てれ


「サスケくーんvvv」
黄色い声と同時に背中に飛びつかれ、サスケは前方につんのめった。
脇にいたサクラは、いのの突然の襲来に目を丸くする。
「任務終わったんでしょー。待ってたのよ。どっか遊びに行こう!」
「・・・・暑い」
後ろから首に腕を巻きつけられ、サスケは面倒くさそうに言う。

「ちょっと、いの!!サスケくんから離れなさいよ!!!」
「外野は黙っててよね!」
いのとサクラは火花を散らすにらみ合いをしていたが、間にいるサスケは心底うっとおしそうだ。
早く逃げたいと顔が言っている。

 

「サスケくんはね、これから私と映画観に行くのよ!」
サクラは出任せと共に、サスケの腕に自分の手を絡める。
振り向いたサスケは、サクラと目が合うなり、乱暴に彼女の手を振り払った。
そのあまりの勢いにサクラは呆然と目を見開く。

「馴れ馴れしくするな!俺は修行で忙しいんだ」
厳しい口調で言うと、サスケはいのの手も外し、踵を返す。
サスケは寂しげな乙女二人を振り返ることなく、人通りの多い街路へと消えていく。

 

 

「いのは、いいなぁ・・・」
サスケの消えた道を眺めつつ、サクラは小さく呟いた。
「何が?」
「サスケくんに抱きついても、何も言われないじゃない。私なんて、ちょっと触っただけで、いっつも怒鳴られちゃって」

いのはしょんぼりと肩を落とすサクラへと顔を向ける。
呆れて物も言えないとはこのことだ。
いのの行動に対してサスケが何も言わないのは、いのをまるで恋愛対象として見ていないからだ。
何をしても、完全に無反応。

だが、相手がサクラの場合、サスケはいつでも過剰に反応する。
先ほどサクラが腕をくんだときも、彼の頬ははっきりと紅潮していた。
怒鳴られたことにショックを受けたサクラは、そのことに気づかないようだった。

 

「・・・あんたって、馬鹿ねぇ」
いのの一言に、サクラはむっとした顔をする。
「どういう意味よ!」
「教えてあげない」

いのは意地悪な笑みを浮かべると、サクラに背を向ける。
サクラが何か怒鳴り声を上げていたが、いのの顔の笑みはなかなか消えなかった。


あとがき??
シャイボーイ・・・。
いのが笑っていたのは、頭が良いくせにサクラがどんくさいからですかね。
いのはサスケよりサクラを好きですから。(笑)


駄文に戻る