ハニーフラッシュ!


「カカシ先生の馬鹿!!!!大嫌い!!!」

やたらビックリマークの多い声で言うと、サクラは怒りに顔を赤くして踵を返す。
あとには、抜け殻のように真っ白になったカカシが残された。
以後、ぴくりとも動かなくなったカカシを見かねて、ナルトは彼にそっと近寄る。

 

「カカシ先生―、今度は何をしたの。また盗撮がばれたり、突然抱きついたり、手を繋ぐことを強要したりしたの?」
「何もしてない。ただ、そろそろサクラも衣装替えしたらどうかと思って、案を考えてきたんだ。これ」
差し出された紙を、ナルトはまじまじと見る。
カカシが描いたと思われるイメージ画のモデルはなかなかサクラに似ていた。
だが、問題はその服だ。

「・・・・ちょっと、露出が多いんじゃない」
「普通だよー」
カカシは不満げに言ったが、その服はどう見ても忍者というより、レースクイーン。
セパレートタイプの水着さながらで、少々屈んだら下着が丸見えだ。

「何だよー、ナルトは見たくないの」
「・・・微妙」
二人きりのときなら別に構わないのだが、サクラがこの服で町をうろつくのは相当抵抗がある。
サクラの追っかけが倍増することは火を見るより明らかだ。
今でさえ邪魔なライバルが山ほどいるのに、それをこれ以上増やしたくない。

「それよりも、カカシ先生、サクラちゃん本気で怒ってたよ。何かフォローしておいた方がいいんじゃないの」
「うっ・・・・」
激怒したサクラの顔、そして「大嫌い!!!」の言葉を思い出したのか、カカシは再び青ざめる。
両手で顔を覆い、しくしくと鳴き始めたカカシを横目に、ナルトは大きくため息をついた。
「駄目だ、こりゃ」

 

 

 

翌日は快晴だった。
照りつける太陽の中、異様に顔色の悪いカカシは、昨夜眠れなかったに違いない。
ナルトは心配そうにカカシを見つめていたが、サクラはまだ怒り冷めやらぬ様子で、口をへの字に結んでいる。

「あのさー、サクラちゃん」
「何よ」
「あのままじゃ、カカシ先生本当に死んじゃいそうなんだけど」
「・・・・」
言われて、サクラは初めてカカシの方を見る。
いつになく、影の薄いカカシ。
頭に蠅がたかっているのにも、本人は気付いていないようだ。
これが名の知れた上忍だと思うと、ものの哀れさえ感じる。

「サクラちゃんが、大嫌いって言ったからだよ」
ナルトの言葉に、サクラは頬を膨らませた。
「だって、私、あんないやらしい格好で任務なんてできないもの。胸だって無いのに」
「カカシ先生はあれでもサクラちゃんのためを思ってるんだよ。かなり私情も入っているし、サクラちゃんも迷惑きわまりないと思うけど、気持ちは分かってあげて」
ナルトはカカシを弁護しているのかそうでないのか分からない発言をする。
だが、何か思うところがあったらしく、サクラはぼんやりと佇むカカシに向かって歩き出した。

 

「カカシ先生!」
大きな呼び掛けに、カカシはびくりとして振り返る。
「昨日の、あの紙は」
「え、か、紙?」
「あの妙な服の絵が描かれたやつよ」
「ああ」
カカシがポーチから出した紙を奪い取ると、サクラは手に持ったマジックで添削していく。

超ミニスカートはショートパンツに変えて、スポーティーな装いに。
へそ出しは無くしたが、短めの上着の丈は微妙なラインだ。

 

「こうするなら、私でも着れるわよ。ウェストのブルーのリボンが可愛いし」
「・・・サクラ」
そっぽを向きながら紙を掲げて見せるサクラに、カカシは目を潤ませる。
「良かった。途中まで作ってあったんだけど、無駄にならなくてすんだよー」
「え″!!!?」
目を丸くしたサクラを、カカシはぎゅっと抱きしめる。
ショッキングな言葉を聞いたような気がしたが、空耳だと思いたいサクラだった。


あとがき??
カ、カカシ先生の手作りなんですか!!?
忍び服って特殊な素材でそれなりの業者が作るのかと思ってました。
駄目だ。絶対盗聴マイクとか仕込んでるよ。まずいよ。
特殊な液体をかけると、溶ける布を使ったりとか。
サクラの嫌い発言よりも、頑張って製作した服が無駄になるのがショックだったのかも・・・・。

日記用に書いていたのだけれど、妙に長くなったので駄文用に。
いつも以上にちゃらんぽらんな内容なのは、日記用だったからです。(書き捨て)
サスケはどこかに消えてるしね。それにしても、ナルト良い奴だなぁ。


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