7班と乳触り魔


暗い夜道、女性の胸を触って逃げる“乳触り魔”の被害が木ノ葉隠れの里で急増している。
容疑者捕獲の任務を請け負った7班は、さっそくおとり捜査を実施することとなった。
午後9時を過ぎたあたりから、犯行の行われた場所を順番に張り込む。
問題は誰が乳触り魔の標的となるかだ。

 

 

「えーと、うちで女の子といったら一人しかいないんだけど・・・・」
カカシの言葉に、皆の視線がサクラの胸元へと集中する。
「ナルト、お前が得意の“お色気の術”を使え」
「分かったってばよ!」
「ちょっと待って!!!」
くノ一である自分を無視した計画に、サクラは憤りを示した。
しかも、ナルトやサスケも、それで当然といった顔をしているのが気にくわない。
これではサクラの胸の大きさに問題があると皆に言われたようなものだ。

「私がやるわよ!!」
「え・・・でも」
「何よ、言いたいことがあるなら、はっきり言いなさいよ!!はっきり!」
「サクラ・・・」
金切り声をあげてナルトに詰め寄るサクラの肩を、見かねたサスケが優しく叩く。
「みんな、お前の身にもしものことがあったらと、心配しているんだ。分かってくれ」
「サ、サスケくん」
真摯な眼差しで言われ、サクラの体からはたちまち力が抜けていく。
両手を組み合わせたサクラの瞳はすっかりハートマークだ。
「サスケくんも、私のこと心配してくれるの・・・」
「ああ」

適当に相槌を打つと、サスケはすぐにナルトへと向き直る。
「ナルト、さっさと変化しろ」
「・・・サスケ、何気に女の扱い覚えてきたよな」
「いやらしい奴め」
嫉妬混じりに非難するナルトとカカシだったが、サクラが納得してくれれば話を進め易い。
印を組んだナルトはさっそく術を使って美女へと変身してみせた。

 

 

「乳触り魔ー、さっさと来いー、乳触り魔ーーー、でっかい乳だぞー」
「アホかーーー!!!」
道の真ん中に布団を敷き、裸で横たわる女版ナルトに7班メンバーが全員でツッコミを入れる。
「お前、どこの世界に、布団に寝転がって痴漢を待つ女がいるんだ!」
「あやしすぎるわよ!!」
「えー、手っ取り早くていいじゃんよ」
がなり立てるサスケとサクラに、ナルトは頬を膨らませている。

「やっぱりナルトには無理か。サスケ・・・・」
「絶対に嫌だ」
予想していたこととはいえ、女装しておとりになることを、サスケは頑なに拒む。
エベレストよりも高いプライドを持つ彼に言うことを聞かせるのは至難の業だ。
「仕方ないわね。やっぱり私が・・・・」
「はいはい、サクラの乳はあとで俺がゆっくり触ってあげるから。変化の術〜」
一歩前へ出たサクラをいなすと、カカシは反論される前に妙齢の美女姿へと変身した。
背中まで伸びた銀色の髪に、体の線がはっきりと分かる浴衣一枚。
下忍達ではどうやっても出せない大人の色気をたっぷりと発散させている。

「どう?」
女であってもゾクリとする艶やかな笑みで言われ、サクラは思わず口を引き結んだ。
「・・・先生、女だったら優秀なくノ一になれていたわよ」
「有難う」

 

 

 

『お手柄、7班!「乳触り魔」スピード捕縛』

 

翌日の新聞の見出しを見ながら、サクラは大きなため息を付く。
美女姿のカカシの魅力により、犯人はあっさり御用となったがサクラは複雑な気持ちだ。
普段から体力面で足手まといとなることが多いというのに、こうした女が必要な任務でも役に立たないのでは、自分の存在意義を見失いそうだった。

「サクラ、大丈夫だよ」
落ち込むサクラの顔を、カカシは後ろから覗き込むように見る。
「サクラのおっぱい、小振りだけど形は凄く良いから」
「・・・・そういう問題じゃないのよ」
カカシを半眼で睨むサクラを横目に、ナルトとサスケの頭にある疑問が浮かぶ。
(何でそんなこと、知っているんだよ)
喉まで出掛かった言葉は、カカシをぽかぽかと叩くサクラを見ていると、どうも聞けない。

 

痴漢の驚異の消えた木ノ葉隠れの里は平穏を取り戻し、女性達に非常に感謝された7班だった。


あとがき??
サスサクだかカカサクだか分からなくなりました。
『こいつら100%伝説』の乳触り魔の話を7班でアレンジしてみました。
原作はもっと抱腹絶倒ですよ。
ちなみに、お色気カカシは
mitsuさんに頂いた熟女カカシイラストを想像してください。
最後に、岡田あーみん万歳!


駄文に戻る