■溺愛ショータイム

 

イタチが動けるようになると、サクラは彼と共に行動するようになった。
もちろん、サクラの願いをイタチが簡単に聞き遂げるはずがない。
命の恩人とはいえ、彼女が勝手にやったことだ。
サクラを連れ歩かなければならなかったのは、彼女に脅されたためだった。

「薬が効いて眠っているあなたに、細工したの。だから連れてって」
イタチの体の丁度心臓部分に、それまではなかった刺青があった。
サクラがたった一言呪文を唱えれば、心臓が止まる呪印らしい。
「嘘だ」
「試してみる?」
疑いの眼差しを向けるイタチに、サクラは笑顔で言った。

幸い医療忍者は何かと役に立つ。
邪魔になればすぐ始末すればいい。
最初はそう簡単に考えていた。