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発芽した日
種をもらって数日後、目が覚めると鉢植えのあった場所に一人の女の子が座っていた。
不思議に奇妙なことだと思わなかった。
カカシが、こうであって欲しいと思ったとおりに、種が育っただけなのだ。
目が合うと少女はにっこりと微笑む。
想像したとおりの、愛らしい笑みだった。まだ発芽したばかりだから、体も小さく、髪や瞳、肌には一切の色彩がない。
顔を見た瞬間に、名前は「さくら」に決めた。
彼女の髪には、淡い桃色がふさわしいと思えたからだ。
種が可愛い少女になったことを、上忍仲間に電話しようと思ったが、止めておく。
誰かの目に触れるのなら、彼女が花開いて、最も美しくなったときの方がいいかもしれない。