ラッキーアイテム


「パンツ見せろ」

出し抜けに言われ、サクラは目と口を大きく開ける。

これが、カカシやナルトの言葉だったら、サクラは即行で彼らをはり倒していただろう。
「変態!」の怒鳴り声と共に。
しかし、思いも寄らぬ人物に言われただけに、サクラの思考は停止した。

何かの聞き間違いだと思いたかった。
だが、傍らにいるカカシとナルトが、同じく呆然とした顔をしていることから、サクラは自分の耳がおかしくなったのではないと悟る。
眼前にいるサスケは、大真面目な顔でサクラを見詰めていた。

 

 

 

「・・・あんた、何やってんの」
「しーー!!」
こそこそと売り物の花の籠の後ろに隠れ、入口付近を警戒するサクラに、いのは訝しげな表情だ。
口に手を当てて、いのに沈黙を促した動作からも、サクラが誰かに追われているのだと分かる。
花屋の店番をしているいのとしては、邪魔意外の何ものでもなかったが、親友を無碍に外に放り出すわけにもいかない。

「混むのは夕方からだから、別にいいけどさぁ」
言いながら、いのは手元にある雑誌へと目を落とす。
今月の“木ノ葉通信”は占い特集だ。
当たると評判の易者が監修しているらしいが、奇妙奇天烈な運勢ばかりが並んでいて、なかなか楽しい。

「サクラ見て見て、『てんびん座の女子、赤い洗面器を頭に乗せて歩けば願いが叶う』ですってー。ばっかみたい」
「ちょっと、静かにしてよ!」
かわからと笑ういのに目くじらを立てるサクラだが、どう見てもサクラの方が大きな声を出している。
「・・・・何から逃げてるか知らないけど、家に引きこもっていればいいじゃないの」
「家にはもう、手が回っているわ。うちのお母さんも彼の味方なのよ」
サクラは深刻な表情で応える。

 

「とにかく、夜になったら闇に紛れて移動するから、それまでここに・・・・」
「サクラ」
話の途中、背後から聞こえた少年の呼び掛けにサクラは飛び上がる。
恐る恐る振り返ると、「やまなか花店」の看板の隣りで、怖い顔をしたサスケが仁王立ちしていた。

「逃げても無駄だ」
「やだやだ、来ないでよーー!!」
凄んでみせるサスケだが、いのの花屋の間取りはサクラの方がよく知っている。
裏口から逃走をはかるサクラに、サスケもすぐに駆け出した。

 

「サスケくん」
唖然とした表情で成り行きを見守っていたいのは、自分の前を横切ったサスケに慌てて飛び付く。
「何だか分からないけど、サクラじゃなくて私にしない?協力するわよ」
「お前じゃ駄目だ」
間髪入れずに言うと、サスケはいのの手をふりほどいて店から飛び出していった。

 

 

「もー、何なのかしら」
嵐が去ったあとの店内では、いのが一人ふくれ面をしていた。
サスケがサクラを追う、といういつもと逆の行動に面食らっている間に、置いてけぼりにされた感じだ。
これは、何が何でもサクラに電話して真相を聞かなければならない。

しょうがなく椅子に座ったいのは、読み途中だった雑誌に再び目を通す。
何気なく目を遣った先にあったのは、サクラの星座、おひつじ座の総合運。

『今週は受難の相有り。家でじっとしているのが吉』

「・・・なるほど」
いのは何となく納得ぎみにページをめくる。
次にいのが見たのはサスケの星座だ。
好きな異性の運勢は、自分の次に気になる。

 

『しし座の男子、意中の人が緑の下着を付けていたら願いが叶う』


あとがき??
ご、ご、ごめんなさい。ギャグを通り越して、変態駄文になってしまった。(泣)
私の中で、サスケを書く上で「サクラのことを好きでも、それを本人に悟られてはならない」というのが掟にあります。
リクの「強気なサスケと逃げるサクラ(サス→サク)」を書くとなると、それが覆されることになるので、どうしたものかと悩んでいるうちにこんな話に・・・・。
強気というか、強引な人。
サスケはただサクラの下着の色を知りたかっただけのようです。(それも問題だけど)
それで、サクラがあれだけ嫌がっていたのは「ちょっと背伸びパンツ(ショーツ)」をはいていたから。(笑)色は、なんでしょうね。
ちなみに、春野家は母子そろってうちはフリークです。面食い親子。

赤い洗面器は、三谷幸喜ファンなら知っている人も多いギャグネタ。
いのが赤い洗面器をかぶり始めたら、いやだな。
それにしても、何故、パンツの話になったんだろうか・・・。(=_=;)
せっかくリクエストしてくださったのに、申し訳ないです。

79241HIT、神凪翠様、有難うございました!


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