■幸福ジェネレーション

 

サスケを捜す旅に出たサクラが見つけたのは、彼ではなく、彼の兄だった。
普通の状態ならば、サクラなど簡単に捻りつぶせる力を持っている。
だが、そのときの彼はサクラの目にはただの患者だ。
何か病を患っているのか、苦しげにうめくだけだったのだから。
仲間の気配はそばにない。

「・・・・何故だ」
病院に連れて行くわけにもいかず、指名手配中の彼を匿ったサクラは、怪訝そうに訊ねられる。
サクラのことは、サスケと同じ班のくノ一という知識はあったらしい。
「あなたが死んだら、サスケくんが死ぬから」
復讐に全てをかけている人だ。
それが叶わないと知れば、どうなるか分からない。
そして、イタチのそばにいればいつかはサスケの方から姿を見せるはずだった。