未完のアンドロイド 「はたけさーん!お届け者でーす。」
ピンポーン ピンポーン・・・
「宅急便です!はたけカカシさーん!!」
なんなんだよ、朝っぱらから・・・
今日は土曜日だぞ?
寝かせとけつーうの!
鳴り止まない呼び鈴にカカシはしぶしぶ起き上がり、玄関へと向かう。
上下着古したスウェットにボサボサ頭を掻きながら戸を開けた。
「なんだよ、ソレ?」
唖然と立ち竦むカカシを押しのけて部屋の中へと荷物が運ばれた。
狭い玄関に大の大人が3人という人口密度の高さ・・・
おまけに二人がかりで持ち上げられていた冷蔵庫並の大きなダンボール箱が、玄関を上がってすぐの廊下に静かに下ろされる。
「・・・」
無言で箱を見つめるカカシに配達人が声をかけた。
「はたけ・・・カカシさん、ですよね?」
「そうだけど・・・。」
「ハンコお願いします。」
「・・・」
ハンコなど持ち合わせていないカカシはボールペンを借り、ミミズの這ったような文字でサインを入れる。
「有難うございました!!」
サインの入った領収書をポケットに捩じ込み、元気良く挨拶をして二人の配達人が部屋を出て行った。
訳のわからない荷物を残して。
荷物が廊下を占拠して部屋に上がれず・・・カカシはその場でしゃがみこんだ。
一応、箱に張られた伝票の確認をする。
『送り先・・・はたけカカシ様
送り主・・・木の葉コーポレーション』
木の葉コーポレーション、ねぇ・・・
そんなとこ知らねーぞ?
・・・とりあえず、開けてみますか。
誤配なら取りに来るでショ。
ガムテープをペリペリと剥がし箱を開ける。
箱の中はぎっしりとクッション代わりの発泡スチロールが敷き詰められていた。
何が入っているんだよ?
両手でサラサラと雪のような発泡スチロールを掻き分け、中身を探す。
中ほどの深さで指先が何か柔らかい物に触れ、カカシは優しく発泡スチロールを払った。
「死・・・死体?!」
中から出てきたものは、15、6歳ぐらいの女の子。
どこかで・・みたような・・・?
思い出そうと考えをめぐらし、小首を傾げたカカシの顔を不意に伸びてきた小さな手がぐっと引っぱった。
突然動き出した『死体』にカカシは叫び声を上げる。
「うわぁ!!」
ヒトとは思えない強い力で引っ張られた顔は少女のソレと重なり合うほど近くなる。
大きなガラス玉のような瞳は感情など現わさず、ただ事務的な声のみが響いた。
「網膜、認識しました。名前をドウゾ。」
「は?」
「名前をドウゾ。」
「・・・はたけカカシ。」
「音声、認識しました。名前は『はたけカカシ』・・・ユーザー登録完了しました。変更は不可能です。次に、私に名前を付けてください。」
「お、おい!!何のことだかさっぱり・・・」
「私に名前を付けてください。」
カカシは繰り返される言葉に全ての手続きを終えてしまわないことにはどうにもならないことを悟った。
言われたとおりにするしかないな・・・
名前、ねぇ?
「・・・サクラ、なんてのはどう?」
名は体を現わす。
見慣れない薄紅色の髪を見て、思いつきで口にしたその名前はしっくりと少女に馴染んだ。
「『サクラ』ですね?了解しました。それでは只今より電源を落とします。約30秒後、再起動されますので暫くお待ちください。」
そう言うが早いか『サクラ』は瞳を閉じるとガクリと崩れ落ちる。
カカシは咄嗟に差し伸べた腕でサクラの身体を支え、暫し待った・・・。
きっかり30秒後。
「私、サクラ。木の葉コーポレーション製造番号AERD−0128。・・・あなたがご主人様?」
再び開いた瞳がカカシを見つめる。
先ほどとは違い、ほんの僅かだが感情の色が宿っているように思えた。
「そうみたい。」
カカシの曖昧な答えにサクラが眉を潜める。
「あなた、『はたけカカシ』でしょう?網膜、声紋共に一致してるわよ?」
「はたけカカシはオレたけどさぁ・・・君は何?」
「Artificial Educated Real Dool」
「???」
未だ状況が飲み込めていないカカシにサクラがポケットから取り出した封筒を差し出した。
「はい、コレ。請求書。」
「請求書?!」
急いで封を開け、中身を確認する。
そこには確かに自分の名前が記されており、請求金額は・・・カカシの目を疑うようなものだった。
「いちおくぅ・・ごせんまん・・・・・・って、なんだよ、コレ!!」
「私の金額。」
んなことは解ってるって!!
「オレは頼んでないよ、何かの間違いじゃない?」
焦って問い詰めるカカシにサクラがあからさまにムッとする。
「サクラ、知らないもん。」
プイっとそっぽを向かれてしまった・・・。
サクラはリビングのソファーの上で寝っころがり、本を読んでいる。
それに背を向け・・・カカシは職場の同僚、アスマに電話をかけていた。
「ソレ、聞いたことあるぞ。確か・・・『超高級ダッ○ワイ○』だろ?」
「『超高級ダッ○ワイ○』!!」
「マニア向けにこっそり販売してるとかって・・・。」
「・・・・マジかよ・・。」
「すげぇ可愛くて人間ソックリ。」
うんうん。確かに。
「でもロボットだから・・・何でもやりたい放題!」
や、や、やりたい放題?!
「でもな、高すぎて売れなくてな・・・って、お前、聞いてんのか?」
返事が返ってこなくなった相手にアスマが怒鳴る。
「おい、カカシ!!」
「何?聞いてるよ〜。やりたい放題!!」
イヤ、聞いてなかったな。コイツ・・・
自分の世界に入ってやがる。
「だからな、べらぼうに高いんだよ。値段が。いくら公務員とはいえ、俺たちのような一介の中学教師が払えるようなもんじゃねぇ。確か・・・一億・・・」
「一億五千万。」
「そうそう、ソレぐらい。・・・って、お前まさか・・・買ったのか?!」
「いや、身に覚えはないんだけど・・・いるんだよね、目の前に。」
チラリと背後を振り向き、サクラを確認する。
うんうん、大人しく本読んでるよ。
「カカシ!!」
「・・・どうしたもんかと。」
「どうしたもこうしたもねぇだろう?返品しろ、返品!!」
「・・・やりたい放題・・・」
「諦めろ。」
「・・・うん・・・。でもなぁ・・マジ可愛いんだよ。めちゃめちゃ好みだしさぁvvv」
「あ・き・ら・め・ろ!!」
「ハイハイ・・・。わかったよ、じゃあな!」
ガチャンと一方的に切られた電話。
受話器を握り締めたまま、アスマは溜息を吐いた。
やべぇ、アイツ買うつもりだ・・・
受話器を置いて『サクラ』を盗み見る。
ダッ○ワイ○?
どこからどー見ても人間なんですケド。
サクラは相変わらずソファーに寝そべり足をブラブラさせながら本を読んでいた。
櫛どおりのよさそうな薄紅色の髪を時折かき上げる仕草が堪らなくカカシをそそる。
一億五千万か。
払えないよなぁ・・・。
しかし、その価値はあるのかもしれなかった。
素人目に見ても素晴らしい出来のヒューマノイドだ。
しかもその容貌・・・。
透き通るような白磁の肌も、柔らかそうなさくらんぼの唇も、澄んだエメラルド色の瞳も。
全てがカカシの好みだった。
でも、どっかで見たような・・・
気のせいかな?
「何、さっきからジロジロ見て。」
あどけなさが残る顔が急にカカシを振り向いた。
「・・・いや、別に。」
「そう?」
サクラは何事も無かったかのように再び本へと視線を戻す。
あっさりと引き下がられ、カカシは拍子が抜けた。
気を取り直してソファーまで近づくと、サクラの持つ本を覗き込む。
「さっきから何読んでんの?」
って、オイ!!
オレの愛読書、イチャパラじゃんッッ
「コレは子供が読む本じゃないの!」
慌ててサクラの手からイチャパラを取り上げ、パタンと閉じる。
が、見かけは少女だれけど・・・サクラが『ダッ○ワイ○』なのを思い出して矛盾した自分の言葉にカカシは苦笑いをした。
「あん、返してよぅ。それ、サクラのデーターバンクに載ってない言葉、沢山載ってるの!!」
起き上がり、本を取り返そうと伸びてくるサクラの両手首を軽く握りグイッと引き寄せた。
バランスを崩したサクラはソファーからカカシの腹の上へと転げ落ちる。
その感触、適度な重みにカカシはニヤリと笑った。
「サクラちゃんは何をしてくれるのかな?」
「どういう意味?」
「だって、オレはご主人様なんでショ?」
「そうだけど・・・何かして欲しいの?」
カカシの身体に細い両腕を突き、騎上位のままのサクラが不思議そうに首を傾げた。
スレてない素人っぽさがまた・・・
「・・・何が、出来るの?」
自分の掠れた声に驚く。
サクラを乗せたままカカシは少しだけ上体を起こし目線を合わせた。
「サクラ、なんにも出来ないよ?だって・・・」
『だって、まだ何も教わってないんだから』と続くはずの言葉は発せられず、代わりに初期設定時と同じ音声が突如サクラを乗っ取る。
『特殊環境における危機回避システム作動!』
それはカカシがサクラをコロンと床へ転がし、身体を入れ替えて組み敷いた瞬間だった。
グーに握られた握りこぶしがドカッとカカシの頬にヒットする。
人間の・・・しかも、大の大人以上の力だった。
すぐに赤くなった頬を擦りながらカカシが声を荒げる。
「・・・ってぇ。なんだよ!」
「カカシこそ!!」
「あのねぇ。サクラはさぁ、『ダッ○ワイ○』なんでショ?オレはサクラとシテみたいんだけど!」
身も蓋もないカカシの言いようにサクラは不思議そうな顔をしただけだった。
「なにソレ。スルって何をよ?」
「だーかーら、『ダッ○ワイ○』なんでショ。」
「そんなの知らなーい!」
チョット待て!!『ダッ○ワイ○』じゃない?
・・・じゃ、なんだ?
ヤレない唯の動く人形か?
んなもん、一億五千万も出して誰が買うんだよ?!
いくら可愛くても割りに合わねーだろ?
・・・返品だ。
ぷぅっと頬を膨らましたサクラを抱き上げてソファーへと座らせた後、カカシは床に落ちていた領収書を拾い上げ、電話番号を確認するとおもむろに受話器を上げた。
お昼も過ぎ、もうそろそろ3時のおやつの時間に差し掛かる頃・・・ようやく待っていた『木の葉コーポレーションのエンジニア』がカカシの家のインターホンを鳴らした。
「みたらしアンコ参上!!」
「と、その助手・・イワシ見参。」
玄関を開けるなりポーズを決められて、カカシは頭を抱えた。
とりあえず怪しげな白衣の二人を部屋へと招き入れる。
大丈夫かよ、こいつ等・・・
「お客様?」
トコトコとサクラが寄ってきた。
カカシ以外の人間を見るのは初めてだったから。
「久しぶりだな、AERD−0128。」
フッと笑みを馳せ、アンコはサクラの細い顎に手をかけると瞳の奥を覗き込んだ。
異常はみられないようだな。
『あなた、誰?』というサクラの問いには答えず、手を放すとカカシに向き直った。
「で、何が問題なんだ?」
「何がって全部だよ。根本的なトコからいくと・・・まずオレは注文などした覚えがないんだケド。」
「そんなはずはない。確かに注文してるぞ?!ネットからだが・・・覚えてないのか?」
コレです、と助手のイワシが差し出した伝票の日付は3ヶ月ほど前のもの。
「ネット・・・?」
ネット・・ネット・・ネット・・・
ねっとぉー?!
「何か思い出したようだな。」
「もしかして、アレかな?・・・オークション?」
「そう、それだ。」
どこかで見たと思ったんだよ・・・サクラの顔。
買う気もなく、冷やかしで参加したネットオークション。
最後までオレに喰らい付いてきやがったいけすかねーヤツがいたっけ?
それで金額のふっかけ合いに・・・
ま、オレが勝ったんだけどね。・・・って、それか。
キャンセルするの忘れてた。
「・・・もうひとつ聞きたいんだケド。このアンドロイド、サクラの用途はなんなんだよ?『ダッ○ワイ○』じゃなかったの?」
「何を考えているんただお前は・・・んなわけないだろ!!説明書はちゃんと読んだのか?」
「・・・」
「まぁ、いい・・・似たようなものかもしれないからな。AERDは本来なら私が医療用に開発したものなんだ。」
「医療用?」
「動物セラピーと一緒さ。主に子供を無くして精神的に不安定に陥った両親を対象に製造してる。表向きはな。」
「ソレが何であんなオークションに?」
「こいつを作るのに一体いくら掛かると思う?医療用で売るには元が取れない・・・」
アンコが悔しそうに唇をかんだ。
「くだらない上からの命令でね。裏ルートで金持ち相手にも販売してる。お前の参加した『オークション』とやらもその一つだろ、多分・・・。まともなヤツの所へ買われればいいがお前の言うようにダッ○ワイ○扱いするヤツもいるからな。『危機回避システム』を付けたのは私の・・・会社に対するなけなしの抵抗だよ。」
「でもそれじゃ、売れないだろうに・・・」
「なにも『そういう事』が出来ないようにしたわけじゃない。AERDが合意の上なら危機回避システム作動しないんだ。コイツのICチップは学習機能と感情のデーターベースがメインだから・・・AERDを大切に扱っていればちゃんと懐くし・・・懐けばいずれ出来るようにもなる。ま、そういった意味では未完成のアンドロイドさ。」
どう育てるかはユーザー次第。
言い終えるとアンコは立ち上がり玄関へと足を向けた。
「サクラ・・・だったか?帰るぞ。・・・イワシ。」
アンコが助手を振り向き、目で合図する
イワシががサクラの腕を掴み玄関へと促した。
「どこへ?私の家はここじゃないの?」
「お前は返品されたからな。私と一緒に研究所へ帰るんだ。」
状況が飲み込めず、キョトンとしていたサクラのエメラルドの瞳に陰が宿った。
アンコとカカシの顔を交互に伺い見る。
その不安げな表情にカカシの胸がキリキリと痛んだ。
そんな顔をさせたいわけではないのに!!
自分は・・・間違ったことをしている?
「サクラ、どうなるんだ」
いやな沈黙に思わずカカシが訊ねた。
「スクラップさ。」
「!!」
「この手のタイプは・・・AERD型は初期設定の上書きが出来ないように作られているんでね、再利用は不可能なんだよ。残念ながらアンタが返品するとなるとコイツには・・・サクラには存在理由がない。」
「だからって!!」
「あのなー・・・そもそもコイツのバッテリーはユーザー登録されている持ち主が名前を呼ぶことによって充電されるんだ。バッテリーが切れれば唯の鉄くず・・・何の価値もないだろう。」
お前と離れる段階でコイツの未来は決まったも同然なのさ。
そう告げてさっさと玄関へと向かう
「ちょ、ちょっと待ってくれよ!」
カカシの引きとめる声に俯いたままのサクラの肩が震えた。
振り向きざまに翡翠の瞳に溜まった雫がこぼれ、床を濡らす。
「サクラ・・・。」
「気に病むことはない。元を正せばこれも唯の水だ。サクラは私が作ったアンドロイドなのだから。返品するんだろ?」
引きとめようとするカカシにアンコは冷たく言い放つ。
そう、だけど・・・
そんな簡単に割り切れないでショ?
だって・・・泣いてるんだ。
泣いてるんだぞ?
「サクラ、置いてってよ。」
カカシのきっぱりとした口調にサクラが顔を上げた。
「サクラの主はオレだし。」
「・・・大事に育ててくれるのか?」
「あぁ。おいで、サクラ・・・」
カカシの声にサクラがイワシの手を振り解き、カカシの元へと駆け寄ってきた。
なぜかしら砂糖菓子のように甘い匂いのするサクラをカカシは両手で抱き上げる。
「サクラのこと・・・もう、いらないって言わない?」
「絶対言わない。」
即答したカカシの首に細い腕が絡まり、ぎゅっと抱きついた。
そうだよ・・・。
オレしか、いないだろ?
サクラを育てるのはオレなんだ!
抱き合った二人を見届けてから、アンコは玄関の戸を開けた。
「あ、そうだ。忘れる所だった。イワシ、アレを。」
イワシがスーツケースから取り出した一枚の紙を受け取り、再び部屋へ戻ってきたアンコがそれをカカシへ突き出す。
「サクラを置いていくから替わりに、これにサインしろ。」
サクラに抱きつかれたままのカカシは言われるがままにペンを走らせた。
アンコはカカシからサインの入った紙を受け取ると意味深な微笑を馳せ、今度こそ本当にカカシの家から出て行った。
パタン、という玄関の閉まる音で我に帰ったカカシが首を傾げる。
「さっきのは何の書類だ?」
カカシの疑問は後日送られてきたハガキによって解決される。
「90年ローン?!・・・オレ、死んじゃってるでショ?」
肝心なことを忘れてた。
一億五千万・・・・。
どうしようもない現実にカカシは頭を抱えた。
しかし、あの日から着かず離れず自分の傍で寛いでいるサクラを見ると・・・手放す気など到底起きない。
今も自分にもたれかかって本を読んでいるサクラの髪を手櫛で梳きながら、『ま、どうにかするさ』とカカシは苦笑した。
懐けばイイコトもあるしな♪
『木の葉コーポレーション製造番号AERD−0128取扱説明書』
AERDシリーズは究極のヒューマノイドです。
外見はもちろん、質感、性感帯、感情の起伏、学習機能の全てにおいて、
人間となんら変わりありません。
負の感情及び精神的ダメージにより拒否反応を起こせば、
システムダウンの可能性が有ります。
取り扱いには細心の注意を払ってください。
<おまけ>
「カカシ!サクラ、学校へ行きたい!!」
仕事から戻り、玄関口で靴を脱ぐカカシを出迎えるなりサクラは口を開いた。
「サクラちゃん・・・お帰りは?」
「お帰りなさい、カカシ。・・・学校!!」
「・・・何でまた・・・学校なんだよ?」
背中から首にしがみ付いているサクラをそのままに、引きずりながらリビングへと向かう。
「サクラね、『友達』欲しいの。」
「サクラにはオレがいるでショ?」
「だって、カカシはオトナなんだもん。同じ年の友達が欲しいのよ!」
「だーめ。」
全く取り合わないカカシは冷蔵庫を開け、ビールを取り出した。
プシュッとプルを押し開けると一気に飲み干す。
「ケチ。」
「・・・ケチって・・・・サクラちゃん?」
いやな予感がして振り向くと、案の定サクラはエメラルドの瞳いっぱいに涙を溜めてカカシを睨んでいた。
「いいよーだ!カカシのばかぁ。もう一緒に寝てあげないんだから!!」
「えぇ〜?!・・・それだけは勘弁してよ、サクラちゃん。」
二人はこの部屋に1つしかない少し大きめベッドで一緒に休む。
『一緒に休む』・・・言葉通り、それ以上でもそれ以下でもないのだけれど・・・
そうなるまでにはカカシの並々ならぬ努力があったわけで。
学校か・・・
カカシが勤めているのは私立中学。
校長はカカシのことも教諭として引き抜いてくれた、かつての恩師だ。
頼めない・・・ことも、ないか。
「わかったよ・・・。頼んでみるさ。一応な。」
カカシの言葉にサクラは涙を溜めたまま、華がほころぶ様に笑った。
「有難う、カカシ!だぁいすきvvv」
不意に寄せられた唇がちゅっと頬を掠める。
「何処でそんなコト覚えたの?」
「んーとね、テレビで見た♪」
あっけらかんと答えるサクラにカカシはこっそりほくそ笑む。
こりゃ案外えっち出来る日も近いかもしれないぞ?!
あとがき
正直に言います。
書きたかったのはこの続きです・・・(涙)
学園モノ、サクラアイドルの!!
そして徐々に親密になる二人が書きたかった・・・。
フ。
プロローグで終わってしまったよ。トホホ。
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