春の嵐


「先生、今日から私ここで暮らすから」
「ハァ??」
ドアを開けて入ってきたサクラの開口一番の台詞に、カカシは間の抜けた返事を返した。

「で、どうしてそういう事になったわけ」
とりあえずサクラを居間にあがらせ、お茶を入れて少々くつろいだ雰囲気になったところでカカシが訊ねた。
時刻はすでに夜の9時を過ぎている。
ここはカカシの自宅だ。

何故サクラがカカシの家を知っていたかというと、理由は簡単、火影様に聞いたのである。
毎回毎回、班に集合をかけておいて遅刻するカカシを迎えに行くという名目で。
サクラは普段から優等生で通っているので、全く疑われることなくすんなり教えてくれた。
そんなことで良いんですか火影様、とカカシは心のなかでごちる。

それがね、と話し始めたサクラの話を要約するとこういうことのようだ。
父親とケンカをして「出て行け」という台詞を言われ、素直に荷物を纏めて出てきたらしい。
カカシは、これは最近巷で流行っているというプチ家出というやつだろうか、と思いつつも、だからといって何故サクラが自分の家に来たのかが分からない。
サクラはケンカの理由を1時間ほど語ったのだが、はっきりいってカカシは最初の20分を過ぎたあたりからよく聞いてなかった。

「という訳で、これからよろしくお願いします」
という言葉でサクラの話はようやく終わった。
「あのさ、話はよく分かったけど、サクラにここに住んで良いって俺一言も言ってないんだけど」
辛抱強く彼女の話が終わるのを待ったカカシは、彼女を何とか家に帰らせようと試みる。
「・・・そうですか」
カカシの言葉にあっさりと頷いたサクラは自分の荷物持ち立ち上がりかけた。
もう少しごねられると思っていたカカシは少し拍子抜けした感じがしつつもホッとしたのだが
「じゃあ、ナルトの家に行きます」
「ちょっと待て!」
サクラの言葉に間髪いれず反応して彼女の腕を掴む。
「じゃあ、良いんですね」
してやったり、と満面の笑みを浮かべるサクラの前にうなだれながら頷くカカシがいた。

 

「先生のところにいるなら安心です。ご迷惑おかけして申し訳ありません」
「はぁ」

サクラの家に連絡したのだが、簡単な返答が返ってきた。
どうやら迎えに来るつもりはなく、本人の気のすむまで帰って来るなということらしい。
いくらなんでも放任すぎるんじゃないだろうかとカカシは頭をかかえる。
あんまり安心されても困るんですけど、と思いながら電話の受話器を置く。


「先生、お先にー」
風呂上りのサクラが火照った顔で持参したジュースを飲んでいる。
もちろん冷蔵庫を勝手に使用して冷却済みだ。
「見て見て。これ自分で作ったのよ」
サクラはピンク地に黄色い水玉模様のパジャマを、カカシの前でクルリと一回転して披露する。
「はいはい」
適当に相槌を打ちながらカカシは風呂場に向かう。
カカシの入浴中にサクラはすっかり我が物顔で、鞄から荷物を取り出し整理し始めた。

一通り片付けた後、先生の部屋って殺風景よねぇ、と思いながらサクラは部屋を見回す。
食事をするためのテーブルにイス、食器類にその他生活する上で必要最低限な物しかない。
まるでモデルルームに見学に来たようだ。
インテリアとか気にしないのかしら、と首を巡らしたところに窓際に置かれたカカシ7班の写真が目に入った。
ちゃんと飾ってくれてるんだ、とサクラは何となく嬉しい心もちだ。
額を手にとろうとして、隣に置かれた写真に眼が釘づけになる。

「小さいカカシ先生だ〜」
随分幼いカカシが、おそらく同じ班の先生や仲間達と写っている。
もちろん、カカシにも自分達と同じ下忍時代があったはずだが、サクラのイメージするカカシは普段はぬけているようでも、いざ戦闘となると強くて完璧な上忍だった。
可愛いなぁなどと写真に見入って悦に入っていると、家のチャイムが鳴った。


「とにかく、誰にも知られないようにしないとな」
カカシが堅い決意とともに部屋にもどってくると、見たことのある冊子を持ったサクラが玄関に立っていた。
非常に嫌な予感がした。
恐る恐る聞いてみる。
「さ、サクラ、それ」
「ああ、隣の家の男の人が借りてた本返しに来たわよ」
サクラは笑顔で『続 イチャイチャパラダイス』をカカシに渡す。

すべては遅かった。
次の日にはカカシとサクラが同棲しているという噂は密やかに里中に伝えられていた。


あとがき??
な、なんて強引な展開なんだ。誰か助けて・・・。ゲフッ。(吐血)しかも続いてるし。あああー。
ナルトバージョンとか書きたかった。
カカシ先生とはまた違った反応が見れることでしょう。
サスケ君は最初からパス。さっさと追い返される事でしょう。(笑) 


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