・・・・カカシ先生似?


はたけ家のリビングには小桜手作りのテディベアがいくつも並んでいた。
アカデミーで「テディベア同好会」に所属しているだけあって、なかなか可愛く出来ている。
グレーの物が大小二つ、ピンクの物が同じように二つ、あとは青い物が一つ。
小桜が今、必死に作っているのは黄色のテディベアだ。
小桜の話によると、はたけ一家とナルトとサスケのイメージカラーで、テディベア家族を製作しているらしい。

 

「出来たーー!!」
皆が
TVを見てくつろぐ中、部屋の隅でせっせと針を動かしていた小桜は黄色いテディベアを抱えて大きな声を出した。
大好きなナルトを思って作ったこともあり、一番丁寧な仕上がりになっている。
「あら、可愛いじゃない。王冠がくっついてるv」
出来具合を見にやってきたサクラは、黄色いテディベアの頭を突きながら言った。
銀色の王冠をかぶっているところが、他のテディベアとの大きな違いだ。
「ナルトだから、特別なんだもの。未来の火影だし」
うふふっと笑った小桜は、黄色のテディを大事そうに抱きしめる。

「ママ、今日はナルト来るんでしょう」
「うん。仕事が長引いたみたいで、9時すぎになるって言ってたけど。何で?」
「これをプレゼントしようと思って」
小桜の思いがけない一言に、サクラは首を傾げた。
「せっかくファミリーテディベアが揃ったのに、あげちゃうの?ナルトにだけ?」
「だから、これは特別。そのために作ったんだもの」

 

 

 

黄色いテディベアを抱えた小桜の笑みに引っかかりを感じてから一週間後、サクラはその意味を知ることとなった。
久しぶりにはたけ家にやってきたナルトを、小桜が厳しく詰問している。
いや、尋問と言っても良かった。

「ナルトの浮気者―!!」
叫ぶ小桜を横目に、畳んだ洗濯物をしまって戻ってきたサクラはソファーに腰掛けた。
TVはついていたが、見ているのは快だけで、カカシはイチャパラを読んでいる。
カーペットの端では、正座をさせられたナルトが仁王立ちする小桜に一方的に責められていた。

「何が何だって?」
「女を家に泊めたことがばれて揉めているらしいよ。まぁ、あいつも男だしなぁ・・・」
イチャパラから目を離さず、カカシは淡々と言う。
昔から小桜が一方的に言い寄っているのだが、彼女の方はナルトの恋人のつもりだ。
ナルトも小桜を大事にしているが、なにぶん、彼女はまだ幼い。
10歳の少女より同じ年頃の女性に目がいってしまうのも、仕方がないことだった。

 

「もう他の女を家に入れないでよね!守れなかったら絶交よ」
「・・・サクラちゃんも?」
「私とママはいいのよ。それ以外の女」
「分かった」
小桜に言われるままに、項垂れるナルトは首を縦に動かす。
遠目に眺めるサクラは、今から尻に敷かれて大丈夫なのかしら、と他人事のように考えた。
17歳の年齢差は、彼らにとってあまり問題ではないようだ。

「ねぇ、何で女性を家に連れ込んだのがばれたんだと思う?」
「さぁ。夜にナルトの家の前を見張るわけないし、部屋を盗聴か盗撮でもしたんじゃないの」
「まさかー」
カカシの返答を笑い飛ばしたサクラは、はっとなる。
特別製の黄色いテディベア。
「そのため」に作ったとは、果たして「何のため」だったのか・・・・。
無言で考え込んだサクラは、もう一度ナルトを叱る小桜へと視線を戻した。

 

思えば、サクラもカカシには散々盗聴や盗撮をされ、結婚前は家に帰ってまず怪しい物が部屋に無いか調べまくったものだ。
隠し撮りした自分のいかがわしい写真を集めたアルバムをカカシの本棚で見付けたときは、正直卒倒しかけた。
その日のうちの焼却処分をしたのだが、ネガは隠し金庫に大切に保管してあるらしく、数日後には同じ場所に同じアルバムが並んでいたのだから、もう手の施しようがない。
結婚して何年も経つというのに、カカシの盗撮に日々サクラは頭を悩ませている。
そして、今回、ナルトの浮気(?)をいち早く嗅ぎ付けた小桜。
無関係ではないだろう。

「・・・・変なところばっかり、先生に似ちゃって」
「え、何?」
顔をあげたカカシと目が合うと、サクラは大きくため息を付く。
「何でもない」


あとがき??
ナルトは成長するといい男になるのですが、来るものは拒まずなので、お付き合いしている女性は結構沢山いるという設定なのですよ。(^_^;)何しろ師匠があのエロ仙人だし。
その点、サスケは好みがうるさいので、女がいるときは少ない。
もちろん小桜と晴れて結ばれたら他の女性達とは手を切りますけれど。それまではね・・・・。あと2年くらい。頑張れナルト。(?)
何気にサクラのことを確認しているあたり、うちのナルトらしいです。
私なら、サクラもいいけどナルトのいかがわしい写真をコレクションしたい・・・・・。ラブ。


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