『あさき、ゆめみし』感想

 

某平安時代の漫画とタイトルが似ていますが、普通に現代のお話です。『緋色の欠片』系の伝奇もの。
新ブランドの最初の作品なので、どんなもんだろうかと購入してみたのですが、これがなかなか面白かったです。
個人的には『緋色の欠片』<『あさき、ゆめみし』です。
オトメイト作品はシステム的には非常に快適なので、イラストもピカイチなのですが、内容的には「何かが足りない・・・」と思う作品が多い。(どの攻略キャラを選んでもラストや台詞はほぼ同じだったり、共通ルートが長かったり)
に当てはめると、どれも中の中、よくても中の上
しかし『あさき、ゆめみし』は壁の厚かったランクに食い込んできました。珍しい。
何が原因だろう・・・・。どの攻略キャラを選んでも、あまりストーリーが破綻していなかったからかな。
あと、キャラクターの掛け合いが非常に楽しく、どんなにシリアスな展開になっても、あまり重くなりすぎないようにしていたのがよかったです。
笑えるシーンの殆どは、高虎くん絡みだったような。凄くいい性格していました、彼は。

音楽もよかったですが、主人公と攻略キャラがいい雰囲気になったところで背景がきらきらしたり曲が入ったりするのは、なんだか恥ずかしかった・・・。
回想も、ラストだけでなく、エピソードごとに見られたらよかったのにな。
ED後のおまけはボイスはとても充実していましたよ。カーソル合わせるごとに、いろいろ声が聞けて面白かった。
カードゲームも充実。これ、熱中すると時間を忘れる・・・。カードが全部消えたときは非常に嬉しかったです。
二人の絵師さんが描かれているらしく、キャラクターの絵柄が全然違ったりしますが、スチルは普通に綺麗だったかな。
しかし、薙羽哉さんも愁ちゃんも高虎も、みんな同じ顔に見えるのは私だけなんだろうか・・・・。
あるキャラが実は兄だったと発覚したりしますが、顔が似てるって言われてもよく分からなかったです。

主人公は退魔師として仕事を請け負っている女子高生、伊織沙耶。
養女として引き取られた先の家と折り合いが悪いらしく、早く自立したくて頑張っているもよう。
夏休み中に依頼を受けて、伊那佐郷というバス停から
4時間もかけて歩かないとたどり着けない村に向かうところから、物語は始まります。

 

以下、ネタバレ多し。

 

 

八重垣薙羽哉

伊那佐郷の里親、いや、郷長。沙耶より一つ年上の18歳ですが、非常に懐の広い男です。どんな展開になろうとも主人公やその他キャラを理解して、人間でも妖でも関係なく保護してくれます。さらに妹がいるせいか、年下に甘い。いい兄ちゃんだ。
高虎が薙羽哉と主人公を似てると言ったのも何となく納得。
好きな人ほどいじめたくなる高虎のせいで、散々おちょくられていました。それでも何かと高虎を気遣ういい人、薙羽哉。
実は主人公と前世で繋がりがあるという、王道のストーリーでした。
短気で口が悪いという設定のようですが、なんとなく人を引き付ける魅力のある人だと思いました。郷での人望も厚いようですし。
主人公の従兄、愁ちゃんが登場するなり対抗意識を持つところは可愛かったですね。
あーー、猫耳の薙羽哉も可愛かった。前世の彼も男前。前世では手が早かったらしく、子供って、いつの間に!

Happy ED
安綱さんの協力により、諸々の封印や浄化に成功。
都会に戻った主人公とは遠距離恋愛かと思いきや、主人公を追いかけてきて同じ学校に1年通うそうですよ。
見張り(愁ちゃん)付だけど、幸せそうでよかった。卒業したら伊那佐郷で祝言ですかね。

BAD ED
封印に失敗、主人公死亡、薙羽哉も後追い自殺。何たる悲劇。

 

祇王

主人公の相棒の妖です。十代前半の少年の姿ですが、60年は生きているらしい。
非常に素直な性格の可愛い妖。声も優し〜い感じでぴったりですね。
いい子なんですが、あまり興味をもてなかった。私は少年にはあまり惹かれないらしい。
昔、人間にひどい目に合わされていたせいで、実は人が怖いし嫌いだと分かって、ちょっとショック。
郷ではあんなに皆と仲良くしているようだったのに。
自分を救ってくれた主人公だけは別格らしいですが、実際に助けたのは東雲さんのような。いや、彼にも懐いているからいいですが。

Happy ED
主人公の通っている学校で先生をやるそうです。仲良し。
ラブラブだそうですが、妖の彼は成長が遅いですし、寿命的に本当に幸せになれるのだろうかなぁと思ってしまう慎重な私。

BAD ED
主人公の退魔師としての記憶を消して、平穏な日常を過ごすのを遠くから見守るという
ED。切ないなぁ。

 

伊織愁一郎

主人公の血の繋がらない従兄。幼稚園の頃から2年前まで一緒に過ごしたこともあり、主人公は非常に懐いている。
無口で無表情でぶっきらぼうなため誤解されそうですが、とてもいい人。
主人公をめちゃくちゃ可愛がっていて、小学校の運動会の座席取りに真剣になったエピソードでは、微笑ましい気持ちになりました。
退魔師としての腕は超一流なのですが、私生活がかなり駄目駄目なところも、また可愛らしい。
自動改札が怖いって、苺のブツブツが苦手って、なんてラブリーな29歳!
主人公のためを思って身を引いていたのに、それが彼女を悲しませていると分かって、自分の気持ちに正直になっていくあたりはよかったですよ。
何だかんだ言って無敵な人なので、戦闘場面では文句なしに格好いいです。人気投票一位も頷けるよ。

Happy ED
都会の戻って主人公と結婚、二人で暮らしているらしい。奥様は17歳ーー、萌えーーーー!!

BAD ED
封印に失敗、彼と護法童子の虚空の力で何とか食い止めたものの、二人は戻ってきませんでした。
・・・・・彼の帰りを待つ主人公は身重なんですけど。手が早いぞ、愁ちゃんーー!!萌えーー!!
愁ちゃんの周りって、そういう関係の女性多そうだよ。来るものは拒まず・・・・。やるな。

 

利光高虎

主人公と同じ高校に通う後輩。でも郷に来るまで面識なし。愁ちゃんと同じ組織に所属する退魔師。
BADルートに入ると彼がいろいろ助言をしてくれるのは、初対面のような気がしないですね。(笑)
主人公に命を助けられたため、どのルートに入っても味方になってくれるのは嬉しかったです。義理堅い。
冷静な顔でさらりと毒を吐くのですが、根は純情でいい子です。
彼と同じ顔で同じ性格の三人のお姉さんとやらが気になりますね。
壱人との因縁の対決を制した彼は格好よかったですよ。

Happy ED
都会に戻り、楽しい学園生活を送っているようです。三鬼と仲良くね。

BAD ED
壱人に刺されてしまいましたよ。ひーー。

 

カガチ

敵側の妖です。着物をミニスカート風にして足を出していて、美少女のようなので性別を勘違いしていました。男!!?
自分と同じ妖なのに、主人公と楽しく暮らしている祇王を目の敵にしていると思ったら、ただ羨ましかっただけらしい。
敵なのに自分に気さくに接する主人公に戸惑っていましたが、段々と愛情を抱くようになった・・・・・みたいなんですけど、私にはよく分からなかったです。
そんな、唐突に主人公が「あなたが好き」とか言っても、二人の間にいつの間に劇的な変化があったのか、不思議な。
主人公がもともと年下の少年が好みだったとか、もっと夏休みの数日ではなく長いこと過ごしたとか納得なんですけど。
しかし、カガチを連れた主人公が東雲宅に宿泊し、高虎の策略でニセ情報を信じた愁ちゃんの取り乱しようは楽しかった。
薙羽哉、三時間も愁ちゃんに付き合ってくれたのね。いい人。
あと、カガチのお兄さん役になっている祇王が可愛くて、以外に素直なカガチが高虎に騙され捲くっているところが面白かったです。

Happy ED
都会に戻った主人公と、薙羽哉の世話で郷で過ごすカガチの遠距離恋愛。卒業したら郷で一緒に住むらしいです。
桜の花びらの中で寝転がっている絵が綺麗だった。
やっぱり、寿命の違いが気になるなぁ。

BAD ED
仲良くなったのに、まだ敵と勘違いした愁ちゃんがカガチに斬りつけ、それをかばった主人公が死んでしまいました。
愁ちゃん、落ち込んだろうなぁ・・・・。

 

壱人

やっぱり敵側。しかも、死体に乗り移っているという怖い人。高虎の因縁の相手ですよ。
カガチ以上に、主人公と彼との恋愛が分からなかった。
一体、いつの間に(以下、省略)

Happy ED
あんまりハッピーじゃないけど、退魔師として動く主人公とコンビを組んで仕事をしているらしい。
高虎に悪くて・・・なぁ。

BAD ED
壱人に殺される
EDは結構あった気がする。

 

東雲

常に着物で眼鏡の変態さんです。主人公が郷へと向かうきっかけとなる依頼をした人。
言動がおかしい。全く年を取らないあたり、やはり普通の人間ではなかった。
普段おちゃらけた態度で人を翻弄していますが、シリアスモードのときは別人のようになる。
主に愁ちゃんが彼にいじられています。そのため、主人公が東雲さんとラブラブになると愁ちゃんの悲嘆振りが凄まじい。
東雲さん嫌いじゃないけれど、スチルがイマイチだった。立ち絵は綺麗なのになぁ。
いや、だって、目がハートマークっていまどき笑うしかないでしょう。(笑)
いつもにこにこしていただけに、主人公に冷たい言動をしたときは流石にショックでした。
しかし、それでもめげずに主人公がアタックを繰り返し、東雲さんの子供を生むと宣言したときの、彼の動揺ぶりが最高に面白かったです。
それ以降はラブラブ、ラブラブ。人目もはばからずイチャイチャです。いいなぁ。

Happy ED
愁ちゃんに「娘さんをください!」ってやつをやるらしい。洋装の東雲さんも見たかったな。
東雲さんには
Happy EDが二つありましたが、そっちは敵だったアヤが二人の子供として転生していました。東雲さんメロメロ。
しかしやっぱり寿命の違いなぁ。自分がおばあさんになっても、相手が若いままってのは、辛いですよ。今はいいけどさ。

BAD ED
帰ってくると約束した東雲さんは戻ってこなかった。

 

あとは、三鬼と仲良しだったり、鬼に殺されたり、主人公が発狂したり、いろんなEDがありました。ED数多いなぁ。
攻略対象ではないですが、八重垣で家事を任されている安綱さんが格好よかったですね。だって、声がハマケンさんーー!
安綱さんとの
EDはありましたが、幸せじゃない・・・。
まあ、この人強いから一緒に戦ったらもっと早く事件は解決していたように思いますよ。最終兵器安綱。

皆仲良しなので、わいわいやっているのが一番楽しかったです。
予想以上に面白かった。澪さん有難う。二作目も買ってあるので、早々にプレイしたいと思います。
初回特典についていた用語解説の冊子も必見ですよ。

 

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