(おまけSSシリーズ1) 『呪いのジャケット・・・』

クシャミをしたサクラに、カカシは心配げに歩み寄る。
「風邪?」
「んー、そうじゃないけど。ちょっと肌寒いかも・・・」
「それは大変だ。ささ、これでも羽織って」
カカシはどこからか取り出したジャケットをサクラの肩に掛ける。
あまりにタイミングの良いカカシに、サクラは目を丸くした。

「どーしたの、これ」
「マジシャンはいつでも種を隠し持っているものなんだ」
「・・・・へぇ」
いつから奇術師になったのかと思いつつ、サクラは有り難くそのジャケットに袖を通した。
サイズは彼女にぴったりで、デザインもサクラ好みだ。

暫くしてやってきたナルトは、サクラとその背後に立つカカシをじっと凝視している。
「・・・・仲がいいんだね」
「え?」
ナルトの呟きに怪訝な表情になったサクラは、後ろを振り返るなりその意味を察した。
サクラと同じデザインのジャケットを着たカカシが笑顔でナルトに手を振っている。
「ち、違う、誤解よ!」
「違うって、そんなペアルックで言われても・・・・」
とっさにジャケットに手を掛けたサクラだが、何故かそれはびくともしない。
「な、何でーー!!?」
「ふふふ。これねー、俺が脱がないとサクラのも脱げないようになってるの」

あとがき??
ノースリーブだったり厚着だったり、7班を見ていると木ノ葉の季節が全く分からない。

 

(おまけSSシリーズ2) 『サクラの貞操』

任務で訪れた菜の国。
宿泊先の部屋割りで、7班は大いに揉めた。
予算の関係から、宛われたのは一人分の布団を敷くのもやっとの窮屈な部屋が二つだけだ。
「女子の私が部屋を一つ使うに決まってるでしょ!」
「それは男女差別だってばよ。ここは公平にくじ引きで組み合わせを決めよう」
「・・・こんな粗末な場所では寝られない」
好き勝手なことを主張する下忍達を、カカシは「まぁまぁ」と制する。
「ここは上忍の俺が決めるということで。サクラは俺と同室ねv朝までたっぷりじっくり可愛がってあげる」
「いやーーー!!!」
絶叫したサクラは肩に置かれたカカシの手を振り払う。

「何よ、サクラってばそんなに俺が嫌なの?」
「そういう問題じゃないわよ!私、初めてはサスケくんとって決めてるんだから!!」
「別に二人目でもいいよ」
問題発言と共に、カカシはナルトの口を塞いでその体を抱え上げる。
背中には、いつの間にか自分とナルトの分の荷物を背負っていた。
「明日は俺の番だから覚悟しておいてね。じゃ」
ウィンクを一つしたカカシはぴしゃりと襖を閉じる。
夜具を一つ残された部屋にはサスケとサクラの二人が取り残され、気まずい沈黙と闇だけが広がっていた。

あとがき??
何だか続きそうだけれど、続かない。(笑)『仲良し7班』シリーズ?カカサクだかサスサクだか分かりゃしないね。
(追記)これ、続き書いたのですよね。しかも長々と続いてサクラがとんでもないことに・・・。「浦の部屋」にあります。

 

(おまけSSシリーズ3) 『未来のアルバム』

サクラは苦々しい気持ちでその写真を見つめていた。
カカシと、その恋人だった女。
過去のこととはいえ、こうした事実を目の当たりにすると、どうしようもなく悲しくなる。

「カカシ先生の馬鹿―」
「えー?」
サクラ用のマグカップを片手にリビングにやってきたカカシは、不思議そうに首を傾げた。
「サクラってば、また勝手に人のアルバム見て・・・」
「カカシ先生の浮気者!他の女と仲良く写真なんて撮っちゃって!!」
「浮気者って・・・・これ、7年も前の写真だよ。このときサクラとまだ出会ってなかったし」
「探してよ!愛の力で」
「そんなむちゃくちゃな。それに、7年前ってサクラ5歳じゃないの。そんな小さい子を愛する趣味はないよ」
カカシの言葉に、サクラは大きな衝撃を受ける。

「私のことを愛せないって言ったーー!!」
「あーもーー」
泣き崩れるサクラを前にしてカカシは頭を抱える。
「今はサクラのことを一番に愛してるよ」
「・・・・」
「昔はどうでもいいよ。これからはサクラとのアルバムがずっと並んでいくんだから」
ゆっくりと顔をあげたサクラの頬をカカシはハンドタオルで拭った。
ついでに鼻水までかんだサクラに、カカシは相好を崩す。
「カメラを持ってピクニックに行こうか」

あとがき??
元ネタは『パタリロ』だったり・・・。私の
SSにしては甘い部類です。ラブラブは苦手。

 

(おまけSSシリーズ4) 『お見舞い』

確かに、このところ難しい任務が続いていた。
だが、その日サクラが寝込んだのは、前日に購入したゾンビゲームのせいだ。
一睡もすることなく画面に向かっていたサクラは、翌日仕事に行けるような体調ではなくなっていた。

「うーー、気持ち悪いー・・・」
「一晩中ゲームしてたんだから、当然よ」
「私って真面目だから、やり始めるとクリアするまでコントローラー手放せないのよ」
「変なの」
TVとゲーム機の電源を抜いた母親は、ベッドで寝転がるサクラを呆れ顔で見つめる。
「先生には風邪で休むって連絡しておいたからね」
「うーん、有難うー・・・・」

サクラの部屋から出ていった母親は、数分もしないで舞い戻ってくる。
「サクラ、サスケくんよ」
「・・・・・・何言ってるの。こんなところに来るはずが」
ベッドから這いだして戸口を見たサクラは、そのまま体を硬直させた。
確かに、母親の隣りにサスケが立っている。
「嘘!!」
パジャマ姿が、髪の手入れが、やつれ顔が、散らかり放題の部屋が、等々いろいろな思いがサクラの頭の中でぐるぐると回る。
無表情な彼の横顔から、その考えを推し量ることは出来なかった。

 

「ナルトの馬鹿!!気持ちは嬉しかったけど、ちゃんと事前に電話で連絡しておいてよね。何の準備もできなかったわ」
サスケが家を出た直後、サクラの具合を窺いにやってきたナルトに彼女は思い切り怒りをぶつけた。
「何の話?」
「カカシ先生とナルトがサスケくんに言ったんでしょ、私の見舞いに行くように。私を喜ばそうと思ったのかもしれないけど、そんなのは」
「俺達、何も言ってないけど」
ナルトはきょとんとした顔で口を挟む。
怪訝な表情になったサクラだが、ナルトは嘘を付いているようには見えない。
「・・・・じゃあ、彼は自主的に私を心配してここに」
「サクラちゃん!」
眩暈を起こしたサクラの体を、ナルトが慌てて支える。
喜びのあまり、普段通りの姿を見られてしまった衝撃を忘れそうになるサクラだった。

あとがき??
サクラがいないので7班の活動は休みでした。私なら病でやつれた姿を見せたくないなぁ。

 

(おまけSSシリーズ5) 『赤ちゃんと僕』

暗部に所属する少年に、本来ならばDランクの任務が舞い込むはずがない。
だけれど、現在、彼は脚を負傷して自由に動き回れない身の上。
自宅でも出来る簡単な仕事、ということで連れてこられたのが彼女だった。

「ベビーシッターだってさー。赤子なんて触ったの何年ぶりかね」
少年カカシはクッションの上に座る赤ん坊を指で突く。
淡い桃色の髪をした赤ん坊は、きょろりとした目でカカシを見つめている。
「確かに暇だから何か内職させろって言ったけどさ、赤子なんて連れてこなくてもいいのに」
調子にのって柔らかな頬を突いていたカカシは、段々と彼女の瞳に涙が滲んでいることに気づく。
まずいと思ったときには、赤ん坊は火がついたように泣き始めていた。
「ごめんごめん。お兄ちゃんが悪かったから、泣きやんでねー」
赤ん坊を抱えたカカシがやけくそ気味に猫なで声を出すと、彼女の音量は徐々に小さくなる。
しゃくりをあげる赤ん坊の背中を、カカシはホッとした気持ちで撫でさすった。

「よしよし。もう泣くなよ」
なだめながら赤ん坊の唇を吸うと、思いがけず、彼女は明るい笑い声を立てる。
「ん?」
試しにもう一度口づけると赤ん坊は同じように笑った。
泣いているときは爆弾を預けられたような気になったカカシだが、笑うとそれなりに愛らしく見えてくる。
桃色の髪に緑の瞳の組み合わせも、なかなか麗容だ。
「この子の将来は、女ジゴロかもしれないなぁ・・・」
とんでもないことを言われていると知らず、カカシに高く抱え上げられた赤ん坊は「キャッキャッ」と楽しげな声をあげていた。

あとがき??
・・・・・続く?( ̄□ ̄;)カカサクだって言わなきゃ分からないっての。ロリ好きとはいえ赤子相手じゃヤバイっての。

 

(おまけSSシリーズ6) 『あまえんぼう』

「ギャーーーー!!」
後ろから急に抱きすくめられたサクラは甲高い悲鳴を上げた。
相手は誰だか分かっている。
だからといって、突然のことに驚くなという方が無理だ。
「な、な、な、何よ!」
「んーー、何だかこう、小動物をぎゅーっとしたくなって」
「・・・・」
暴れるサクラに構わず、彼女の担任は頬ずりをしている。

「サクラがいやならあっちに行こうかな。似た背丈のがあと二匹いるしー・・・」
「い、いやじゃないわよ」
カカシがナルト達の方へ視線を向けたことに気づくと、サクラは思わず彼の腕を押さえていた。
「そうなの?」
離れ掛けたカカシの手は、再びサクラを大事そうに抱え込む。
おそらく子供がぬいぐるみを抱きしめるのと同じような心境なのだろう。
背中から伝わる温もりに、サクラは複雑な気持ちで顔を上げる。

「先生、前にナルトが抱きついたとき、離れろって言ってなかった?」
「人にくっつくのが好きなの。くっつかれるのは嫌いなの」
「何、それ」
カカシの返答を聞いたサクラは、訳が分からないというように眉を寄せる。
「ちなみに、今、くっつきたいなぁと思うのはサクラだけ」
「・・・・さっき、ナルト達の方に行こうとしたじゃない」
「サクラに引き留めて欲しかったから」

あとがき??
・・・カカシ先生と私がシンクロしてるってばよ。いつものことか。

 

(おまけSSシリーズ7) 『赤ちゃんと僕 2』

「・・・・増えてるし」
両脇に赤子を抱えた少年カカシは、がっくりと膝を突く。
怪我の治療中に、安易な気持ちから始めたベビーシッターのアルバイト。
今日はすっかりカカシに懐いた春野サクラ嬢の他に、もう一人、金髪の赤子の世話を頼まれた。
何か訳ありの赤子らしく、施設をたらい回しにされているようだ。
だからといって、カカシとしてはこれ以上負担が増えるのは避けたい事態だった。

「あら、戻ってきたの」
松葉杖をついたカカシがその赤子を託児所へと戻しに行くと、職員の女性は迷惑そうに顔をしかめた。
「じゃあ、あそこの部屋に寝かせておいてください」
促されるままに廊下を進み、扉を開いたカカシはその部屋の室温に仰天した。
「あ、あの部屋、冷蔵庫みたいに冷えてるんですけど!!」
「子供が布団から出てこなくなるから丁度良いのよ。うるさく騒がないし」
「・・・・」
職員のあっさりした返答に、カカシはさらに驚かされた。
この寒さでは、赤子は凍えてしまって泣きたくても泣けないのだろう。

「・・・・この子の服、随分汚れていますけど」
「一着しかないのよ」
「ミルクをあげたら物凄い勢いで飲んでいましたよ」
「粉ミルクの値段が最近あがって大変なの」
何でもないことのように笑って言う職員に、カカシは開いた口がふさがらない。
託児所では他の赤子も大勢預かっていたが、その子達は皆明るい部屋でのびのびとしている。
カカシが背中に負ぶさっている金髪の赤子は、これ以上ないほど過酷な状況で生活していたようだ。
小さな赤子が今まで無事生きてきたことさえ不思議に思えた。

カカシが暫くの間面倒を見ることを決めた二人目の赤子は、ナルトという名前だった。

あとがき??
順番からして、次はサスケくんですかね。(^_^;)ナルチョ、ごめん。
モデルは『カルバニア物語』のフランでした。

 

(おまけSSシリーズ8) 『弓張月』

「おでかけーー?」
窓枠に足をかけるなり、下から聞こえてきた声にサクラはぎょっとして振り返る。
時刻は午前1時。
二階の窓からロープをたらし、両親に内緒でいのの家に向かおうとした矢先だった。
「こんばんは」
「・・・こんばんは」
「バルコニーはないけど、こうして2階と1階で話していると、ロミオとジュリエットみたいじゃない?」
「・・・はぁ」
にこやかな表情でサクラを見上げているのは、彼女の担任のカカシだ。
夜中に家を抜け出すところを目撃された、ということより、何故ここに彼がいるのかという疑問の方が大きい。
「そんなところにいないで、降りてきたら。どっか行くんでしょ」
「・・・・」

言われるままにロープを伝って降りていくと、カカシはサクラににっこりと笑いかける。
「不良だねぇ」
「き、近所の友達のところに話しに行くだけです。すぐ帰るつもりで・・・」
「その鞄は何?」
カカシはサクラが先に下に放り投げて置いた旅行用鞄へと目を遣る。
黙り込んだサクラに、カカシはくすくすと笑い声をもらした。
「別にどこに行こうと構わないよ。ただ、みんなはどうしてるかと思って見回りをしていただけだから」
「見回り?」
「うん。ナルトとサスケはもう寝てた。サクラは夜更かしする方なんだね」

カカシはもともと捕らえ所のない性格をしている。
だが、今夜のカカシは明らかに変だった。
近くの街頭の灯りを頼りに目を凝らしたサクラは、カカシの頬についている僅かな血糊に気づく。
「先生、血が出てるわよ!ここ!!」
「平気。俺の血じゃないから」
笑いながら言うカカシに、サクラは頬を指差したまま無言になる。
そして、ポケットに突っ込んでいたカカシの手を強引に引き出した。

「サクラ?」
「ちょっと歩きましょう。月が綺麗よ」
「いいよ。サクラは友達の家に行きたいのに・・・」
慌てて手を離そうとしたカカシだが、サクラは逆に彼の掌を強く握り締める。
「でも、先生、一人でいたくないんでしょ」
サクラは消え入りそうなほど細い弓形の月を見上げていた。
何故か口を引き結んで険しい表情をしているサクラに、カカシは泣きそうな笑顔で応える。

「サクラは優しいね」

あとがき??
思っていたのと、全然違う話に・・・・・。先生がもっと変だったんだけど。
タイトルからして、秋の話でないとまずいのですが。(汗)

 

(おまけSSシリーズ9) 『お姉ちゃんの私』

アカデミーでピカイチの成績を誇る小桜は、5歳でトルストイを読破、8歳で経済新聞を熟読する才媛ぶりだった。
日課となっている夕刊を床に敷き、目を通していた小桜はふいに感じた重みに眉を寄せる。
「おい」
舌っ足らずの声が小桜の耳元で声を出す。
まだ幼い弟が彼女の背中に寄りかかり、新聞を覗き込んでいた。
おそらく、年中サクラにくっついているカカシの真似をしているのだろう。
「おい」
再び呼ばれたが、新聞に集中したい小桜は無視を決め込んだ。
何をしても無反応な小桜に、快の瞳は見る間に潤んでいく。

やがて、声をあげて泣き始めた快に、小桜は仕方なく振り向いた。
「はいはい、分かったわよ」
小桜も母親の真似をして弟の口元にキスをすると、とたんに快は笑顔になる。
嬉しそうにしがみついてきた快を抱えて、小桜は新聞へと視線を戻した。

ソファーに座って一部始終を見ていたカカシは困惑気味に呟く。
「・・・・あれ、まずいんじゃないか」
「え、何がー?」
脳天気な様子で返事をするサクラは、仲睦まじい姉弟を笑顔で見つめていた。

あとがき??
うーん、快
×小桜ですか。快くんはママ&お姉ちゃんが大好きなのです。ほのぼの〜。
外見がそのまんまチビカカシ&チビサクラですね。元ネタははらきよ。

 

(おまけSSシリーズ10) 『春うらら』

「春だなぁ・・・」
「春だねぇ・・・」
草むらに座り込んだカカシとナルトは、うららかな春の日差しに目を細めている。
「嬉しいねぇ。よーやく女の子達が厚いコートを脱いで薄着になる季節になったよー」
「・・・先生らしいね」
カカシに冷ややかな眼差しを向けたナルトは、ぼそりと呟く。
「そうじゃなくて、春っていえば雪がとけていろいろな花が咲く季節だよ。先生、春の花で何が好き?」
「んーー、菜の花とか、チューリップとか?」
「タンポポも可愛いよね」
ナルトは足下にある黄色い花の群れを見つめて微笑む。
丁度花弁から飛び立った二匹の蝶が、ふわりふわりと目の前を横切っていった。
「お前はー?」
カカシは一人、離れた場所にいるサスケを振り返って訊ねる。

 

「サクラ」
読書中のサスケは紙面から目を離すことなく言葉を返してきた。
無言になったナルトとカカシは、思わず顔を見合わせる。
「・・・・・何か、イントネーションが違くなかった?桜だろ」
「俺達は好きな花を聞いてるんだってば」
「サクラ」
サスケが再び繰り返すと、呼ばれた本人であるサクラが買い物袋を片手に駆けてくる。

「お待たせー!みんな同じ種類のジュースにしたけど、喧嘩しなくていいでしょ」
買い出し係のサクラはカカシとナルトの缶ジュースを渡し、当然のようにサスケの隣りに座り込む。
にこにこ顔のサクラが差し出した缶をサスケは紙面に目を通しながら受け取った。
「・・・・何よ?」
ナルト達が自分を凝視していることに気づいたサクラは、怪訝な表情で訊く。
「いや・・・・的確な答えだなぁと思って」

あとがき??
ナルチョの趣味は園芸なのよ。(岸本先生談)みんな、覚えてる??(^_^)

 

(おまけSSシリーズ11) 『目で殺せ』

ふと気づくと、いつも見ていた。
最初は自分の気のせいだと思っていたが、彼は確かにサクラのいる方へ顔を向けている。
視線が合ったのは一度や二度ではない。
任務の休憩時間、草原に座り込むカカシに歩み寄ったサクラはおもむろに問い掛ける。

「何」
「んー?」
「私のこと、睨んでいたでしょ。何か失敗した?」
サクラが膝に手を当てて屈むと、カカシは何故か忍び笑いをもらしている。
「それは悪かったね。睨んでたんじゃないよ。先生、この頃視力が落ちたみたいで、どーしても目つきが厳しくなっちゃうんだ」
「そうなんだ」
カカシの返答に納得したサクラはすぐさま踵を返すが、服の裾を掴まれた。
訝しげに振り返ったサクラに、カカシはにっこりと笑いかける。

「足が痺れちゃった。引っ張ってくれる?」
「お年寄りねー」
嫌々ながら手を伸ばしたサクラだったが、片手だけでなく両腕を掴まれた。
「キャア!!」
バランスを崩したサクラを抱き留めると、カカシはなお一層楽しげに笑ってみせる。
「えへへ。ごめん、立てなかった」
「もー、ちゃんとしてよ!上忍なんだから」

 

竹筒の水筒を傾けながら、ナルトとサスケは二人の様子を眺めていた。
サクラをしっかり抱えたままのカカシは、満面の笑顔で彼女に語りかけている。
「・・・・カカシ先生の視力って、いくつだっけ」
「両目2.0」
水筒の蓋をしめたサスケは淡々と返事をする。
「何だかさー、あれだけモーションかけられていて、先生の気持ちに全然気づかないサクラちゃんもどうかと思うよ」
ため息を付いてぼやくナルトに、傍らのサスケも大きく頷いていた。

あとがき??
楽しいです。ビバ、カカサク!

 

(おまけSSシリーズ12) 『赤ちゃんと僕 3』

ベビーシッターのアルバイトを始めた少年カカシは頭を抱えていた。
最初に預かった桃色の髪の女の子は、素直に言うことを聞く良い子だ。
次に、いい里親を見付けるまでという条件で引き取った金髪の男の子も、やんちゃだが可愛げがある。
問題は、三人目の黒髪の赤子だ。

「・・・・もうこれ以上面倒見きれないぞ」
「これで最後だって。母親が病で入院しちゃって、家族が困ってるんだ。暫くの間だし、頼むよ」
仕事仲間はカカシに黒髪の赤子を押しつけると、早々に帰っていった。
腕に抱いた赤子は、泣きもしなければ笑いもしない。
いやに大人しいな赤子だというのが第一印象だった。

食事の時間、カカシは黒髪の赤子に他の子同様のミルクを与えようとした。
だが、彼は頑として受け入れない。
「あれ、もしかして、離乳食なのかな」
ためしに林檎のすった物を食べさせようとしたが、やはり駄目だ。
「何なんだよー」
困り切ったカカシは、ふと、黒髪の赤子が新聞の広告のある部分を指差していることに気づく。
「えーと、何々、キャビアにトリュフにフォアグラのフルコース・・・・・まさか、これを食べさせろって言ってるのか?」
こくりと頷いてみせた赤子に、カカシは頭の血管がぶち切れそうになる。
「何て贅沢な赤子だ!!俺だって食べたことがないのに!その性根をたたき直してやる!!」

その赤子がさる一族の御曹司だとは全く知らないカカシは、彼をサクラ達と同等の扱いをしたのは、言うまでもない。

あとがき??
まだ続く、のかなぁ・・・・。分からない。

 

(おまけSSシリーズ13) 『さびしがり』

居間のソファーでパパがうたた寝をしていた。
普通ならば、そのまま通り過ぎてしまう。
だけれど、パパは悪い夢を見ているのか、苦しげに何かを呟いていた。
あまりに辛そうだったから、私は屈んでパパの体を揺すってみる。
「パパ、大丈夫!?」
瞳を開けたパパは私の顔を凝視していたかと思うと、ゆっくり表情を変えていく。

「サクラ」
泣き出しそうな顔で笑ったパパに、強く体を抱きしめられた。
それは私が今までに聞いた中で一番に優しい声で、どうしたらいいか分からなくなる。
でも、私が何かを言う前に気づいたパパはすぐに腕の力を緩めてきた。
「・・・・サクラじゃない」
「そうよ。私は小桜よ、分かるでしょ」
寝ぼけているパパに向かって、私は必死に呼びかける。
「ああ、どうかした?」
「・・・パパがうなされていたから」
「そう」
抑揚のない声で言うと、パパは私から目を逸らした。
どこか冷たい横顔を見ながら、何となく思う。

「パパ。もし、ママがいなくなったら、どうする?」
それは突拍子もない問いかけで、訊いた私自身が驚いていた。
振り向いたパパは不思議そうに私を見つめていたけれど、少しだけ頬を緩めて言う。
「分からない?」

いつもと同じようで違う笑顔とその声音に、体が震えた。
パパが過剰なほどに私や快を可愛がるのは、ママが生んだ子供だから。
それだけの理由なのかもしれない。

 

「ママ、パパのことどう思う?」
食器棚に皿を入れるママの隣りに行った私は、パパが自室に戻ったのを確認しながら訊ねる。
「えー、何それ」
「何でもいいから。どう思う?好きとか嫌いとかじゃなくて、全体的な人柄とか」
「うーん・・・」
首を傾げて思案したママは、ぽつりと呟いた。
「究極のさびしがりや・・・・かなぁ」

あとがき??
カカシファミリーシリーズにしては、暗めの話のような。
今回のカカシ先生のモデルは、『赤ずきんチャチャ』のセラヴィー先生。あの人も寂しがり。

 

(おまけSSシリーズ14) 『惚れてます?』

いつものことだが、サスケにすげなくされたサクラはしくしくと涙を流している。
「サクラー、あんな奴やめておけって。周りにもっといい男がいるのに気づかない?」
「・・・サスケくんの顔の方が良い」
さりげなく自分を指差したカカシだが、サクラは取り付く島もない。
「先生、上忍なんだから“惚れ薬”とか持ってないの?」
「あるよ」
あっさり返事をすると、カカシは胸ポケットから小さな小瓶を取り出す。
「無味無臭、スポーツドリンクにとかせばまず分からないねー、はい」
薬入りペットボトルを渡されたサクラは目と口を大きく開けている。
あまりの用意周到さに、涙も乾いてしまった。

「ほ、本当に本物なの?」
「ためしてみれば分かるって。あ、サスケは公園の西側のベンチで休憩してるから。いってらっしゃい」
カカシに背中を押されたサクラは、何度も後ろを振り返りながらも、その方角へと向かう。
「カカシ先生―、あれ、“惚れ薬”じゃないでしょ」
「何でそう思う」
「何か企んでるときの顔をしてるから」
咎めるような眼差しで言うナルトに、カカシはにこにこと笑うだけだった。

 

口八丁手八丁、うまく薬を仕込んだスポーツドリンクを飲ませたサクラは、緊張の面持ちでサスケを見つめる。
「・・・何だよ」
「べ、別に」
自分を凝視するサクラにサスケは少し不機嫌になったが、それは長くは続かなかった。
サクラの顔を見たサスケはそのままじっとある一点を見据えている。
薬の効果が出てきたかと胸をときめかせた矢先、サクラは唐突に額を爪で弾かれた。
「お前、でこ広いなーー」
「・・・は?」
楽しそうに笑っているサスケに、サクラは開いた口が塞がらない。
サスケにデコピンをされた。
いや、それよりも、サスケが笑っている。

「カカシは?」
「あ、あと30分くらい休憩時間を取るって・・・」
「そうか」
呆気にとられるサクラの頭を撫でると、サスケはそのままごろりと横になる。
「30分したら起こせ」
自分の膝を枕にして眠り始めたサスケに、サクラは戸惑うばかりだ。
サスケが変になったのは薬のせいだと分かるが、“惚れ薬”の効果が出たとはあまり思えない。

 

「うーん、意外だったなぁ。サスケってば、わりとサクラのこと気に入ってるのかも」
カカシとナルトはこそこそと植え込みの陰から二人の動向を見守っている。
「それで、あれは何の薬だったのさ」
「“素直になる薬”。主に、捕虜の尋問に使うんだけどね」

あとがき??
元ネタはまじかるタルルートくん。な、懐かしい・・・・。
ラジオの
NARUTOで惚れ薬ネタをやっていたので、書いてみた。変なサスケは楽しいな。

 

(おまけSSシリーズ15) 『さびしがり 2』

「風邪?」
2、3度咳を繰り返したサクラに、カカシが声をかける。
キッチンで明日の朝食の仕込みをしていサクラは、驚いて振り返った。
「先生、まだ起きてたの?」
「うん。サクラは、それはいいから早く寝なさい」
「でも、まだ煮物が・・・・」
「トーストと牛乳があれば、それでいいよ」
何か言いかけたサクラを無視して、カカシはガス台の火を消して元栓を締めた。
反論を許さないその視線に、サクラはしぶしぶ引き下がる。

 

「小桜に何か言った?」
「別に、何も」
「そう」
カカシの用意した漢方薬を飲むと、サクラは水の入ったコップをサイドテーブルに置いた。
ベッドに腰掛けるサクラに、カカシは寄り添うように座っている。
「先生、今日は妙にくっつきたがるのね」
「小桜が変なことを言うから」
「変なこと?」
「・・・うたた寝をしたときに、昔の夢を見たんだ。暗部にいて、仲間達といくつ死体を作ったか数を競っていたときの」
暗い声音で語りながら、カカシは面を伏せた。
死と隣り合わせの生活の中で麻痺していた感覚が、幸せを感じる今になって甦ってくる。
血の匂いを嗅がない日のなかった幼い頃の自分は、どんな顔をしていただろうか。

「目が覚めると小桜がいて快がいて、サクラがいる。こっちが現実だと分かるのに、よけいに不安になる」
「先生は沢山苦労してきたから、少し余っちゃうくらいの幸せが丁度良いのよ」
立ち上がったサクラは、カカシの頭を抱き寄せるとその髪を優しく撫でる。
「大丈夫」
言い聞かせるように何度も耳元で囁くサクラに、カカシはようやく落ち着きを取り戻す。
柔らかな匂いと感覚が自分を支えているのだと、はっきりと分かった。

「ずっと、ここにいてくれ」
「私がいなくても、先生は一人じゃないわ。そのために小桜と快を生んだんだから」
「サクラがいないと意味がない」
縋るような眼差しで見つめてくるカカシに、サクラは困惑気味に笑った。
「ただの風邪なのにね」

あとがき??
だいぶ年下なのに、サクラはカカシ先生のママなのですよ。

 

一応、1〜15まで載せてみました。結構書いていたんですね。
web拍手にて、何番の作品がお好きかご意見を頂けると嬉しいです。

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