しっかり守る/内で育つ花

 

「サクラは何を着ても似合うね」
白いドレス姿のさくらに赤いリボンを付け、カカシは満面の笑みを浮かべた。
まだ人形のように白い肌をしているが、段々とさくらに色がついてきている。
カカシが望むように、髪は薄い桃色になった。
草木を思わせる緑の瞳は、カカシを見つめて生き生きと輝いている。

「あー、さくらってば、また残したねー」
さくらの食事をのせた盆に目をやり、カカシが咎めるように言うと、彼女は頬を膨らませてそっぽを向いた。
どれもさくらを育てるために必要な肥料だ。
だが、さくらは甘いシロップのかかった、自分好みの味でないと口にしない。
「しょうがない子だねぇ・・・」
ため息をつきながらも、体を引き寄せると彼女は大人しく腕の中に収まる。
お菓子ばかりを好んで食べるためか、彼女からは甘い香りがするような気がした。