『D.C. Girl's Symphony』感想

 

絵柄が可愛かったので購入したけれど、そのまま積ゲーとなっていました・・・。いや、PCゲームってインストールが面倒で。(^_^;)
この度PSPに移植ということで、それが発売される前にやってみました。
元々が男性向けゲームを作られているメーカーさんとのことですが、攻略キャラの男共がそれぞれ自分勝手な行動をとることが多いように思うのはその影響なのか??
心優しい主人公だから許してくれるが、私なら怒り出して金輪際付き合わないよ、というキャラが殆どなんだが。うーん。
しかし主人公の行動を見守って男の子達と親しくしていくと、段々とそのキャラが可愛く見えてくるから不思議だ。
主人公は名前が固定だし(古城史桜)、ロリ外見のドジっ子という個性的なキャラなので、主人公=自分と思ってプレイする人には向いていないですね。
個人的には固定だと相手が名前を呼んでくれるのが嬉しいです。
お話は短かった。初回プレイはそれなりの時間がかかった気がしますが、二人目攻略からはそれぞれ1時間ずつくらいで終了。
もっとラブラブしていてもよかったかなぁ。
舞台は一年中桜が咲いているというなんともハッピーな島です。でも、四季はちゃんとあるのですよ。蝉が鳴く中や雪の中で咲く桜。シュールだ。
学校で担任をやっている義兄と二人住まいの主人公(両親は海外にいるらしい)と、島に越してきた個性的な美形4兄弟とのピュアな青春ラブストーリーです。
なんだかこれだけで「ありえない・・・」ですよね。(笑)
出会いがしらにケンカした相手が次の日学園に転入してきたり、実は子供の頃に二人は会ったことがあったり、バスケで点を取れたら告白の約束をしたり、彼が不治の病だったり、血の繋がらない兄妹の恋愛だったり、もうベタ!!ベッタベタ!!!
あるわけないだろー!突っ込みながらプレイしていたら意外と楽しかったです。
スチル綺麗だし、男の子格好いいし、声の演技もよかったんですもの。
キャラデザの人は普段美少女系で活動されているそうですが、男の子の方が魅力的に見える・・・。と思ったら、やっぱりBLのお仕事もされていたらしい。しかし女の子はあんまり可愛いと思えないのが不思議だ。男うけはしそうだが。
いや、なんか、ロリは嫌いじゃないが、主人公が幼すぎてもっと普通の女子高生が見てみたかったから。獣のような八重歯は最後まで慣れなかった。
桜のせいで不思議な現象が起こるという設定は、学園ラブストーリーには別にいらないんじゃないかなぁと思ったんですが、それぞれの話にしっかりと絡んでくるんですね。

 

四之宮稜平

四之宮家の四男。両親が事故で亡くなり兄弟だけで暮らしているらしく、家事全般は彼が引き受けているらしい。
末っ子の苦労・・・私も分かるよ。私も幼い頃は地道に姉や兄のパシリとして活動したものだ。
手先が器用で何でもこなし、頼むと主人公に豪華なお弁当も作ってくれる。子供好きというのもポイント高し。
さらにイケメンでスポーツ万能で成績優秀って・・・・、超完璧じゃないですか!それが何かと主人公を気にかけていて、実は初恋の相手が主人公でずっと忘れずにいたとか、ありえーーん!!
いやいやいや、いいんですよ、ゲームだから。ええ。(深呼吸)

当然女子にモテモテなんですが、本人は愛想がない。女子を睨みつけて邪魔だとはっきり言い放ちます。それでも追っかけがいるんだから、イケメンは得だなぁ。
まあ、イケメンにはなったことないが、分かるような気もしますよ。外見目当ての女子に年中集団で囲まれたら、おそらくうざいですよね。
その点、双子の兄の航平くんは稜平と同じく優等生なんですが、いつもにこにこしていて凄いです。
しかし航平くんは誰にでも優しいけれど、稜平は主人公限定でさりげなく優しいってのがまた嬉しい要素です。
主人公が困っていると必ず駆けつけてくれるんですよー。どこの王子様!惚れる!!
ああ、これには理由があって、桜の魔法(?)で主人公が困っていると彼にその心の声が伝わってしまうからなんですが。
興奮して気持ちが高ぶると心の声が周囲に伝わってしまう体質は、昔稜平に「好き」という気持ちを伝えられなかったことが原因らしいです。
ということは、稜平限定で遠くにいても主人公の心が伝わるのは、やっぱり昔彼女の気持ちが分からずに苦労したせいなんだろうか。

4兄弟のやりとりが面白かったですが、海の場面ではスチルが欲しかったよな。(主人公の水着、どんなのだ)
というか、短いよ。もっと海で遭難(ボートが流されて無人島にたどり着く)等のハプニングが欲しかったです。
稜平がモテモテなために、女子生徒のいじめがかなりきつかった・・・。人気者の彼をもつと辛いのね。
ちょっとした行き違いから稜平と喧嘩別れになりましたが、最後はハッピーエンドでよかったですよ。
稜平は主人公を凄く凄く大事にしそうですよね。主人公も稜平にどんどん素直な気持ちを伝えていたので、関心しました。照れる稜平はとても可愛いと思います。
名前ではなく「おい」や「お前」と呼ばれていた期間長いですね。本当に熟年夫婦かって。

 

四之宮航平

稜平と同じ顔で同じように成績優秀で、性格や趣味、趣向は正反対の航平くん。
私ならば人当たりのいい航平くんを選びますが、どうやら女子の間では稜平の方が人気のようです。はて?
本人も多少なりともコンプレックスがあったようで、遊園地デートのときに稜平のことを喋り捲り、疑問に思った主人公に「今まで女子は稜平のことを聞きたがったから」という返答に、ちょいと切なくなったり。
落ち込んでいる主人公のために(甘いものが苦手なのに)ケーキ食べに連れて行ってくれたり、この気遣いはどう考えても航平だって女子にモテモテだと思うんですけど。
しかし甘いマスクの航平が実は激辛料理が好きだったり(甘いものが好きなのは稜平)詩集やラブロマンスを読みそうな雰囲気で時代小説が好きだったり、このギャップがいい。(私と話が合いそうだな)

最初から主人公に「可愛い」だの「好き(名前が)」だの浮ついたことを言っていた航平くんですが、初デートがよほど楽しかったらしく、主人公を追い掛け回すようになります。
何だかほのぼのカップルでお似合いだよなぁ。
と思っているのは周囲だけで、主人公は航平くんには他に好きな女の子がいると勘違いして、距離をとるようになります。ああ、すれ違い!
乙女ゲームでにぶい主人公というのは定番ですが、やはりじれったいですね。
そして、球技が苦手なのに、バスケの試合で得点できたら告白するということで、頑張る航平くん。嫌々ながらちゃんと練習に付き合ってくれる稜平がいい感じです。
結局試合は負けちゃうし、シュートもはずしてしまうんですが(このへんだけ妙にリアリティーあるな)結局告白して両思いですよ。よかったな。

しかし航平くんが稜平と主人公の昔の関係に気づいたり、稜平は主人公を好きなんじゃないかと思い始めたあたりから、雲行きが怪しく・・・・。
祭りの縁日で、慣れない下駄を履いて足を痛めた主人公に真っ先に気づく稜平。さすがだ・・・・。主人公が隠していたせいもあるが、気づかなかった航平くんはショックです。
さらに主人公の誕生日、彼女が欲しかった髪飾りを贈ったのは航平くんではなく稜平でした。たまたま持っていたからやるって、本当に稜平はシャイだな。
もしや兄弟で同じ物をプレゼントしたのかと思っていたら、こうきたかー。なかなか盛り上げてくれるよ。こっちの方が確かにショックだ。
そして段々と壊れていく航平くん。それまで好きだったものに興味を失ったり、苦手なものが好きになったり、女子に怒鳴り散らしたり。主人公じゃないが、別人のようで怖いんですけど。
何が起きたのかよくわからなかったが、これも桜の魔力だったのかー。遠まわしに本人の望みをかなえようとする桜の魔法、結構不便だな。
稜平の存在を羨ましく思っていたため、段々と性格が稜平化していたようです。しかし稜平より意地悪ですよ。(涙)主人公の嫌がることをしようとするんだから。

航平くんも混乱して逃げ出してしまうのですが、主人公が好きなのは稜平ではなく航平くんの方だと伝えたり、昔航平くんが飛ばした紙ヒコーキを大事に取っていたり、体質(伝わってしまう)のせいで航平くんに触れなかったことを告白し、航平くんも元に戻ってくれました。
というより、お互い気を遣う性質の為あまり本音を出し合えなかった関係が、よりいい方に転がったというか。
なんか、最後の桜の根元で座り込み、航平くんが泣きながら弱音を吐くあたりにちょっとじーんときましたよ。どうか、お幸せに。
自分も主人公を好きだったのに、主人公の気持ちが航平くんに向いていと知って、二人を応援する稜平はやっぱり格好よかったです。

 

四之宮蒼

四之宮家の次男。ロン毛のナンパ男で全体的にだらしなくて性格もすこぶるいい加減。顔だけは超絶美形。
私が最も苦手とするタイプの軽薄男です。いやぁぁーー!!
主人公はピュアな子なもので、蒼先輩の嘘にいちいち騙されます。それが可笑しくて、蒼先輩も主人公を見つけてはからかっている。
しかしついていい嘘とそうでない嘘とあるでしょうよ。
目の前で別の女子とイチャイチャされて、主人公のことを「知らない子ー」って無視して行っちゃうあたりで、私ならぶち切れるんですが。
そのすぐ後に、イチゴ牛乳おごらされ、笑顔で去っていく蒼先輩。なんだこれ、ストレスたまるぞ。
人のいい主人公はこの世のものとは思えない手料理を食べさせられても「楽しかった」なんて言うし(蒼先輩も呆れ顔)ふいうちキスをされても許しちゃうし、そろそろ忍耐の限界が!

なんだか適当な感じに「好きだから付き合っちゃおうー」と言われて交際を始めるんですが、いきなり奴はドタキャンですよ。健気に待つ主人公。
二回目の待ち合わせもすっぽかされ、さらにその帰り道で美女と楽しそうに歩く奴を発見。浮気を疑いながらも健気に奴を許す主人公。
苦しい・・・・。死にそうだ。
夏祭りの日にようやく遅れずにやってきましたが、最初のデートで別れ話を切り出されました。
なめとんのか。
怒髪天を衝く勢いなんですが、そこで蒼先輩の病が発覚です。ずるいなぁ。
まあ、明日をも知れぬ身の上ならば、全てやけっぱちになったり、元気な主人公をいじめたくなったりするもんなのか。
待ち合わせのときは毎回ちゃんと行こうとしていたけれど、体調崩して駄目だったとか、仲のよさそうな美女は世話になってる女医さんだったとこか、事情は分かったがそれらをちゃんと話して欲しかったよ。
あんな面白おかしく話してごまかしたりしないで。こっちはその度に腸煮えくり返っているんですから。ストレスたまる。

いつもへらへら軽薄な笑みを浮かべていた蒼先輩が、怒声と共に本音をさらけ出すあたりは、さすがにぐっときました。
自分が兄弟の負担になっていると分かっていて、苦しんできたんだな。兄弟が引っ越してきたのも、蒼先輩の静養のためだったらしい。
最後、手術に成功した蒼先輩が島に戻ってきたあたりはまたベタな展開なんですが、ハッピーエンドでよかったですね。
ああ、蒼先輩と主人公が付き合っていることを知って、後で彼女が泣くんじゃないかと心配する稜平はやっぱり格好いいのだった。

 

四之宮渓

4兄弟の長男。私好みの黒髪眼鏡です。大学を休学して島に来ているらしいが、普段何をしているんでしょうね。
というより、兄弟の生活費ってどこから出てるんだ??蒼先輩の治療費とかね。親の遺産があったとしても、一般家庭でそこまで資産があるとは思えないけれど。
よほど金持ちの親戚がいるんだろか。
テストで24点を取った主人公の家庭教師としてやってくるんですが、超高飛車です。顔を見てすぐに怒鳴られましたよ。おおお。(涙)
いや、百歩譲って年下相手にえらそうな態度をとるのを許すとして、年長者である孝明(しかも弟達が世話になっている担任)に対してああした高圧的な口調なのは礼儀としてどうしたものか。常識的考えてマズイのでは。
確かに顔も頭もいいのだが、人間関係が破綻しそうだ。

案の定、渓さんの生徒になったことを告げると稜平&航平くんに同情れましたよ。はは・・・・。そんな渓さんを「優しい人」って言える主人公は凄いな。
なんだか知らないけど彼はホラー映画が好きらしく、無理やり家に連れて行かれたあげく、一緒に見ることを強要されました。最悪な!私もホラー苦手ですよ。
主人公、散々ですが「楽しかった」って言えるあたりが肝が据わっています。少し反省していた渓さんもびっくりです。
あの性格ならば当然だが、自分を嫌うことなく近づいてくる主人公に、渓さんも段々と気持ちが動いていったようです。
主人公も根はいい人っぽい渓さんを好きになります。が、渓さんにとって主人公はまだまだ子供で恋愛対象ではないらしい。
そうだよなぁ、あのロリ顔&体型ではなぁ。
遊園地でダブルデートしたり、取り持ってくれる航平くん&友達のおーちゃんが有難い。
テストで80点以上取ったらご褒美をくれるというので、俄然張り切る主人公。
願いは叶いましたが、主人公が望んだことは、家庭教師を続けてくれることだったり、演劇部の手伝いだったり、些細だなぁ。
思いを自覚した主人公は渓さんに告白して島から去るまでの期間限定で付き合うことになりました。何気に主人公積極的です。
凄いよ、あの渓さんをカラオケに誘ったり(さらにデュエット!)花見に行ったり(手作り弁当付き)、主人公頑張ってる!!!応援したくなるよ。
でもなぁ、渓さんはどうしても「子供の遊びに付き合っている」感が抜けないんですよね・・・。辛い。

主人公が不注意で事故にあってから急展開です。
自分が呼び止めたせいだと思った渓さんば、主人公に別れを告げました。理由は「飽きたから」って。
しつこく追いすがる主人公のガッツに涙ですね。二人で撮った思い出の写真を渓さんがずっと持っていたことを知り、渓さんの本当の気持ちを察した主人公。
主人公のことだけでなく、渓さんは両親の事故死についても責任を感じていたらしい。それは全部誤解だと分かるんですが、ずっと苦しかったんだろうなぁ・・・・。
何だか本当に主人公頑張ったと思うストーリーだった。
孝明兄ちゃんと渓さんとの兄対決も見どころか。
そういえば海とか夏祭りとか、渓さん興味なさそうなのにちゃんと4兄弟で行動しているあたりが微笑ましいというか。
あと、主人公とのデートは顔に出ていないだけで本人は楽しんでいたらしい。分かりにくいよ!!
主人公のテストの日に朝待ち伏せて様子を見に来たり、何気に可愛い渓さんでした。
島の大学に編入するそうなので、どうか末永くお幸せに。

 

古城孝明

主人公の血の繋がらない兄です。高校教師やっています。過保護で主人公のことをひたすら大切にしています。
主人公の家庭教師が男だと知り、家のいたるところにカメラを設置するのはやりすぎだと思うが・・・・。声が平川さんだとしても、うざいー。
なんだかもう、孝明ルート&龍之介ルートは思い出したくない感じなんですが・・・。一応レビューを。
好き好き言っていたらいつの間にか両思いになりますが、親友のおーちゃんも孝明兄のことが好きだったようで、主人公VS親友のドロドロした女の戦いに突入です。きっつーー。
なんだかこのルート、主人公の性格が厳しい。孝明兄に「私のこと好きでしょう」と言ったり、おーちゃんを応援するふりをしつつ心で失敗するよう祈っていたり。怖い。青春ラブコメじゃない。
まあ、そのうちおーちゃんに二人の関係を学校でばらされて、大騒ぎになります。当然の成り行きでしょう。家の中ならともかく、祭り会場でチューとかしてるんだから。
主人公もだが、孝明兄、自重ーーー!!
孝明兄は昔から主人公のこと好きだったらしい。そのため大学は家を出て一人暮らしをしていたとか・・・・。
その頃、主人公は小学生か中学生だよな・・・・。孝明兄ーーー!!よく考えると怖い兄妹なのだった。本当に男性向けゲームののりだ。
そっちだったら、孝明兄が酔っ払って主人公を押し倒したあたりで一線をこえていたことだろう。

個人的に兄妹は大好物で、大好きな平川声なのに、あまり萌えられなかった。うーん。主人公の性格や、おーちゃんとの確執が嫌だったのかな。
最後はなんだかおーちゃんが「二人にはかなわないよ」とかなんとか言って、演劇部で擬似結婚式をして終わりなのでした。わけわからん。
学校の噂、どうなったんだろうな。やましいことがあるのは本当だし、周りの見る目ってそう簡単に消えないと思うんだが。
しかしおーちゃんの変貌ぶりは恐ろしかった。今までずっと親友の恋を応援するポジションだっただけに。可愛さ余って憎さ百倍というやつか。

このルートで唯一良かった点といえば、稜平でしょう!!!
元気のない主人公を心配してくれたり、クラスで孤立する主人公をかばってくれたり。うおーー、好きだーーー!
どのルートに行っても、稜平は主人公の味方なんだな。(涙)
そういえば、稜平、航平くんに頼まれてコンビニにスナック菓子を買いに行っていた。航平くんまで稜平をパシリにしていたのか!あんなに優しい顔で。

 

龍之介

お馬鹿な年下可愛い系の攻略キャラには興味が無い。終了。
いや、鶴の恩返し的な話だったんですが、どうやってもハッピーエンドになりそうにないからなぁ。
PSP版では成長した龍之介が見られるって話ですが、ED間近でその彼が主人公の前に現れるってラストなんでしょうか。
戸籍はどうするんだ、生活費は、とか夢の無い想像しかできない自分は駄目ですね。
今回もやはり、主人公と龍之介を心配する稜平の優しさが光ったルートでした。どこまでいい奴なんだ、稜平ーーー!!一番人気というのも納得ですよ。

 

好きなキャラの順位は、稜平>>>航平、渓>>>>>>>蒼(以下、判定外)って感じか。

突っ込みどころは満載でしたが、キャラクターは魅力的で面白かったです。
もう少しお話が長ければ評価も高めでしたけれど。

 

戻る