これから
「お水くんできたわよー」
任務の休憩中、7班のメンバーの水筒を抱えるサクラはそれを順々に配っていく。
「サンキュー、サクラちゃん」
ナルトに笑顔を返したサクラはそのまま振り返る。
「サスケくんも、はい」
「ああ」
手を伸ばしたサスケだったが、受け取ろうとした拍子にサクラと指が重なる。
瞬時に顔を赤くしたサクラは弾かれるようにして身を引いた。「青春だなぁ・・・」
口笛を吹いて冷やかすカカシをサクラは睨み付ける。
「外野が煩いわよ!!」
「・・・外野」
「はい」
口を尖らせたサクラはカカシの分の水筒を彼の胸に押し付けた。
「・・・・サクラ」
「何よ」
「俺のときは、赤面しないの?」
水筒を取ったあと、カカシはサクラの掌を両手で握ったが、彼女は眉ひとつ動かさない。
「カカシ先生相手にドキドキしたってしょうがないでしょ。眼中にないの!ナルトと同類よ」
「つまんないのー」
「手、離してよね」険のある表情で言われても、カカシは離そうとしない。
逆に、サクラに顔を近づけてにんまりと笑う。
「本当にナルトと一緒?」
「え」
「掌の大きさも、声も全然違うでしょ。ナルトとはまだそんなに力の差がないけど、俺には絶対かなわない」
間近でその瞳を見つめられたサクラは、握られている自分の手へと目を移す。
大きな掌。
子供である自分やナルトの手とは、まるで違う。
思わず手を引こうとしたサクラだが、カカシの腕はびくともしない。「は、離し・・・」
「先生、サクラのこと大好きなんだけどなー」
砕けた口調で言うと、カカシはサクラの額に唇を押し当てた。
頭の中が真っ白になったサクラは、抗議することも忘れて目を見開いている。
「せ、せ、せんせ」
「アハハハー、サクラ、隙ありー」
楽しげに笑うカカシにもう一度キスをされ、サクラは今度こそ甲高い悲鳴を上げる。
「って、何、公然とセクハラしてるんだ!!」
サスケの蹴りを避けたカカシは、ようやくサクラから手を離した。
だがサクラはある一点を見つめたまま微動だにしない。
訝しげにクラの顔を覗き込んだナルトは、目を丸くして言う。
「サクラちゃん、顔真っ赤」
それからというもの、サクラはカカシから微妙に距離をとるようになった。
後ろから肩を叩いただけで、びくりと体を震わせて後退りをする。
怯えた眼差しで自分を見るサクラに、カカシは無性に悲しい気持ちになった。「ナルトー、サクラが触らせてくれなくなった」
涙で訴えるカカシに対し、ナルトはあくまで冷静に答える。
「自業自得でしょ」
あとがき??
男として意識されているんだから、いいと思いますが。
マスクのまま口笛って吹けるのかどうか。
これから恋が芽生える可能性もあり、かな?