メジルシの記憶 2


「・・・カイ、何だか俺達、物凄く見られてないか」
「ああ、気にしなくて良いよ。きっと、俺を見てるんだから」
傍らを歩く幼なじみに、カイは素っ気なく言う。
この里に来て以来、不愉快なことばかり起きて、カイはずっと仏頂面をしていた。

昨日いろいろと尋問をされた結果、カイは自分にそっくりな人間がこの里にいて、彼に間違われて拘束されていたということが分かった。
その彼がこの木ノ葉隠れの里で相当な有名人だったようで、カイが道を歩くだけで一定の年齢以上の者が全員驚愕の体で振り返る。
怯えの混じる顔で指をさされ、ひそひそ話をされるというのは、あまり面白いものではない。
自分に似たその人物が、犯罪者か何かなのかもしれないと思うと、カイはよけいに気分が滅入ってくる。

 

「大体なー、レンが木ノ葉隠れの里に行こうなんて誘ったからいけないんだ」
「人のせいにするなよ」
愚痴をこぼすカイに、レンも不満げに返す。
「お前だって、町に行けばサラちゃんに良い物を買って帰れるって、すぐのってきただろう。村から持ってきたものは全部捌けたんだから、絹でも宝石でも適当なもの買って帰ろうぜ」
「・・・・・サラ」

会話の合間に挟まれたその名前に、カイの表情は僅かに緩ぶ。
サラは故郷に残してきたカイの年の離れた妹だ。
両親がもう死んでいることもあり、幼い頃から始終一緒にいる仲の良い兄妹だった。
今回は旅の道中、何かあってはと思い親戚の家に預けてきたが、サラは最後までカイが村から出ることを反対していた。
カイが旅立ちの直前に見たのは、涙をためた瞳で自分を見詰めるサラ。
その妹のために、カイはこの里を訪れたのだ。

 

 

「けど、女の子が喜ぶ土産なんて、お前に選べるのか。初めて来た場所で」
「・・・・うーん」
カイは困ったように道々に並ぶ店を見る。
何しろ、彼らの出身地は人口が100人にも満たない小さな村だ。
見る物全てが珍しく、いろいろと目移りをしてしまう。

顎に手を当て答えを逡巡する間に、花屋から出てきた一人の娘がカイの目に止まった。
その瞬間に、カイの腹は決まる。
「あの子に選んでもらうことする」
「ナンパかー?」
にやつくレンに、カイはしごく真面目な顔で振り返る。
「違う。彼女は知り合いだよ」

 

「やあ」
なるべくさり気なく声をかけたのだが、彼女はカイに気付いていたようで、冷たい視線を向けられた。
それでもカイの笑顔が崩れなかったのは、日の光の下で見る彼女が自分の好みにぴったりの少女だったからだ。
薄紅色の髪は今まで見たことのない色合いで、自分を睨むようにして見る翡翠色の瞳も、妙に惹かれるものがある。
少し見回してみたが、今日はあの老人は近くにいないようだった。

「・・・まだ里にいたんですか」
「うん。せっかく遠出してきたんだから、いろいろと見て回ろうと思って。案内してくれる?」
カイの申し出に、彼女の顔は瞬時に強張った。
「何で私が」
「当然じゃない。無実の民間人を突然しょっ引いておいて、「ごめんなさい」ですむと思ってるの」
「・・・・」
「君、ここの忍びでしょ。里を訴えられたくなかったら、責任取ってね」

笑顔で脅迫するカイに、彼女は二の句を告げなくなる。
なれなれしく肩に置かれたカイの手は振り払われたが、彼女は渋々カイの観光に付き合うことを承諾した。


あとがき??
現時点ではコメントの仕様がないような・・・。
というか、もう止めたい。逃げたい。(泣)
私、長編向いてないです。

(追記)
実際、更新が止まっていたのだから、何とも言えない。
随分追いつめられているようだが、果たして大丈夫なのだろうか。
3を抜かして4を完成させているという、よく分からない書き方をしている。どうしよう、3。
全部書き直して全然違うストーリーにしてもいいような気がした。
「ただ似てるだけ?それとも・・・・」とかいうフレーズを付けると、某ゲームを思い出す。(やったことないけど)


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