『白昼の悪夢!!狙われた幼妻』
はたけ夫妻は結婚2年目の円満夫婦だ。
多忙な上忍である夫は家を留守にすることが多く、妻は生まれたばかりの子供の世話と家事に追われている。
幸せな家庭にある魔の手が忍び寄っていることを、まだ知る者はいなかった。
「こんにちはー、宅急便ですー」
「はーい」
呼び鈴とその声に反応したサクラは、たたみかけの洗濯物を放り出して玄関へと向かう。
戸口に付けた監視カメラでチェックすると、それははたけ家によく出入りする配達屋だった。
「ちょっと待ってくださいね」
判子を片手にサンダルをはいたサクラは、急いで扉の鍵を開けた。「こんにちは。奥さん、今日も綺麗ですねー」
「いやだ。お世辞を言っても何も出ないですよ」
まんざらでもない顔で小包を受け取ったサクラは、受取書に判子を押してその包みへと目を向ける。
「・・・あら?」
いやに軽い小包で、差出人の名前も書いていない。
不審に思ったサクラが顔をあげたときには、笑顔だった配達屋の表情は一変していた。
「嫌!!やめて!!!」
ナイフで脅され、寝室へと連れ込まれたサクラは悲鳴を上げて配達屋に抵抗した。
「へへへ。分かっているんだ。隣りの部屋にはあんたの子供が寝てるんだろ」
「え!!」
「可愛い赤ん坊をこのナイフで切り刻まれたくなかったら、言うとおりにしろ」
刃物をちらつかせた配達屋に凄まれ、サクラは唇を強く噛みしめる。
「前からあんたには目を付けていたんだ。旦那の帰る時間も調べてあるし、部屋の間取りも分かっている。逃げようったって無駄だ」
「くっ・・・」大人しくなったサクラをベッドに押し倒すと、配達屋は下卑た笑いで彼女を見下ろす。
「これから、旦那がいないときは俺が可愛がってやるからな」
サクラの耳元で囁き、配達屋は顔を背ける彼女に無理矢理唇を合わせた。
「・・・・うーん。いまいち」
「あれ、駄目だった?」
サクラから体を離した配達屋は、残念そうに言う。
「ちょっとね。この間の「主人とメイド」のシチュエーションの方が楽しかった。衣装も可愛かったし」
「ああ、あれねー。メイド服のエプロン、サクラに似合ってたよな。でも、一応「配達屋と幼気な妻」の写真を残して、と」
三脚に乗るカメラで自分達を撮影すると、配達屋に扮していたカカシは変化の術を解いた。「じゃあ、次はサクラ、セーラー服着てよ。それで、「保健医と女子高生」でいこう。体調を崩して保健室を訪れた少女が校医の餌食になる話、タイトルは『罠に落ちた女子高生!!調教三昧の日々』」
「ええー!」
浮き浮き顔で語るカカシに、サクラは不満げな声をあげた。
「子持ちの女にセーラー服はちょっと厳しくない?」
「サクラなら全然いけるって!17歳だし」
ウィンクをしてアピールするカカシだったが、サクラはまだ渋っている。「でもねー、やっぱり主婦と学生は雰囲気が違うわよ・・・。あっ」
ぶつぶつと呟きながら壁掛け時計を見たサクラは、慌てて立ち上がった。
「もうこんな時間!小桜がお腹空かせてるわ」
「あれ、そんなに時間経ってたか」
「先生、続きはまた明日ね!」
娘の授乳のために部屋を出るサクラを見送ると、カカシは資料である医療雑誌へと手を伸ばした。
脚本と衣装は彼の担当なのだ。
「「医者と看護婦」もなかなか良かったよなぁ〜。サクラのナース姿がv」
シチュエーションごとに二人で撮った写真のアルバムは、すでに5冊目に突入している。
夫の休暇中、コスプレごっこを満喫する仲の良い夫婦の情景だった。
あとがき??
馬鹿夫婦・・・・・。
期待されていた方(?)、ごめんなさい。
Web拍手おまけ用SSだったのだけれど、前半アレなんで表に置けなかったよ。
カカシファミリーシリーズ番外編でした。ちなみに、子供が大きくなるとさすがにこうしたことは続けられなくなりました。(笑)
今回自宅でしたが、設定によってセットを作ったりと、わりと凝っていた。(アホ)