らぶペア
「いーじゃないのよ!」
「嫌だって言ってるだろ」
上忍達の集まる控え室。
何やらもめている様子のアスマと紅に、上忍仲間が割って入った。「おい。仲が良いのは結構だが、何の騒ぎなんだ」
「それが・・・」
アスマは片手で頭を押さえながらその服を掲げる。
サーモンピンクのセーターはアスマ用のサイズのものだ。
「紅が俺にこれを着ろって言うんだよ!」
「私とペアルックなのよv」
アスマにかまわず、紅は嬉しそうに笑って自分のセーターを示す。アスマは自分にそのような色が似合わないことを知っている。
当然、仲間の上忍も同じように言ってくれると思ったのだが、違った。
「いいんじゃないのか。案外、合うかもしれない」
彼はアスマに向かってあっさりと言う。ぽかんとした顔になったアスマは、すぐに椅子から立ち上がった。
「本気でそう思うのか?」
「おお」
アスマに強い口調で詰め寄られても、仲間の上忍は全く動じない。
「それに、今、里でペアルックがはやってるらしいぞ」
てくてくと窓際まで歩くと、彼は外にいる一組のカップルを指差した。
「ほら」
3階にある部屋から下方を望むと、カカシがサクラと手を繋いで歩いているのが見えた。
すっかりやに下がったカカシが着ているのは、サクラとおそろいの赤のセーター。
恥ずかしげもなく着こなしている彼はエリート上忍には見えない。
そしてよく見るとペアの服を着ているのは彼らだけでなく、巷にあふれていた。「・・・本当だ」
「ねvだから、私達もペアで着ましょうよ」
ここぞとばかりに押す紅に、アスマはなおも首を縦に振らない。
「だが、上忍でペアルックなんざやってる奴はいないぞ!」
「カカシが着てたじゃない」
「あの馬鹿は、例外だ!!」頑ななアスマの態度に険悪な空気が広がり始めたそのとき、部屋の扉が開かれた。
「諸君、今日も元気にやってるかー!」
いつでもハイテンションなガイはポーズを決めながら上忍仲間に声を掛ける。
部屋にいた人間は皆、目を点にして彼を見詰めていた。
ガイのテンションが高いのは今始まったことではない。
彼らが驚いたのは、ガイが黄色地に赤いハートマークの上着を着ていたからだ。一瞬の沈黙のあと、上忍達はぼそぼそと囁き合った。
「・・・やっぱり、ペアルックなのかな」
「そうだよ。一体、誰とだ」
「知らん。お前、訊いてこいよ」
「いや、お前が」動揺する上忍仲間を尻目に、ガイは鼻歌を歌いながら自分の席につく。
そして、紅はにっこりと笑ってアスマに向き直った。
「いたじゃない。上忍でもう一人」
「・・・・」
不本意ながら身につけたピンクのセーターは、存外アスマに似合っていた。
あとがき??
火影様の葬式で皆が同じ服を着ているのを見て思い付いた話。
・・・あんなシリアスな話に、何を想像しているのか、私。
何にも考えないで書いたので、15分で仕上がったという。それにしても、何故アス紅??神威さんの影響か。