ねらわれた学園 3


「大馬鹿ーーー!!」

サクラはいきり立った様子で怒鳴りつけた。
平常のサクラだったら、ナルトにはともかく、サスケにそのようなことは言わない。
しかし、それほどサクラの気を荒立てるものが、確かにあったのだ。
ナルトもサスケも反省気味に俯いている。

 

バスケ部のコートにやってきたサクラの目に、最初に飛び込んできたもの。

見学の生徒達の大歓声に応え、自分の倍ほどの身長のある上級生達のガードを易々とかわすナルト。
普通の人には分からないだろうが、彼は得意の分身の術を使って敵を翻弄している。
動きが異様に速く見えるのはそのせいだ。
同じ忍者として、サクラの目には、それらがはっきりと分かった。

「パース!」
難なくゴールポスト付近まで来たナルトは、丁度良い場所に立っていたサスケにボールを投げる。
無言でのボールを受け取ったサスケは、最後のガードをすり抜け、シュートを決めた。
目にも鮮やかな、スーパーダンク。
誰もが目を奪われ、感嘆の声をもらす。

「やったなー」
興奮冷め遣らぬ歓声の中、嬉しそうに近寄ってくるナルトに、サスケは不機嫌そうに言った。
「目立ちすぎだ・・・」
どっちがだよ、と思ったが、ナルトは声にはしなかった。

ナルトの視界に、ギャラリーに混じり憤怒の形相で仁王立ちするサクラの姿が入っていた。

 

 

「と、いうわけなのよ!あれほど目立つなって言ったのに!!」
いまだ腹を立てている様子のサクラは、保健室にいるカカシに身振り手振りをつけながら情況を報告した。
「ふーん」
サクラが思ったよりも、カカシは反応を見せなかった。
さほど驚いた様子も、怒った様子もない。
「あのままにしてて、いいの?」
「しょうがないんじゃない。そんなに大勢の人に観られたんじゃ。それに、あいつらに隠密行動をしろってのが、最初から無理だったんだよ」
カカシは苦笑いをしながら言う。
その言葉に、サクラも同意を示した。
目立ちたがりという面では、彼らはよく似た二人だった。

「それで、サスケとナルトはどうしたの?」
今、この場にはサクラしかいない。
「大会目指して特訓するんだって。バスケ部のキャプテンがすっかり二人に執着しちゃって、手放さないのよ」
サクラは腕組みをしながら、不満そうに言った。
密かに情報を探るという任務に、サクラはまだこだわっているようだ。
しかし、サクラの返事に何故かカカシはにんまりとした。

「じゃあ、ナルト達は今日はもう来ないんだな」
「え、そうだけど、って、きゃーーーー!!」
サクラが答えるよりも早く、カカシは傍らの椅子に座る彼女を抱きすくめた。
「ちょ、ちょっと先生、何するのよ!」
「何って、いろいろと・・・」
抵抗するサクラをものともせず、カカシは彼女を抱え上げ、てくてくと歩き始める。
その先には、保健室に備え付けのベッド。
サクラの顔からは一気に血の気が引く。

 

「せ、先生、まさか」
「そのまさか、かなぁ」
ニヤニヤ笑いのカカシはサクラを下ろし、ベッドの上に座らせた。
「一ヶ月もサクラに触ってないから、もう我慢できなくなっちゃった」
至近距離でサクラの瞳を見詰めながら、さらりと言う。
「って、ここ、学校なんだってば!誰かに見られたら」
「大丈夫。放課後になったら生徒はほとんど来ないんだ。それに、サクラの部屋って相部屋だから夜に会いに行くわけにいかないし」
「だからって・・、ん」
口を塞がれ、サクラは言葉を続けることができなくなった。
巧みに口内をなぶられ、サクラの身体からは力が抜けてしまう。

「・・・せんせ」
上気した顔で、サクラはうわ言のように声を漏らす。
「制服ってのも、いいかもね」
カカシは保健室、そして制服というシチュエーションにすっかりご満悦の様子だ。
喜々とした表情でサクラの服を剥ぎ取っていく。
そして、サクラのシャツに手をかけようとしたとき、サクラはカカシの動きが止まったことを感じた。

「先生?」
カカシはサクラを見ていなかった。
訝りながらも、サクラは彼の視線の先をたどる。
サクラのクラスメートの男子生徒。
ベッドの傍らにあるついたての向こうから、彼は震える声を絞り出した。

「・・・あの、部活の練習中に怪我しちゃって」

 

 

翌日には、保健医のはたけカカシと一年の春野サクラができているという噂は、学内に知らないものはいないほど広まった。

「目立っているのは、どっちだ」
サスケに冷ややかに言われ、サクラは返す言葉もなかった。
だが、非はサクラにばかりあるとは言えない。
目撃者が逃げ去った後も、カカシがその行為を続行したために、彼を追いかけて口止めすることができなかったのだから。


あとがき??
あー、書きたかったものを全て書いて満足です。(笑)
これから、どうするかなぁ。
何か、『ねらわれた学園』というより『ねらわれたサクラ』な内容になっちゃうんだけど。
本当、どうしよう。

常々、同人本で男性キャラを女に変えてラブラブな話を描いている人を見て疑問に思っていた。
何故、わざわざ男キャラを女にしてまでホモを描くのか。
普通に男女カップルで描けばいいのにと。
しかし、これを書いてそれらの方々の気持ちがちょっと分かってしまった。ヤバイわ。

総合的にインモラルな話です。
カカサク以外のサクラ受けエロなんてもってのほかだ、って人は続きを読まない方がいいですよ。
詳しい描写はないですが、設定だけはエロエロなんで。
こういうのをシチュエーションエロというのだろうか・・・。(悩)
カカシ先生とサクラは、別に付き合ってるとか、そういうのではないのですよ。たぶん。(歯切れ悪し)

というか、肝心の事件の詳細について何も分かってない。(汗)
5、あたりで、きっと、何か分かる、はず・・・。
4も、ちょっとアレでソレな話なんで。(>×<)


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