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写真(おまけ)


「・・・何だか、変な感じ」
古いアルバムを広げ、写真に見入る小桜にサクラはくすくすと笑った。
サクラにせがんで彼女のアルバムを見せてもらった小桜は、現在の自分と寸分変わらぬ母の姿に驚きを禁じ得ない。
違うのは服装くらいだ。
また、その服についても、小桜は母が大事に保管していたお下がりの物をよく着ている。
あたかも自分がその場所にいるようなのに、記憶はないのだから不思議な感覚だった。

「私も、将来はママみたいになるのねぇ」
「何よ、不満!?」
自分を見つめてしみじみと呟く小桜に、サクラは少々口を尖らせる。
不満があるとすれば控えめな胸くらいだが、小桜は何とか笑って誤魔化した。
父親側の遺伝子も混じっているのだから、まだ希望を捨てることはない。

 

 

「・・・あれ?」
サクラが部屋から出ていったあとも一人でアルバムを見ていた小桜は、ある発見に首を傾げる。
写真の隅にちらほらと映っている、何か。
普通ならば見過ごしてしまうものだが、小桜は妙な引っかかりを感じる。
虫眼鏡を持ち出した小桜は、その一つをじっくりと観察するなり、悲鳴を上げそうになった。
幼いサクラと共に写っているのは、間違いなく一人の人物だ。
木々の陰、人混みの中、部屋の片隅、非常に細かいが、よく見るとアルバム内の殆どの写真に彼はいる。

「ただいま」
「ギャーーーーーー!!!」
ふいに肩を叩かれた小桜は、甲高い声で絶叫した。
振り返ると、目を丸くして後退るカカシが立っている。
「びっくりしたー。何事?」
「ご、ごめんなさい・・・」
反射的に謝ったものの、カカシを見つめる小桜の表情はどこか強張っていた。

「パ、パパ、最初にママに会ったのって、いくつの時?」
小桜の見ていたアルバムに気付いたカカシは、彼女の怯えの原因を何となしに悟る。
だから、出来るだけ穏やかに笑っておいた。
「内緒・・・」


答え:先生はサクラが赤ん坊のときからストーカー、いえ、成長を見守っていました。(『赤ちゃんと僕』参照)