を見つけた子供そのもので、純粋な笑顔に胸が切なくなりますよ。

可愛い、可愛い、可愛いvv
全然関係ないですが、あと一つお気に入りのシーンは、銀行強盗の入ったスーパーで、ダニーが平然と購入するメロンを選んでいたところでしょうか。
誰が死のうが生きようが、自分には関係ないから。
そんな彼も、サムとヴィクトリアを自分の家族と認識し、彼らのところが自分の帰る場所と思うようになってから、段々と変化していくのですよ。
やっぱり、私はハッピーエンドな映画が好きです!!

ジェット・リーのアクションは文句なく最高でしたよ。なんなんでしょう、あのスピードは!!!
ジャッキーのアクションはさすがに衰えてきたけれど、ジェット・リーを見るとなんだか安心してしまいます。
生身のアクションなんか、相手が銃を出したら終わりじゃん、と思ってしまいますが、彼の動きは弾丸より早い。
ジャッキーに次いで、ジェット・リーは私の中のヒーローです。


 「ダンサー・イン・ザ・ダーク」

2000年 デンマーク 監督:ラース・フォン・トリアー 出演:ビョーク カトリーヌ・ドヌーヴ デヴィッド・モース ピーター・ストーメア

大まかすぎるあらすじ。
主人公はチェコスロバキアから一人息子を連れてアメリカに出稼ぎに来ている母親。
近い将来、盲目になることが分かっている主人公は、同じ眼の病である息子を治すために昼夜問わず、必死で働く。
つましい生活を送る中、ようやく手術代が何とかなりそうになったある日、悲劇は起こる。

(注)この映画を好きな人、またはこれから観ようという人は、続きを読まないように。

 

私は駄目でした。
悲惨すぎるでしょう、あれは。救いがない。
最後の息子の眼のことは唯一の希望かもしれないけれど、それすら曖昧。
主人公がどうやっても幸せになれず、どんどんどんどん泥沼化する状況に、もういいよ本当に、という感じでした。
確かに、何事もそう上手くはいかないんだよ、ってのが人生かもしれない。でも映画の中であそこまでする必要はないと思う。
不幸のどん底にいたのなら、ラストは幸せになれるのが物語の世界。(ハリポタ含め。あれは最後に上手くいきすぎ)
逆に幸福の絶頂から、ラストは不幸という逆もしかり。
しかし、あの話はずっと不幸じゃないですか。さらに追いつめられていくし。

内容的に、よく出来た映画だと思います。
主人公が警察に捕まるせっぱ詰まった場面や法廷は、ミュージカルで誤魔化したり。
主人公の演技が鬼気迫るものがあったり。
もしかして助かるかも、と期待させておいてさらに追い打ちをかけたり。
不幸に対する伏線は並々ならぬものがあります。
突然始まるミュージカルシーンも皆さん頑張ってました。

総合的に、つまらない映画ではない。音楽もいいし、理解も出来た。
でも、やっぱり私は駄目。
観ていて気持ちが悪くなったのは、疲れていたときに観たせいと、ドキュメンタリータッチな画面の揺れと、内容の悲惨さのせいかと思います。
ハッピーエンドだったら、ここまで話題にならなかったでしょうが。

 

私、主人公の友達が彼女に言った、息子に必要なものは「眼」よりも「母親」、という言葉は正しいのではないかと思う。
主人公が無実を主張しないかぎり、息子は一生、「善良な警官を殺した残虐非道な犯人の息子」という汚名を背負って生きていかなければならない。
それは、主人公が真に望んだ明るい未来なのでしょうか。
たとえ眼を患っていても、主人公には優しい友人達がいるのが分かっているのだし、何らかの生き方はあったと思います。
結局主人公は息子のためと言いながら、その実、自分のことしか考えていないように感じました。

自分のために涙する友人のことも、息子のことも、残される人々が永遠に抱えるであろう悲しみは彼女の頭にはないのです。
主人公は眼のことを承知したうえでプロポーズしてくれた男性を振り、幸せになれる手段をあくまで無視し、沈黙を続けて死を選ぶ。
それなのにぎりぎりのときになって、やっぱり死ぬのが怖いと嘆かれても、困ってしまう。
不幸だった時間が長かったから、幸せになれると言われても、信じられなかったのかもしれない。

「母親の無償の愛」というのがうたい文句だったようだけれど、あれは愛じゃないですよ。
何事も生きてこそ。生きるってこと以上に大切なことはこの世にない。
主人公の行動は息子を不幸のどん底に突き落としただけです。
精神的なショックがあると手術に悪影響と主人公が言っていたように、息子の眼が本当に治ったかどうかあやしい。主人公の友達が息子の眼鏡を手渡しただけで何も言わなかったのは、こういうことではないかと思う。
もし手術が何の意味もなかったとしたら、息子は頼るべき両親がいない世界で、暗闇の中、殺人犯の息子と後ろ指をさされながら生きていくことになる。
主人公は自分の我が儘を最後まで貫いた人だと思いました。


 「ティム・バートンのコープスブライド」

2005年 アメリカ 監督:アンドリュー・ディヴァイス 監督/製作:ティム・バートン 声の出演:ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター エミリー・ワトソン

ティム・バートン監督といえば、有名なのは『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』(93)。
私はそれを見ていなかったので、「人形劇の映画って、どんなんだろうー?」と思っていました。
しかし、ジョニー好きーなので見に行く。(笑)
面白かったですよー。いえ、理由は分かっています。
私、ティム・バートン監督の映画によく出てくる、臆病で神経質で内気で頼りない、でも、誰よりもピュアなハートを持った男の人が大好きなんですよ。可愛い系。(笑)
この映画のビクターもそんな感じです。ヒロイン二人に挟まれて、どっちも傷つけたくない優しい性格なために、板ばさみ状態です。ラブリーーv

ストップモーション・アニメ製作というのは時間がかかるらしく、人形をちょっとずつ動かして撮影するわけですから、一秒か二秒の撮影に12時間かかることもあるそうです。
な、なんて気の長い作業なんだ!!!私には無理!
そして人形の動きがあまりにリアルなために、最初から最後までずっと感心していましたよ。
花嫁のベールなんて、ふわふわしている感じをどうやって出しているのか。凄い!

 

簡単にあらすじを書くと、舞台は19世紀ヨーロッパの小さな村。そこで、一組のカップルが結婚式をあげようとしている。
新郎である主人公は、魚の缶詰業で財を成した両親を持つ、ビクター。
新婦は由緒ある貴族の出だけれど金がなく、両親と共に貧乏な生活をしているビクトリア。
互いの利益のための結婚だけれど、結婚式前日のリハーサルで初めて会ったビクターとビクトリアは、その瞬間から互いに好意を抱く。
しかし、内気な性格のビクターは、緊張のためリハーサルで失敗ばかり。教会の牧師様は怒り出してしまう。
その夜、一人で式で花嫁に誓う台詞の練習をしていたビクターは、彼女の指に見立てた枯れ枝に、結婚指輪をはめる。
彼が枯れ枝だと思ったそれが、死者の世界の花嫁の指だったことから、事態は急展開。
死体の花嫁(コープスブライド)によって、生きながら地下深くの死者の世界に連れ去られてしまったビクターは、果たしてビクトリアの元に戻れるのか??

あらすじを見れば分かると思いますが、ヒロインは二人います。死者の花嫁と、落ちぶれた貴族の娘ビクトリア。
死者の花嫁は、手や顔が腐っていたり、目玉がときどき飛び出してしまう強烈なキャラなんですが、可愛いんですよねぇ。
死んでしまった理由がまた可哀相で、ビクターが同情してしまうのも分かる。
でも、私の贔屓はビクトリアでした。(笑)彼女もまたラブリーなんですもの。
リハーサルのときに、消えてしまったビクターの蝋燭にそっと火をつける姿がなんだか可愛かった。
ビクターのために駆け回る姿も、愛ゆえですよ。
パンフを見ると、見ている側は、物語の中心であるビクター、死者の花嫁、ビクトリア、三人それぞれに幸せになってもらいたいと思うはずとありましたが、その通り。
最後はハッピーエンドで、大変嬉しかったです。

 

以下、ネタバレ有り!!

 

ビクター、可愛いわぁ。死者の花嫁に連れ去られるときの、「ビクトーリアーー」の声が耳に残っていますよ。(笑)
彼女からもらった花を後生大事に持っていたりして。
死者の花嫁が死んだ理由を話し始めたあたりで、それってあの人なんじゃあ・・・・・と、すぐに分かった。登場人物、少ないですしね。
納得いかなかった点をあげると、死者の花嫁が何であんなところで手を突き出して眠っていたかですね。死者の国で顔が広いようだし、ずっと地下にいたのでは?
地上の世界に行くには長老に頼んだり、いろいろと手はずが面倒みたいですし。
死者の花嫁との結婚を決めたビクターが、地上で結婚式を行い、あまつさえみんなも連れて行くと言ったのもその必要性を感じなかった。
だから、地上には簡単に行けないはずじゃなかったのか??しかも、あの大人数。

あとは、ビクターの突然の心変わり。あんなに、ビクトリアを思っていたのに・・・・。彼女が結婚すると分かったら、あっさり乗り換えるのか!
死者の花嫁とは死なないと結婚できないのに。・・・・絶望したから、投げやりな気持ちだったのかな。このあたりのビクターの心情が分からなかった。
ビクトリアの両親が、ビクターがいなくなったからといって、あんな素性の分からない男と娘を結婚させようとするのも不思議だし、あの男があんなに怪しげなカップの飲み物を飲んだのも謎。
いかんわ、これだけ書くと気に入らなかったみたいだわ。
つじつまが合わないことが多いなぁとは思いましたが、死者の花嫁と結婚というテーマやお話は好きでした。
骨だけだったのに、死者の子供達が妙に可愛かったし。(笑)
DVDが出たら、買うかな。


 「逃亡者」

1993年 アメリカ 監督:マイク・ジョンソン 出演:ハリソン・フォード、トミー・リー・ジョーンズ

母が超面白いと言うので観に行った映画。母が好きなのはカウボーイものだけだと思っていたのでビックリした。
本当に面白かった。
最初は無実の罪で逃げてるハリソンが可哀想で、追いかけてる刑事役のトミーが憎らしくてしょうがなかったけど、段々トミーも好きになり、最後には大ファンに。
ハリソンが出てる映画では、「エア・フォース・ワン」とはるくらい好き。


 「トロイ」

2004年 アメリカ 監督:ウォルフガング・ペーターセン 出演:ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー

あらすじはもう、書くまでもない気がしますが、一応。
時は3000年も昔。
話は長年争っていたギリシャ連合のスパルタとトロイの無血同盟が結ばれた日から始まる。
同盟を結ぶためにスパルタを訪れたトロイの王子パリスは、スパルタの王妃ヘレンに一目惚れ。
彼女を船でトロイへと連れ帰ってしまう。
激怒したスパルタの王メネラオスは、兄であるギリシャ最大のミュケナイ王アガメムノンと共にトロイへと船団を派遣する。
その中にはキリシヤ最強の戦士、アキレスの姿もあった。

 

以後、超ネタバレ有りなので、未見の方は注意。とことんブラピ命なので、彼を嫌いな方も注意。

 

 

最初に言わせてください。

ブラッド・ピットが格好良かった!!!!

映画が終わっても、暫く席を立てなかったですよ。メロメロで。(笑)
英雄アキレスの魅力がなければ、彼がアキレスを演じていなければ、この映画は成り立たない。
彼はとにかくスターです。彼がいるだけで、画面が華やぐというか。きらきらしてるんですよ。
エリック・バナも十分素敵だけどね。

 

この映画を観る前に私が知っていたのは、王子パリスがヘレンを自国へと連れ帰る、アキレスは弓で足を射られて死ぬ、木馬に兵士が入り込み城壁を越える、トロイ滅亡、それぐらいです。
何の先入観もなしに観たせいか、面白かったですよー。原作を読み込んでいる方々は、話の展開が違ったり、生き残るはずのキャラが死んだりしているのが猛烈に許せないらしいけれど。
難があるとすれば、ギリシャ側のアキレス、トロイ側のヘクトル、どちらも甲乙付けがたいいい男で、どっちの応援をしたらいいか分からなかった点です。
片方をどうしようもないほど悪人にしてくれないと、どっちが負けても気分悪いじゃないですか。
それとトロイ滅亡の結末やヘクトル、アキレスの死亡を知っているだけに、ああすれば死なないのにとか、そっちに行ったら駄目だよ、と所々で進言したくなるところか。
私、ハッピーエンドが好きなのですよ。(涙)

それと話をあまり理解していないせいで、ヘレンはもっと悪女なのかと思ったよ。いや、トロイにとっては悪女そのものだろうけど、性格的に。
ヘレンとアキレスも何か係わりがあったりするのかと思っていたら(それでヘレンを奪い返しに来る)、全然違った。(笑)“愛のための戦い”などと言われていたから、恋の三角関係、四角関係とずるずるな話かと。
パリスがどんなにヘタレでもヘレンとの愛は変わらないし、ヘクトルは奥さん大事にしているし、アキレスは初恋とやらをしているし。
それぞれ想いは一途で、主に戦いがメインの話だったんだなぁ。
男性の俳優陣に比べて女優がしょぼいとの噂を聞きましたが、それはしょうがないでしょう。戦いメインですから。
私は別に女優さん達に文句はないですが、活躍する場が与えられなければ、しょぼいと思われてもしょうがないかと。ヘレンなんて、ほとんど脇役だし。
その美貌で若い王子を籠絡してトロイの中をかき回すキャラだと思っていたので。(^_^;)あれではただの可哀相なお姫様。

 

オーランド・ブルームの役が格好悪すぎると言われているが、世間知らずのお坊ちゃんで、都合が悪くなったら出来の良いお兄ちゃんに頼っちゃうヘナチョコ王子役がめちゃくちゃ似合ってましたよねー。
私あのメネラオスとの決闘の場面でパリス王子が死ぬと思っていたので、彼が戦いの最中に逃げ出したときは本当に度肝を抜かれました。
ええーーー、そりゃないだろーーーーー!!格好悪いなんてもんじゃない。王子のすることですか、あれが!?
一瞬にしてオーランド・ブルームの見る目が変わったんですが、時間が経つにつれ段々と可愛く思えてきました。
思えば、人間として当然の行動ですよ。誰だって死にたくない。助けてくれって強いものにすがっちゃう。
この映画で彼ほど自分の心情通りに動いた人はいないですよね。それで最後は幸せになれてしまうんだから(生き残ったんだよね?)人間正直に行きよう!、ということだろうか。

未だに納得できないのは、パリスの愚行を皆が責めないところです。
兄に一度叱られたけれど、意気揚々と凱旋帰国しているし。アホか!!美人連れて帰っていい気になっている場合か!そのアホさかげんがまた可愛いといえば可愛い。
ヘレンは自分が来たことでどうなるか予想出来ていたから、暗い顔でしたけど。
父王のプリアモスも、息子達の帰国を喜んでいないで、パリスを一度ぶん殴るくらいして欲しかった・・・。
パリスがどれほど甘やかされて育ったか、よく分かる。
ヘクトルが死んだときくらいは、彼の妻がパリス&ヘレンをなじる場面が欲しかった。
ヘナチョコ王子のパリスが、唯一役に立つ言動をしたのが、「木馬を燃やしましょう」のところ。唯一、その唯一の言葉を踏みにじってしまい、トロイは滅亡。うーん。
ヘクトルが生きていれば、「燃やそう」と言う役目は間違いなく彼だったでしょうけど。
大体、疫病のあった場所にぽつんと置いてある木馬を神殿まで運ぶという行為自体、常軌を逸しているって。感染は平気なのか?
あと、木馬を城壁の中へと運んで民が騒いでいるのを見て「兄が死んだばかりなのに!」と怒る場面もパリスは真っ当でした。

 

そして主役の片割れであるアキレス。
どうしようもない男ですねーー。(笑)何にも従わないので、王にも平気で逆らう。王も彼が嫌いだけれど、彼の力は必要。
間を取り持つオデュッセウスが可哀相ですね。中間管理職か。
トロイに上陸したときの戦いなんて、無謀以外の何ものでもないでしょう。死ぬって。私ならあんなリーダーに絶対ついていかないけどなぁ。
戦いの場面は思ったよりリアルでした。嫌悪するとまでいかないですが。アキレスの超人的な強さに圧倒される。あの人が槍投げたら、絶対避けられないですよね。
自分勝手で我が儘ですが、後から反省して謝られると、何だか許してしまうよ。美形は得だ。

アキレスは幼いころから母親に言われていたのでしょう。
トロイに行けば英雄として死ぬ、自分の国に残れば後世に名を残せないが幸せな家庭を築ける。たぶん、本当に愛する女性を見付けていない彼には、後者のビジョンは想像出来ずにトロイに向かってしまう。
でも、戦いの最中に出会ってしまうんですね。運命の女性に。
トロイの王族の血筋である神殿の巫女、ブリセウス。敵に捕らわれて奴隷となったが、アキレスと出会い恋に堕ちる。何て素晴らしい肩書きを持った女性なんだ!!お城の中で憂い顔の場面しか用意されていないヘレンよりずっとヒロインだぞ!(笑)
うーらやましーうらやましーーーーー。
ブリセウス役のローズ・バーンは最初ヘレン役をやりたかったらしいが、ブリセウスで正解だろう。そっちのがいい役柄だって!絶対。
彼女に会ってから、アキレスは母親の言っていた第二の道について考え始めるらしいです。帰国して家族と共に平凡に暮らす。あの悲劇さえなければ、それは現実になれたろうにねぇ。悲しい!

 

ブラピファンにとって非常においしい役であるブリセウスだけれど、扱い、悪いですよね。パンフでも登場人物紹介くらいにしかまともな顔写真ないよ。(笑)新人さんだから?
仮にもアキレスの恋人役なんだから、もうちょっと何とかして欲しかった。アキレスが死んだのも、彼女のせいといえば彼女のせいだし。
この映画は結局、恋で始まり恋で終わる。恋は盲目と言いたかったのか?
アキレスは死ぬ間際、ブリセウスに「戦いの中の安らぎだった」と言ったが、彼女のことをそこまで好きになる要因が分からない。
わりと初期から彼女に執着していましたよね。だからアガメムノン王もアキレスへの嫌がらせのためにブリセウスを取り上げたんだから。
何でだろうーと考えていたのだけれど、どうやらブリセウスがアキレスのことを怖がらなかったからみたいです。
そういえば、彼女が「怖くないわ」と言ったときに、アキレスの表情が変わった気がしたよ。何だかブリセウスの寝顔をじっと見つめているし。あのあたりで、母親の第二の選択について考えていたんだろう。
ブリセウスの危機に駆けつけるアキレスは王子様の以外何者でもないですねぇ。はぁ・・・、格好良い!

ラストシーンで、木馬を使って砦の中へと侵入したときに、アキレスが何だかえらい全速力で城内を走っているのですよ。
きっと敵の大将(プリアモス王)の首を取ってさらに名声を高めようとしているんだろうなぁと思っていたら、探していた名前は「ブリセウス」だったのでドヒャーーーとなった。そのときまで、アキレスが彼女のことをそこまで好きと思わなかったので。
何だか、早く二人を会わせてあげたいという親心(?)が自然と湧いてきたシーンでした。
混乱に乗じて王族の彼女が殺される前に助けようというなら、あのとき、ブリセウスをプリアモス王に返さなければ良かったのにねぇなどと言ってはいけないのか。(笑)まだどちらが勝つか、そして戦がどれくらい長引くか分からなかったからかな。
肝心のブリセウスがあの状況で神殿に祈りを捧げに行った場面はアホな奴だとしか思えなかったが(巫女だから?)、アガメムノン王を刺したところで見直した。本当、度胸良いな。こういうところに惚れたのか?
そして訪れる悲劇。ぐおーー、分かっている、分かっているよ。アキレスが弓で射られないとこの映画は終わらないって。しかし、辛かったですわ!!(涙)

パリス王子、どこまで馬鹿なんだ。いとこ姫が騒いでいるのも見えないで。
しかし、私がブリセウスだったら、自分に矢が当たってもいいからアキレスをかばうね。いとこ姫に当たると思ったら、パリスも無理なことをしなかったろうし、叫ぶよりずっといいですよー。ってしょうがないことなんだけどさ。
早く逃げようと誘うパリスとアキレスから離れないブリセウス。自分は大丈夫だから早く行けというアキレスに涙ですよ。ブリセウスがパリスと共に隠し通路に向かったのを見届けてから息を引き取るアキレス。死なないでーーーーーーー!!ごめん。私、途中からブラピしか見えていなかったです。
あと、炎上する街を見下ろし愕然とするプリアモス王の姿が衝撃的だった。アカデミー賞ものの演技だよ。息子の遺体を譲り受けるために、たった一人でアキレスに会いにきたときの表情も、印象的。気持ちがありありと伝わってくる。
あのときの火事はどうやって撮影しているんだろう?砦に向かってギリシャの兵が迫ってきたときも、トロイの人々同様、もう駄目だと思えたし。

 

そしてもう一人の主役であるヘクトル。
やっぱり同等の力を持つ者同士の争いでなければ、話も盛り上がらない。主役は彼とアキレスで、パリスは戦いの発端を作っただけの脇役ですよね。
良き父、良き夫、良き息子、良き兄であるヘクトルが死んで、元凶である弟が生き残るとは、何と理不尽な。でも人生なんてそんなものかもしれない。
アキレスとヘクトルの一騎打ちは間違いなく、映画史上に残るクライマックス。
今まで見たことがない戦い方でしたよ。かなり練習を積んだそうで、まさに息を呑む応酬。二人の体もいい具合に筋肉がついているし。
ヘクトルが死を覚悟した戦いに向かう前、「ヘクトール、ヘクトール」と呼び続けるアキレスが猛烈に怖かったですわ。
あれ、砦の中から弓矢を使ってアキレスを倒したら、まずいんですかね。やはり。(卑怯・・・・)

人間、生きてこそなんぼですよ。卑怯だろうと、勝てば官軍。そうなると、パリスの行動は肯定出来るのかな。
死ぬと分かっているのに、馬鹿正直に決闘に行くことないのになぁと思ってしまうのは、私が女だからかね。武士とか、何故すぐ切腹切腹と騒ぐのかといつも思うので。名誉やプライドでは飯は食べられませんぜ、旦那。
こうした考えは『無責任艦長タイラー』の影響だろうかね・・・・。
しかし我が侭で自己中心的なアキレスと、色ボケ能なし弟王子パリスを見た後だと、ヘクトルだけがこの映画の良心だったと思えます。
この人、何にも悪いことしていないですよ。国の未来を考えない弟と、自分の忠告を無視する父や家臣のために死んでしまった。作中、一番哀れなのは彼の奥さんと息子か・・・。

アキレスの戦い方は普通の人にマネできないですよね。冒頭、一撃で敵の兵を倒したあのジャンプとか、盾の使い方とか絶妙。盾というと丸い形しか想像していなかったから、ああいうことも出来るのかと感心した。
それとあの時代の戦い方ってわりとのんびりですね。
アキレスのいとこを間違って殺してしまって「今日はこれまでだ」と兵を引く両軍、ヘクトルを敵の王子と分かっていながらみすみす逃してしまうアキレス。何だか源平合戦を思い出したよ。
あのあたりの戦いも「やあやあ、我こそは(以下、その人物の出身地から先祖から、長々と自己紹介する)」とわざわざ名乗ってから一騎打ちをしていましたよね。それを無視して奇襲作戦を実行し、連戦連勝をしたのが源義経。当時は礼儀知らずとか卑怯者とかいろいろ言われたんだろうけど、今は英雄だからね。ああ、話がそれた。

 

ラストの登場する木馬ですけど、どう見ても怪しいじゃん!!!?何で街の中に入れちゃうのよ!
そしてあの中、あんなに沢山の兵士が入っていたのですね。10人以上?てっきり2、3人くらい入っていて、彼らが門を開けて兵が一斉になだれ込むのかと思っていたよ。
狭そうだし、あれだけの人数が入っていたら窒息しそう。いや、あの木の隙間から人影が見えそう。いや、クシャミとか頭をぶつけて「イテッ」とか言っちゃいそう。というか、トイレは垂れ流しだろうか??
映画公開中、歌舞伎町に実物大(?)の「トロイの木馬」が設置されていて、それを見るとますます疑惑が深まりましたがそれを言ったら映画が成り立たないね。(^_^;)
全体的に青の色が印象的な映画だった。海とか服とか瞳の色とか。青い海が船で一杯になっている場面は圧巻。
これでハッピーエンドだったら完璧だったのになぁ。無理だけどさ。

ところでこの映画で唯一分からなかったのが、ヘクトルの遺体を見て涙するアキレス。じ、自分がやったのに。あれほど憎んでいたのに・・・・。何で?
良い解釈があったら教えて欲しいところ。
あと『ロード・オブ・ザ・リング』みたいに三部作でお願いしたかった。あっという間に死ぬキャラ多すぎ。一部でパリスのヘレン奪取、二部でギリシャ
VSトロイ、三部でトロイ陥落、とかね。そうしたら、ますます話がぼやけてしまうかしら。(笑)
魅力的な脇キャラが沢山いたから、そっちの方にも焦点当てて欲しいを思った私は贅沢か。

 

 

(追記)以下、同人という言葉をご存じない方や、カップリング視点で映画を見ていなかったかたは読まない方が良いです。(^_^;)

 

 

同人好きーの方々が『トロイ』を見ると、アキレスの恋人はブリセウスではなく従弟の美少年パトロクロスなんですねぇ。巷のサイトを見て確かにそうも考えられるかと思いました。
本当にそういう描き方だったらこの映画にこんなにはまらなかったが。(笑)
あんだけパトちゃんを大事にしているのに、戦に連れて行ったのは閨の共をさせるためだったとか。(女は戦場に連れて行けないし)
アキレスがブリちゃんに興味を持っているのが気に入らなくて、彼の気をひくためにパトちゃんはあんな無理をしたとか。
パトちゃんの死にアキレスがあれほど激昂したのは、彼が恋人だったからだとか。
そう考えるとつじつまが合いすぎて、ちょっとあれだな・・・・。原作では本当に恋人だったんだろうか。

パト派とブリ派の方がが某掲示板で激論バトルをしていて、わたくしはブリ派なので参戦したい気は山々だったけれど、怖くて出来なかった。(笑)
不毛だ・・・。肝心のアキレスが死んでいるのに、そんなバトルをしても。
でも、パトちゃんはアキレスが戦場へと向かうのを止めることは出来なかったですよね。
ブリちゃんと出会ってアキレスは愛する人との平穏な毎日を思うようになったんだし、その時点でブリちゃんの勝ちじゃないのかなぁ。駄目か。

あとから考えると、アキレスがプリアモス王にブリちゃんを返さなければ全てうまくいった気もする。
エウドロス達を帰国させたとき、ブリちゃんが手元にいればアキレスも一緒に国に帰ったんじゃないのかな。木馬の中にいたのは、どう見てもブリちゃんのためだし。何てタイミングの悪いカップルだ。
あのとき、もしパリスがアキレスを弓で殺さなくても、ブリちゃんがアキレスと一緒に行けばいろいろ問題になっていたことだろう。ブリちゃん、アガメムノン王刺しちゃったし。あの混乱で兵士の一人や二人がそれを目撃していてもおかしくないし。責任問題が。
そうなると、アキレスがブリちゃんを守って死んだのは、正解だったのか。うーん。
ヘクトルとアキレスに生き残って家族と幸せになってもらいたかったというのが、本音ですけどね。
しかしアキレスが自分の仲間を先に帰したのは母の予言を知っているから、帰りの船がいらないと判断したという意見に愕然としましたよ。そこまで考えていたのかと。死んでもいいからもう一度会いたかったのか・・・。(涙)

 

あと、個人的にヘクトルとパリスが船の上でお揃いの青い服を着ていたのが可愛かった・・・・。
「僕のこと守ってくれる?」なんて言われたら、お兄ちゃんもメロメロ!!か、か、可愛い。人妻キラーと言われるだけある。
甘やかしてしまっても、仕方ないかもなぁ。しかし、あくまで兄弟愛でお願いします!恋愛だなんて、そんな。駄目よ。


 「ドンファン」

1995年 アメリカ 監督:ジェレミー・レビン 出演:ジョニー・デップ マーロン・ブランド フェイ・ダナウェイ

ジョニーの魅力、大炸裂!!!!

って感じの映画です。(笑)美しすぎるっすよ。くらくら。
ジョニーは何かのインタビューで、この役は僕以外できないと言っていたけど、その通りですね。
監督も脚本できる前から、ずっとジョニーが頭にあったらしいし。
とにかく、ジョニーの女性を口説くときの台詞が綺麗!!詩ですよ!
あの瞳で見詰められてあんな言葉いわれたらどんな女性もメロメロだろうなぁ。

内容。
精神科医のジャックは10日後に引退が決まっている老医師。
彼の最後の患者は、自分のことを“ドンファン”と思い込んでいる自殺願望のある21歳の青年。
かつて1000人以上の女性を愛した彼は、“ドンナ・アナ”という女性にふられたために死を選ぶという。
果たして彼の話は事実なのか?

えーと、ドンファンというのは、スペインの伝説上の人物。好色の代名詞ですね。モーツァルトも歌劇の題材にしている。
ジョニーが怪傑ゾロみたいな格好してます。(笑)
ああ、マスクをしていても、その端麗なお顔の魅力は損なわれていないですわーって、ヤバイヤバイ。
ラブファンタジーです。そう。ファンタジー。
お子様やご両親とは観ないほうがいいかも。“愛”の話なんで。(笑)
凄いですよ。この映画。
私、ここのところ恋とは縁遠い生活していたのですが、この映画を観た後、めっっちゃ恋をしたくなりましたから。
(友人達は度肝を抜かれていたわ)
そう、地球を救うのは、オンリーラブvv
ってイカンイカン。本筋とは関係ないところにずれる。

ドンファンはただの女たらしじゃないんですよ。純真な男の人なんですわ。
正直すぎるだけなのだ。最愛の女性に、「君は1502人目の女性だ」なんて普通言わないっての。(笑)
ふられてもしょうがないわよ。結構マヌケな人なのだが、そこがまた魅力。
少年時代の子役も可愛かったですわ。

年をとってすっかり無気力になっていたジャックが、ドンファンの話に影響されてどんどん気持ち的に若返ってくるのが凄い良い感じです。
あの、ラスト、ジャックが自宅の庭で奥さんに言った台詞に、ちょっと涙。
うちの父が母にあんな言葉を言ってくれたら、母本当に心から嬉しいだろうなぁ。(ありえないけど)

決してお薦め、と声を大にして言う映画ではないけど、良い映画です。良い映画。
虚実と現実が交錯している話。ラストは、えええ!!って感じで。
どれが真実??エロス島ってどこにあるんだ?でも野暮なことは言っちゃ駄目なのよ。
ごっつハッピーエンドで、とにかく幸せ〜〜vvになれます。EDの曲も良い。

ドンファンの“ロマンス病”は伝染性が強いそうです。この私もかかったくらいですから。(笑)


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