愛人 2


「ただいまぁーー」
「お帰りなさい」
扉を開けるのと同時に返ってきた返事に、カカシは軽く目を見張った。
「あれ、サクラ起きてたの」
壁に掛かった時計を見ると、時刻はすでに午前の2時だ。
カカシから鞄を受け取ったサクラは、小さく頷いてから微笑した。

「うん。この頃先生の顔を見るのって朝の短い時間だけでしょ。少し寂しくなったから」
「・・・サクラ」
いじらしいその言葉に、カカシは声を詰まらせる。
思わずサクラを抱きしめたカカシは、ふと、視線を感じて顔をあげた。
廊下の先にある子供部屋から顔を出しているのは、パジャマ姿の小桜だ。

「小桜まで起きてたのか?」
「・・・・・」
小桜は扉の影から半分だけ体を覗かせ、カカシをじっと見据えている。
そして、一言も発することなく部屋の中へ戻っていった。
静かに閉じられた扉に、カカシは怪訝な顔で首を傾げる。

「・・・・何だ、あいつは」
「ねぇ、カカシ先生が請け負ってる任務って、火影様に頼まれたものなんでしょ」
「そうだよ。火影様のためとはいえ、手の掛かる仕事で嫌になっちゃうよ。家に帰るのも遅くなるし」
一度言葉を切ると、カカシはサクラを目線を合わせてにっこりと微笑んだ。
「でも、サクラがいてくれるから明日もまた頑張れるよ」

 

 

 

「私はカカシに頼み事なんてしてないよ」
珍しく深刻な表情をしたナルトに対し、ツナデは言下に言い放つ。
予想していたとはいえ、ツナデ本人の口から出た言葉にナルトは少なからずショックを受けた。
カカシの嘘はそのまま浮気を認めることに繋がる。
ナルトの頭にあったのは、事実を知って悲しむであろうサクラ達の姿だ。

「何かあったの?」
目を通していた書類を机に置くと、ツナデは上目遣いにナルトを見る。
何か言いたげな表情をしたナルトだったが、声は言葉にならなかった。
黙って俯いてしまったナルトに、ツナデは苦笑気味に頬を緩める。

「やだねー、一丁前に私に隠し事なんかしちゃって。昔は何でも話してくれたのに。大好きなイルカ先生やサクラちゃんのこととか、ライバルのサスケのこととかー」
「もう、そういうこと言うのやめてくれよ。いつまでも子供扱いして」
口を尖らせたナルトが不満げに言うと、ツナデは大きな笑い声をあげた。
彼が任務で度々大きな手柄を立てていることを知っていても、ツナデにしてみればまだまだひよっこだ。
日頃無理して大人ぶっているところが、逆に可愛らしく見える。

 

「まぁ、何でもいいや。もっとちょくちょく顔出しなよ」
「うん。有難う」
朗らかな笑顔を見せるツナデに、ナルトも同じように笑顔を返した。
そのまま退室しようとしたナルトだったが、頭上にある額縁が目に入るなり、その場で立ち止まる。
戸口の上部に飾られた代々の火影の写真。
今、ナルトのすぐ目の前にあるのは、好々爺といった風貌の三代目だ。

「そういえば、三代目のじっちゃん最近見ないね。病気とかじゃないんでしょ」
「ああ、猿飛先生だったら自来也と温泉巡りの旅に出てるよ。あと2、3日もすれば帰ってくるんじゃないかな」
「エロ仙人と一緒に!!?」
驚きの声をあげたナルトは、嫌な予感に顔をしかめた。
思えば、ナルトと自来也の出会いは温泉地だった。

女風呂を覗くのが趣味の自来也。
そして、三代目と自来也は共に女好き。
彼らの温泉巡りと聞けば、その旅の内容は容易に想像が出来た。

 

「俺、何だか凄く、物凄く嫌な予感がするんだけど!!」
「本当にねぇ・・・」
机に頬杖を付いたツナデはため息をもらす。
付き合いが長い分、ツナデは二人の性格をナルトよりもずっと理解している。
「他国でもめ事を起こしてくれなければいいと思ってるよ。特に女性関係」
諦めきったツナデの呟きは、書類が山積みとなった部屋に何とも寂しく響いた気がした。


あとがき??
つ、続いてる。すみません。アホな話なのに。
ツナデ姫が珍しく登場しております。(笑)
ツナナルは大好きですvvツナデ姫にだったら、うちのナルトをあげてもいい!(年齢差38歳!?『砂の城』なんてもんじゃないな)
二人には是非とも仲良くして欲しいですvあのでかい胸でナルチョをギューっとして欲しいですわ。姉御!

などとよけいなエピソードを入れたら話が長くなってしまいました。(^_^;)
それと、うちの駄文だと三代目もハヤテさんも生きています。私の理想とする未来の世界なので。
三代目と自来也さんの珍道中は見てみたいなぁ。
あともう一人くらい忍びを同行させて、
NARUTO版水戸黄門とかね!ビバ、三代目!!
次はたぶんサスケが出てきます。


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