真実の行方 2


「何だ、相変わらずしけた顔してやがるなぁ」
「・・・んー」

カカシは任務の報告書を枕代わりに、机に突っ伏している。
どの班もちょうど任務が終わる時間らしく、講師の控え室は混雑していた。
カカシの机の傍らで、アスマは生気のない目をした彼を、気遣わしげに見る。

「それで、あっちの方はどうなったんだよ」
「・・・あっちって、どっち」
気のない声を出すカカシに、アスマは小声で耳打ちする。
「この前の相談の件だよ」

それだけで用件を察したカカシは、一気に表情を曇らせる。
「それが、最近さらにサクラの様子が変なんだ。何か心配事があるのか、表情も暗いし」
「へー・・・」
アスマはどう答えていいか分からず、曖昧に言葉を濁す。
視線を彷徨わせたアスマは、ふと、あるものを目に留めた。

 

「・・・そうは見えないけどな」
「何で知ってるんだよ」
カカシが不満気な声を出して顔を上げるのと同時に、アスマは控え室の扉付近を指差す。
「だって、いるから。あそこに」
カカシが目を向けると、確かに、サクラの姿があった。
扉のすぐ近くにいた紅がサクラに気付き、何やら言葉を交わしている。

あんなところで何をしているのか、と思っていると、二人の視線がカカシのいる方角へと注がれた。
サクラはこれまでの無愛想な応対はどこへやら、カカシに笑顔で手を振っている。
紅はてくてくとカカシ達のいる机まで歩いてくると、
「カカシー。伝言よ」
と、明るい声音で話し掛けた。
どうやら上忍ばかりが集まる控え室には入りにくいらしく、サクラは紅に言付けを頼んだらしい。

「何だって?」
「えーとね・・・」
ワンテンポあけてから、紅はもったいぶったように口を開いた。

「子供が出来たんだって」

 

同時に顔を白くしたカカシとアスマ。

次の瞬間にはカカシの姿も、扉付近にいたサクラの姿も忽然と消えていた。
偶然その場に居合わせたガイは
「あのときのカカシの動きの速さは、この俺をも越えていた」
と、のちに語ったという。

残されたアスマは、暫し呆然と立ち尽くす。
「・・・マジ?」
「あら、私、嘘は言わないわよ、嘘は」
冷や汗混じりに訊くアスマに、紅はくすくす笑いをしながら答えた。
「ちょっと言葉が足りなかったかもしれないけどでも。でも、やましいことがなければあんなに慌てないわよねぇ」

 

 

 

使われていない機材室にサクラを連れ込むなり、カカシはサクラの両肩を掴んで問いただした。

「い、一回だけで!?」
サクラはカカシの剣幕にのまれながらも、しっかりと頷く。
「うん。今日、病院で確かめてきたから間違いないよ。だから、まず一番にカカシ先生に伝えたくて」

サクラの言葉に、カカシはまるで死刑の宣告を受けた受刑者のように、その場に膝をつく。
“木ノ葉通信”に自分の写真が載る場面を想像し、寒気すら感じた。
こうなってしまっては、合法的に話を進める以外、逃れる方法ない。

 

がっくりとうなだれているカカシに、サクラは心配げに声をかける。
「大丈夫よ。カカシ先生には面倒かけないから」
カカシが視線を向けると、サクラはにっこりと笑ってカカシを見る。

「子供はうちの家で育てるから、先生は心配しないで・・・」
「何を言ってるんだ!これは二人の問題だろう」
サクラが言い終わらないうちに、カカシは言葉を返した。
その勢いに、サクラは驚きに目を瞬かせる。
しっかりと立ち上がったカカシの目に、もう迷いの色はなかった。

「ちゃんと責任は取るから、安心しろ!!」
「・・・そう?」

熱弁するカカシを前に、サクラは首をかしげて不思議そうな声を出した。


あとがき??
つ、続いてるよ!!こんなアホな話、続けてどうするんだか。
さらにギャグにも磨きが・・・。
笑っといてください。(本当に)

元ネタはもちろん、あれです。(^▽^;)
気付いた人はおのずと続きの展開も読めることでしょう。
でも、3をアップするまでは秘密にしててねv


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