禁じられた遊び @
木漏れ日が差す林をぬけると、そこにたどり着く。
小さな池を囲むようにして咲く花々。
野生の小動物が集まり、穏やかな空気が流れている。
自然と心が落ち着く、楽園のようなところ。
人がいることは滅多になく、ナルトにとって取っておきの秘密の場所だ。
誰かに苛められたり嫌なことがあると必ず訪れる。その日もナルトは里の人間に冷たい言葉を投げられ、その場所に向かっていた。
まだアカデミーに入る前。
幼いナルトが懸命に木々の間を走っている。その足が唐突に止まったのは、先客の気配を察したからだ。
楽しげな人の話し声。
人数は二人だろうか。
片方は彼の知る人物の声に、よく似ている気がした。そう思った瞬間に、ナルトの心臓がどきりと高鳴る。
それはまるで、自分への警告のようだった。
いけない。
これ以上進んでは。いけない。
これ以上覗き見ては。
いけない。
思い出しては。
ナルトは目を大きく見開いた。
数秒後、ナルトは自分のいる場所が自宅のベッドの上だと認識する。
ナルトは身体中にじっとりと寝汗をかいていた。
嫌な、夢を見た気がした。
だけれど、目覚めた今となっては、どのようなものだかはっきりとは分からない。「全く。今日は大事な日なのに寝覚めが悪いっての・・・」
勢い良く半身を起こし、ナルトは両腕を頭上高く伸ばした。
それから大きな欠伸をすると、もう夢のことなど忘れてしまう。
「よし!」
ベッドから出たナルトは、早々に食事の支度に取り掛かった。アカデミーの卒業試験もクリアし、今日はいよいよ下忍としての班決めの日だ。
説明会の会場へと向かうナルトの足取りはごく軽やかなものだった。
下忍としてのスリーマンセルが決まった後は、担当上忍との対面。
不思議なことに、その教師を見ているうちにナルトはどこかで会ったことがあるような錯覚に陥った。
だが、“はたけカカシ”という名前は初耳だし、親しく付き合ったこともないはずだ。
とりあえず4人揃って会場から離れようとしたときに、ナルトはふいに誰かの視線を感じ、振り返る。
見ると、カカシがじっとナルトのことを凝視していた。
その視線の強さに、ナルトは奇妙な寒気を覚える。「大きくなったなぁ・・・」
にっこりと微笑み、彼は確かにそう言った。
だがそれはすれ違いざまのことで、ナルト以外の者には聞こえない声だった。
それから無事下忍試験に合格し、任務もいくつかこなすようになった頃、ナルトはこのときのことをカカシに訊ねた。
どこかで、自分と会ったことがあるのかと。
だが、カカシははぐらかすようにして笑うだけだった。
そのようなことを言った覚えはないとカカシに言われれば、ナルトにはそれ以上追求することはできない。
だけれど、日が経つにつれ、その引っ掛かりはナルトの中で大きくなっていった。
あとがき??
・・・・これだけだと、何が何だか。
『輝夜姫』、まゆのパパと晶の昔のラブラブ場面を見て、書こうと思ったんですけどね。
大事なところまでいかなかった。
というか、サクラが出てこないじゃないのー!!!(怒)