転校生 2(サクラ編)


任務中の事故で、サスケとサクラの人格が入れ替わった。
治せるのは医療術の達人、綱手だけなのだが、彼女は今里を留守にしている。
よって、二人はそのままの姿で半日を過ごすこととなった。
期限は明日のAM9:00までだ。
入れ替わりの事実は、どのみち信じてもらえないという理由で、ナルトとカカシ以外には伏せてあった。

 

 

 

 

「た、助けて・・・・」
路地裏に駆け込んだサクラは泣きそうな声で呟く。
ただ家に帰ろうとしただけのに、女子達に掴まること数十回。
サクラはサスケの整った顔が持つ威力を思い知らされた。
どんなに可愛い女の子がいたとしても、何十人もいっせいに押しかけてきては恐怖しか感じられない。
サスケが皆に冷たくしている理由が、サクラは初めて分かった気がした。

「何だか、変なところに入って来ちゃった」
表通りのすぐ脇を歩いているつもりだったのだが、周りを見るといかがわしい店が立ち並んでいる。
まだ明るいうちで、それらの店が開いていないのは幸いだった。
家までどの道が最短か考えながら歩くサクラは、急に誰かに腕を引かれて立ち止まる。
見上げると、下着のような服を着た妙齢の美女が笑いかけていた。
「坊ちゃん、迷子?」
「え、あ、あの・・・・」
「私の部屋で休憩していかない」

 

艶やかな笑みに、サクラの顔は真っ赤になった。
場所柄、その言葉が意味することは、サクラにも分かっている。
「持ち合わせがないので」
「ただで良いわよ。あなたみたいに可愛い子なら」
「・・・・・」
その一言に、サクラは神妙な顔で考え始める。

滅多に出来ない経験には違いない。
そして、無料で良いと言っているのだ。
女の場合、初めての相手というのは非常に大事だが、男ならば減ることもないし大丈夫だろうかと思った。

 

「えーと、じゃあ・・・」
「何が、「じゃあ」だ!!!」
その気になった瞬間、サクラは思いきり後頭部を誰かに叩かれた。
誰かは分かっていたが、サクラは恐る恐る振り返る。
仁王像のような憤怒の形相をしているのは、腕を組んで立つサクラ、いや、サクラの顔をしたサスケだ。
「お前、俺の体を使って何をしようとしている!」
「えー、ちょっと美人のおねーさんといいことを・・・・」
「アホか!!」

激しく言い合う二人を、美女は呆然と見守っている。
そして、視線が自分の方へ向いたのを感じると、首を傾げてみせた。
「それ、坊ちゃんの彼女?」
「そうです〜」
「違う!!」
美女の問い掛けに、二人は全く同時に声を発していた。

 

 

 

美女に手を振るサクラを引っ張っりながら、サスケは何とか表通りへと戻った。
偶然、路地に入っていく彼女を見かけ、とっさに追いかけたのは正解だったとサスケは胸をなで下ろす。
だが、不安が消えたわけではない。
自分が見ていないところで、自分の体がどうされているのか、非常に気になった。

「サクラ」
「何」
「お前、外泊出来るか」
「いのの家に泊まるって言えば、いつものことだし親も許してくれると思うけど?」
不思議そうな声を出すサクラに、サスケは足を止めて向き直る。
「よし、そっちには俺が電話する。今日は俺もうちはの家に帰るぞ」
「・・・・・」

ぽかんとしたサクラは、サスケの顔を穴が空くほど見つめる。
そして、彼が本気なのだと分かると、両手を合わせて黄色い声をあげた。
「やったー!二人きりでお泊まり!!」
「え」
「サスケくん、私、痛くないようにするから。お互い頑張ろうね」
「・・・何の話だ」
「夜が楽しみねーー」
眉間に皺を寄せるサスケを気にせず、サクラは彼の手を取って勢いよく歩き出す。
色々な意味で貞操の危機を感じるサスケだったが、写輪眼がなく、使える術も限られているサクラの体ではどうにも分が悪かった。


あとがき??
何だか、エッチィ・・・・。あれ?
続かないです。(笑)あとはご自由にご想像下さいな。
サクラ、チャクラのコントロールは抜群だし、サスケの体はチャクラの量が多いし、写輪眼もあるし、無敵じゃないですか。
サクラ(中身サスケ)がサスケ(中身サクラ)に押し倒される図というのは、なかなか楽しい・・・・。


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