ＰＡＲＴＹ ７　�D

端麗な王子の姿と、蛙とのギャップにサクラは戸惑いを隠せません。
そんなサクラを押しのけ、いのは積極的にサスケに詰め寄りました。

「はいはいはいー！お妃候補、私も立候補しますー！！」
「・・・・お前、俺のこと踏んづけただろう」
開口一番に言われ、いのは言葉につまります。
「それに気味悪がって近寄りもしなかった。お前は不合格だ」
王子に冷たくあしらわれ、いのはしゅんとなります。
「あ、あの、ところで王子は何で蛙の姿に？」
肩を落とすいのを横目に、サクラは話題を変えようとサスケに訊ねました。

「もちろん、魔王にかけられた呪いのせいだ。勇者のキスで解ける。だが、俺が逃げてもいいように魔王は二重に呪いをかけたらしい。見ろ」
髪をはらったサスケの額には何か禍々しい印が付けられています。
「これは呪いの証だ。この呪いを解くには魔王を倒すしかない」
サクラはサスケの額を見詰め、おずおずと声を出します。
「あの、そのもう一つの呪いはどういった種類のものなんですか」
「解かなければいずれ死ぬ」

牢内は水を打ったようにしんとなりました。

「おい、さっきからうるさいぞ！！」
顔を覗かせた見張りは鍵の開いた扉を見てはっとなりました。
「お前ら、いつの間に鍵を！」
騒ぎだそうとした男を、走り寄ったサスケが一瞬で黙らせます。
易々と伸され、崩れ落ちた男の姿にサクラといのは開いた口が塞がりません。
倒れた男はいかつい体つきで、少年に一撃でやられるようには到底見えなかったのです。
「行くぞ」
サスケは何事もなかったかのように歩き出します。
それから出口にたどり着くまで何人かの盗賊に会いましたが、サスケの腕にかなうものはいませんでした。

　

　

「あ、サクラちゃん！！」
盗賊のアジトを出てすぐに、サクラは荷車を引いたナルトと出くわします。
「ナルト、無事だったのね！」
盗賊の襲撃を受けてすぐに離ればなれになっていただけに、サクラはとても心配していたのです。
ナルトに駆け寄ったサクラはきょろきょろと付近を窺いました。
「ハヤテさんは？まさか怪我でも」
「ううん。発作は治まったんだけどまだ体調が万全じゃないからって先に宿で休んでる」
「そう」

ほっと息を付いたのも束の間、サクラはナルトの持つ荷車に目を向けます。
「何、これ」
「大砲」
ナルトは荷車にかけた布を引き、中を見せます。
「さっき道具屋で買ったんだ。ちょっと古いけど弾はちゃんと出るんだよ。これでどかーんと盗賊のアジトを吹き飛ばしてサクラちゃんを助けようと思って」
「・・・・へぇ」
大砲を見詰めながらサクラは一足早くアジトを抜け出したことを本当に良かったと思いました。
大砲などを打たれたら、掘っ建て小屋に毛が生えた程度のボロな盗賊のアジトはサクラ達ごと吹き飛んでいたでしょう。
アバウトな性格なナルトは細かいところに考えが回らないようです。
「・・・お金、無駄使いしちゃ駄目よ」
気持ちだけを有り難く受け取り、サクラはあまりナルトに厳しいことを言いませんでした。

「ところで、その人、誰？」
ナルトはサクラの背後、いのと並んで佇むサスケを指差します。
慌ててその手を払うと、サクラは暫し答えに窮しました。
「・・・・蛙の王子さま」
当たらずとも遠からずといった返答に、ナルトは怪訝な顔をして応えました。

　

ハヤテのいる宿に着いたあと、サスケはそれまでのいきさつを全て話します。

「城の人間がどう言ったのか知らないが、俺は魔王にさらわれたわけじゃない。腕試しのために魔王に挑戦しに行ったんだ」
「それで、王子は返り討ちにあって蛙にされたんだね」
ナルトの的を射た言葉に、サスケは顔をしかめます。
「・・・弱そうな奴だったから油断したんだ」
「でも、あの魔王のもとから蛙の姿のままで逃げ出してくるとは、たいしたものですよ」
「そうそう」
ハヤテとサクラのフォローに、むくれていたサスケは少なからず機嫌を直したようです。

　

　

その頃、魔王城では・・・。

　

「勇者は盗賊のアジトから逃げたあとでした」
「・・・・お前、こないだから何遊んでるんだよ」
カカシは呆れ顔でカブトに訊ねました。

あとがき？？
終わらないー。あああーー。
いつになったらカカサクな展開になるんだろうか。
何だか思ったのと全然違う話になっちゃったよ。あれ。
ちなみにサスケの職業はそのまんま王子。（笑）
王子はオールマイティーな存在なので魔法も剣術も体術もＯＫです。

次はいよいよ魔王との決戦！！！
感動のフィナーレ・・・・・・か？

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