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彼氏彼女の事情 4
「何で俺にかまうんだ」
サスケはすでに日課となってしまっているサクラの弁当を食べながら訊ねる。
屋上には相変わらず人気がなかった。
「立ち入り禁止」の札が生徒の進入を阻んでいるせいだが、サクラ達はまるで気にしていない。
五月晴れの空を見ながら食事は気持ちが良く、規則違反をしている罪の意識など消し飛んでしまう。「サスケくんが何となく寂しそうに見えたから、かな」
水筒の茶をコップに注ぐと、サクラはそれをサスケに手渡した。
「お母さんは、何か言ってきた?」
「電話がかかって来た。昨日」
「そう」
穏やかに微笑むサクラは、その吉報を我がことのように喜んでいる。
自然と口元を綻ばせたサスケに、サクラは思い出したように言葉を続けた。「それと、サスケくんがよく似ていたからよ」
「・・・似てる?」
「うん。カカシ先生の学生時代と雰囲気が似てるの。写真でしか見たことないけど、そうやって笑うと本当にそっくり。だから気になっちゃうのかもしれない」
サスケに屈託のない笑顔を向けるサクラは、まるで気づかない。
サスケの表情がにわかに曇ったことに。
また彼自身も、何故急に彼女を憎らしく感じたのか、分からなかった。
「やぁ、楽しそうだね」
背後から聞こえたその声に、サクラは弾かれたように振り返る。
ドアを閉めて歩いてくるのは、白衣のポケットに両手を突っ込み、微笑しているカカシだ。
「先生!」
たちまちに顔を綻ばせたサクラは、膝に乗っていた弁当箱を置いて立ち上がった。「どうしたの?ご飯は朝、ちゃんと持たせたわよね」
「うん。でも、サクラの顔を見ないと寂しくて」
「毎日会ってるじゃない。あんまり保健室にばかり来ないで友達を作れって言ったのも先生のくせに」
カカシに飛び付いたサクラは、第三者の存在などまるで忘れたかのように甘えた声を出す。
それはサスケが今まで見たことがなかったサクラの一面だった。
「あ、そうだ先生、紹介するね。新しくお友達になった隣りのクラスの・・・」
「うちはサスケくんでしょ。知ってるよ、彼は有名人だから」
座り込んでサスケと同じ目線になったカカシは、彼の耳元で何かを囁いた。
サクラに聞こえないよう、小声で。
その瞬間立ち上がったサスケは、顔を赤くしてカカシを睨み付けている。「え、何、サスケくん?」
「教室に戻る」
食べかけの弁当を放ったまま、サスケは階段へと続くドアへと歩き出した。
何が起きたのか分からないサクラは、ただ困惑気味に彼の後ろ姿を見送るしか出来ない。
「先生、サスケくんに何か意地悪した?」
「別に。ただ、「童貞くんにはサクラの体は満足させられないよー」って言っただけ」
「・・・・何よ、それ」
わけが分からないといった顔のサクラを無視して、カカシは置き去りにされた弁当を食べ始めた。
サスケに嫌がらせめいたことを言った上に、のうのうと食事をするカカシの姿にサクラは段々怒りがこみ上げてくる。
「ちょっと、先生の分はもう食べたんでしょ!それはサスケくんのために作ったんだから」
「・・・さっきからサスケくん、サスケくんって、そんなの大事なの。俺より?」
「先生、変よ。どうしたの」
「サクラがおかしくさせるんだよ」
弁当を放り投げたカカシは、傍らにいるサクラの肩を掴んで床に押しつける。
首筋に触れる唇とスカートをたくし上げる掌の感触に、サクラは目を見開いた。「や、嫌!!もうすぐ午後の授業始まるんだから」
「さぼっていいよ」
「でも、人が・・・」
「来てもいい」
カカシは有無を言わせずサクラの服を剥いでいく。
力で敵わないサクラは、ただ悲しげにカカシの顔を見上げているしかない。
逆光のせいで判別できないカカシの表情と、その後ろに広がる青い空。
泣いているようだった。
あとがき??
青○か。カカシ先生を羨ましいとしか思えない私はすっかりサスケの心情です。
どうしよう、サスサクを書くのが物凄く楽しくなってきました。珍しく。
不倫で突っ走ってみようか・・・・。(悶々)
高校生同士の清い交際なのに不倫。それもまた良し。
何だかこの話、幸せなのは唯一サクラちゃんだけのような気がする。いろんな意味で。