first contact 3


「気分はどうだい?」
「・・・・・眠いです」
自分の顔を覗き込む綱手と目線を合わせ、カカシは瞼をこすりながら答えた。
小さくなったときと同様一度気を失ったのだが、そのまま熟睡しそうなところを叩き起こされたのだ。
最初に身につけていたぶかぶかの服を少年カカシに着させたために、今はぴったりになっている。
綱手の前で直立して立ったカカシは、怪訝そうに首を傾げてみせた。

「ところで、何で俺は火影様の執務室なんかにいるんですか。みんなと森に向かったのに?」
「あー、やっぱり記憶は飛んでしまったか・・・」
「えっ?」
「カカシ先生!!」
頭をかくカカシは、綱手の傍らに立っていたサクラに勢いよく飛びつかれる。
少しよろけつつ抱き留め、カカシは視界に入ったサクラの顔に、妙な違和感を覚えた。
「・・・サクラ、背、縮んだ?」
自然と口を衝いて出た疑問に、サクラはくすくすと笑い声をたてる。
「先生が大きくなったのよ」

 

 

 

 

(おまけ)

 

(注:今までの展開を無視した変な話なので、カカサクラブの余韻に浸りたい方はUターンでお願いします)

 

 

失敗した試作品の薬はそのまま封印され、保管室へ置かれることとなった。
他の薬品を揃えるため、保管室に入った綱手がその試験薬の紛失に気づいたのは、犯人が薬を盗んで暫く経ってからだ。
他にも貴重な薬は山ほどあるというのに、試作品だけが中和剤共々、こつぜんと消えている。
非常に嫌な予感がした。

「犯人は内部の者でしょうか・・・」
「シズネ」
「は、はい」
「7班は今日、どんな任務についている」
「えーと、7班は全員そろって休暇を取っているので、自宅におられるかと。三日間続けて休んでいますよ・・・・って、綱手様??」
シズネが班ごとの任務が書かれた手帳から目を離すと、すでにそこに綱手の姿はない。
全く気配を感じられない、光よりも早い動きかもしれなかった。

 

 

「先生ー、絶対こっちの服の方が可愛いってーー」
「駄目!ロリータ・ファッション以外は却下なの!!」
「ヘッドドレスが出来たぞ」
子供服を抱え、喧々囂々と言い合うナルトとカカシにサスケが割ってはいる。
手に持っているのは、彼が手編みで作ったレースの頭飾りだ。
「おお、お前、器用だなーー!!」
「サクラ、おいで」
部屋の隅で人形遊びをしていた少女は、カカシに名前を呼ばれてトテトテと歩いてくる。
ヒラヒラのレースが重なるドレスを着る幼い少女は、彼女自体がケースに入れて飾る人形のようだった。

「あー、サクラってば、何でこんなに可愛いんだろうねーーvv」
少女を抱きしめたカカシは恍惚の表情で頬ずりをしている。
「先生、俺も、俺も!!」
「お前はさっきサクラを膝に乗せて一緒に絵本を読んだだろう。次は俺だ」
ナルトとサスケがにらみ合う中、部屋の扉が唐突に開かれた。
同時に振り返った三人は、そこに立つ怒りの形相の綱手を見るなり凍り付く。
「・・・・お前らここ三日間、仕事休んいるそうだけれど何やってるんだい」
「サクラで遊んでいます」

 

三人から没収されたサクラは、暫く綱手の目を楽しませてから元の姿に戻されたという話だった。


あとがき??
最期の最期で思い切り趣味に走りました。すみません・・・・。
記憶のないサクラは、大人しかった頃の子供時代に逆戻りしていたらしいです。
いいなぁ、私も子供サクラで着せ替え、一緒に遊んだりしたいですね。

400000HITmitsuさん、有り難うございました。


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