(おまけSSシリーズ146)『男の見栄 2』

 

「水遁の術ー」
手で水鉄砲を作ったサクラはカカシにお湯をかけて遊んでいる。
二人は恋人同士でも何でもない。
それが、こうして一緒に入浴してくつろいでいいものか、どうも悩んでしまう。
いくらサクラの挙動を観察しても、カカシにはその真意が全く掴めなかった。

「サクラ、俺のこと好きなの」
「好きよー」
「・・・・ナルトのことは」
「好きよー」
「・・・・あんみつとチョコレートパフェは」
「好き好きー」
「・・・・サスケは」
「大好きv」
最後だけ妙に力のこもった声で言われ、カカシは思わず頭を抱える。
じゃあ何でここにいるんだよ、と反論したくなるが、そうするとサクラはいなくなる。
それはおしいような気がした。

「俺のこと好きなんだよね」
「うん」
「じゃあ、チューしていい?」
湯船に浸かった状態のまま、カカシはサクラの肩を掴んで体を引き寄せる。
「・・・・ベッドじゃなくて、お風呂でするの?」
上目遣いのサクラは、可愛らしく小首を傾げてカカシを見つめた。
限界ギリギリだ。

 

「あれ、先生、お風呂あがらないの」
「・・・もうちょっといる」
「そう?」
カカシが硬直している意味も分からず、サクラは体を軽く拭いて脱衣所へと向かう。
計算してやっているのだとしたら、かなりの強者だった。

 

あとがき??
書いていて面白かったので、続けてしまいました。あれー。
サクカカも大好物なんですよ。

 

 

(おまけSSシリーズ147)『男の見栄 3』

 

「おやすみなさーい」
「・・・・おやすみ」
元気なサクラの声に、カカシはどこか憔悴した声で応える。
カカシはサクラにベッドを譲りソファーで寝るつもりだったのだが、サクラは頑なに拒んだ。
カカシと一緒に寝るのだという。
上忍のカカシにしても、全く、どこまで本気なのか分からない。

「先生の家のベッド、小さいからくっつけるねv」
「・・・そうね」
「ナルトのところも狭いのよー。あいつ寝相悪いから、いつも掛け布団をはいじゃって・・・」
「ちょっと待て」
手を伸ばしてサイドテーブルの明かりをつけたカカシは、慌てて半身を起こす。
「ナルトの家にも泊まったの」
「うん。週に3回くらい通っているかな」
「・・・・風呂も一緒に入っている、と」
「そうよ。掃除に行っていたはずなのに、私の物がどんどん増えちゃって」

 

混乱する頭を、カカシは何とか整理しようとする。
取り敢えず、脱衣所で比べられた相手はナルトだと分かった。
確かに自分とナルトでは違うだろう、などと納得している場合ではない。
二人の関係は、いや、サクラの感覚はどうなっているのか。

「サク・・・・」
振り向くと、サクラはすやすやと安らかな寝息を立てている。
それほど長い時間考え込んでいたわけではないのだが、子供には眠い時間だったようだ。
「どうすりゃいいのよ」
寝た子を起こすのも可哀相で、再び横になるとサクラが無意識に体をすり寄らせてくる。
同じシャンプーを使ったはずなのに、サクラからは何とも言えずいい匂いがしていた。
そして、僅かながら胸の膨らみがパジャマ越しに伝わり、無性に体が熱くなる。

この状態で熟睡できるとは。
ある意味、ナルトを尊敬したカカシだった。

 

あとがき??
楽しいなぁ〜。

 

 

(おまけSSシリーズ148)『男の見栄 4』

 

「お世話になりました」
翌朝、朝食を食べ終えたサクラは主な荷物をバッグに詰め込んでカカシに頭をさげた。
「え、もう帰っちゃうの」
「うん。お風呂も入ったし、大体の感じも分かったし」

何の、と聞きたかったカカシだが、口に出すのは躊躇われた。
部屋の様子、風呂の内装、または・・・・・アレ。
だとすると、自分の下半身が合格じゃなかったから、サクラは出ていくのだろうか。
標準サイズ、いや、周りの知り合いに比べれば見劣りがするとは言わせない。
自分は木ノ葉一の技師なのだから、実際に試してくれれば理解してもらえるはずだ。

 

「イルカ先生、連休中だしきっと家にいるわよねー」
「ちょっと待て!」
考えるカカシをよそに出ていこうとするサクラを、慌てて止める。
「イルカ先生のところに、行くの?」
「うん。だって、ずっと居着いたら迷惑でしょう。彼女とか家に呼べないし」
「いない、そんなのいないから。ずっと居ていいよ!」
カカシは語調を強めながら必死にサクラを説得する。
自分だったから何とか耐えられたが、中忍のイルカにこの苦行は絶対に無理だ。
大事な生徒を嫁入り前に傷物にするわけにいかなかった。

「じゃあ、今日もここにいるねv」
サクラは言葉と共に笑顔でカカシに抱きついてくる。
自分は彼女の保護者代理だ。
サクラを守ろうとしているんだと言い訳しつつも、それならこのままキスしたいと思うだろうか。
一人でボケとツッコミを両方こなす器用なカカシだった。

 

あとがき??
ネタがどんどんシモの方へ・・・・。
いろんな意味で、頑張れカカシ先生!

 

 

(おまけSSシリーズ149)『男の見栄 5』

 

「人の家に泊まり歩いて、ご両親は何も言わないの?」
「放任主義なの。それと、懸賞で火の国巡りツアーに当たって、二人とも留守」
おやつのホットケーキをぱくつきながら、サクラは話を続ける。
「2ヶ月もいないのよ。一人は寂しいし、ナルトやいのの家にばかりご厄介になるのも何だしね」
「へー」
おおよその事情は分かった。
疑問はあと一つだ。
「サクラの家って、もしかしてご両親は一緒にお風呂入ってる?」
「みんなで入るわよ。パパとママと三人で」
にこにこと笑うサクラに、カカシもかなり引きつった笑顔を返した。

おそらく、サクラは風呂はみんなで入るものと思い込んでいる。
旅館で男女の湯に分かれている光景はさぞ不思議に見えたことだろう。
子供のうちは良いが、これからはいろいろとマズイことになるはずだ。

 

「サクラ!」
「はい?」
「うちにずっといて良いから、他の男の家に泊まらないで」
「いのは」
「いのちゃんは女の子でしょう」
もぐもぐと口を動かすサクラは、首を傾げている。
「何で?」
「・・・・」

サクラの身が危険だから。
いや、それ以上に。
「俺が悲しくなるから」
「・・・分かった」
ホットケーキの欠片を飲み込んだサクラは、にっこりと笑って言う。
顔を見ると全く分かっていないようだが、カカシが悲しむというストレートな感情は伝わった。
頬杖を付くカカシは、ため息と共にサクラを見つめる。
取り敢えずは「好き」が「大好き」に昇格するよう、努力しようと決めたカカシだった。

 

あとがき??
これにて終了。
読んでいる方にも楽しんで頂けたなら幸いです。

 

 

(おまけSSシリーズ150)『マイナス』

 

公園のベンチに座って、ぼんやりとカカシが来るのを待っていた。
後ろから突然目隠しをされたとき、サクラは飛び上がりそうに驚く。
「び、びっくりしたー。先生?」
「うん」
「・・・・早く離してよ」
「駄目」
サクラの目を手で覆うカカシは、そのままの姿勢でサクラに囁いた。
「サクラが、俺以外の人を見ないって言うなら、離してあげる」
「えー?」

くすくすと笑うサクラは、おそらくカカシが真剣だと分かっていない。
何よりも、誰よりも大切なサクラ。
この世界に彼女さえいてくれれば満足なのに、何でこんなにも邪魔な物が存在するのか。
時々、全てがたまらなく疎ましく感じられる。
サクラが興味を持って良いのは、自分のことだけであるべきだ。

 

「私がNOって言ったら、先生がずっとこうして目隠しをするの?」
「うん」
「それも、いいかもしれないわね」
カカシの掌に自分の手を重ねてその縛めを解くと、サクラは笑顔で彼の首筋に腕を巻き付ける。
「先生、大好き」
サクラの背中に手を回し、カカシもその小さな体を抱きしめた。
サクラの声に束の間の安定を手に入れ、彼女への愛情はさらに深まっていく。

サクラの視界に入る物が自分だけならいい。
目隠しの国を作れたら、そのときこそ心から安堵できるような気がした。

 

あとがき??
ほのぼのばかりだと、たまにこういうの書きたくなりますね。
これに続くのがナルトの『プラス』なのですよ。

 

 

(おまけSSシリーズ151)『プラス』

 

目を潰す。
足を折る。
火傷を負わす。

 

「・・・・何、これ」
物騒なメモ書きに目を走らせたナルトは、怪訝な表情でカカシを見やる。
「尋問班の仕事の羅列?」
「いーや。サクラがどうすれば自分だけを見てくれるか考えていたの」
「・・・へぇ」
納得して頷くナルトは、サクラを盲愛するカカシらしいなぁと思った。
だが、実際にサクラがこうした目にあったら可哀相だ。
たとえサクラが不幸でも、そばにいることを望む彼にはおそらく何を言っても通じない。
止めようとは、はなから考えなかった。

「先生、もっと簡単な方法があるよ」
「何?」
「先生がずっと笑顔でいること」
ナルトは自分の頬に手をやって笑顔を作ってみせる。
「サクラちゃんは先生の笑った顔が好きなんだって。こうしていれば、先生から離れていかないよ」
「・・・そう?」
「俺が保証するよ。だから、これはポイね」
丸めたメモをナルトはごみ箱に放る。

サクラが好きな人と幸せになれれば。
それはそれで満足なのだ。

 

あとがき??
あれ、怖い話?
さり気なくカカサクカップルをフォローするナルトでした。
マイナス思考の先生とプラス思考のナルト。二人揃ってようやくゼロ地点です。

 

 

(おまけSSシリーズ152)『やりすぎ』

 

「サクラー、どうしたの?元気ないね」
「・・・・うん」
任務の帰り道、心なし肩を落としているサクラにカカシは声をかける。
サクラの悩み事は、アカデミー時代に親しくしていた同級生のことだ。
サクラは良い友達だと思っていたのだが、向こうは違ったらしく、突然告白をされた。
以来、いくら断っても付きまとわれ、近頃は家の近くで待ち伏せをしているらしい。
それまで仲が良かっただけに、強く言うことが出来ずサクラも困り果てているようだった。

「よし、俺がガツンと言ってやるよ。サクラの気持ちをはっきりと」
「え、本当に!?」
「うん。今から一緒に付いていってあげる」
頼もしいカカシの言葉に、サクラは思わず瞳を輝かせる。
上忍で大人のカカシだ、上手く彼の心を傷つけないよう取りなしてくれると思った。

 

談笑しながら歩くうちにサクラの家が見え始め、予想通り、その少年が待ちかまえている。
サクラがカカシの後ろに隠れると、少年も戸惑いながら彼らを見つめた。
「えーと、君、俺はサクラの担任をしている者で、はたけカカシ」
「・・・はぁ」
「悪いけどサクラのことはきっぱり諦めてくれ。サクラは俺と愛し合っているんだ」
「ええ!?」
少年は驚きの声をあげたが、それはサクラも同じだ。
彼らは教師と生徒の間柄で、そのような事実は全くない。
とはいえ、カカシに肘で突かれたサクラはすぐに状況を察した。

「そ、そうなの。先生のことが好きだから、あなたと付き合えないのよ」
「・・・・本当に?」
どこかぎこちないサクラの様子に、少年は疑いの眼で二人を見ている。
「じゃあ証拠を出すからよーーく見ててね」
「え、ちょ、ちょっと先生」
カカシに体を引き寄せられたサクラは目を丸くしたが、抗議をする前に唇を奪われた。

 

家のすぐ前、しかもギャラリーが一人、そしてファーストキス。
様々なことが走馬燈のように過ぎったが、あまりに長い口付けに全てがぼんやりとしてきた。
おそらく、酸欠だ。
カップラーメンが余裕で出来そうな時間が経過したが、カカシはまだサクラを離さない。
少年がここまで熱烈なキスを目撃したのは、映画やドラマでもなかったことだった。

「バイバーイ」
放心したまま帰路につく少年に、カカシはサクラを片手で抱えたまま手を振る。
マスクを元に戻すと、彼女が厳しい眼差しで自分を見据えているのに気付いた。
「あ、サクラ。起きた?」
「・・・・腰が抜けて立てない」
「そう、少し刺激が強すぎたかなぁ」
「少しじゃないわよ、少しじゃ!舌まで入れて、どう考えてもやりすぎでしょう」
涙目になったサクラは落ちないようしっかりカカシに掴まっている。
「責任、取ってよね!!」

 

あとがき??
ラブチューを書きたかっただけでした。ラブ、ラブ。

 

 

(おまけSSシリーズ153)『サクラ先生とカカシくん』

 

朝、目が覚めるとカカシは自分の体が小さくなっているのに気付いた。
小さいというのは、年齢がさがったということで、ただ縮んだというのと違う。
おそらく、受け持っている生徒達と同じ、12歳くらいだろうか。
多少のことに動じないカカシは、そのまま服を着替えて集合場所に向かう。
これまた理由は不明だが、クローゼットにちゃんと同じサイズの服が揃っていたから助かった。

 

「おはようー、カカシ、相変わらず遅いなぁ」
この姿のわけをどう説明しようと思っていたのに、意外にもナルトは普通に挨拶をしてくる。
しかも、何故かため口だ。
「お前は遅刻ばかりだな」
サスケは相変わらず生意気だった。
そして、彼らの傍らに立つ、十代後半とおぼしき桃色の髪の少女。
面影があるせいですぐサクラと分かったが、何故彼女が成長した姿なのか分からない。

「カカシくん、2時間も遅刻して、駄目じゃない!」
「ごめんなさい」
「・・・今日は妙に素直ね」
「サクラ先生―、カカシが来たんだから、早く任務に行くってばよー」
サクラをせかすと、ナルトは彼女の手を引っ張って歩き出した。

サクラ先生。
ナルトは確かにそう言った。
おそらく、ここは自分がいた場所とは別の世界だとカカシは悟る。
カカシはナルト達と同じ年齢の下忍、または中忍の生徒で、サクラは班の担当上忍。
設定を呑み込みながら歩くカカシに、やがてサクラが心配そうに近づいてきた。

 

「カカシくん、大丈夫?何だか様子が変だけど」
「・・・・・」
改めて、カカシはその女教師を頭から足の先まで注意深く観察した。
元々綺麗な顔立ちをしていたが、成長するとさらに人目を引く美人になった気がする。
自分好みに成長してくれて嬉しいなぁと思いつつ、尻を撫でると彼女の口から悲鳴があがった。
「先生?」
「な、何でもないわ」
前を歩いていたナルトとサスケが不思議そうに振り向いたが、サクラは必死に取り繕う。
カカシを睨み付けたのは彼らが前方に視線を戻してからだ。

「もう、みんなのいるところで、そういうことしないでって言ったでしょう!」
囁くような声で言われ、カカシはその顔をじっと見据える。
誰もいない場所なら、触り放題。
つまり、こっちの世界でもカカシとサクラは恋人同士なのだろう。
「じゃあ、先生今夜うちに泊まりに来てくれる?」
「・・・・」
顔を赤くしたサクラは何とも言えず可愛い。
だが、もう少し成長しないことには、体格差があってやるのも大変そうだった。

 

あとがき??
たまに書きたくなる逆年齢差。カカシくんはサクラよりちょっと身長が低い様子。
17歳サクラと12歳カカシくんでした。
 

 

 

(おまけSSシリーズ154)『さくさく』

 

これはカカシの父サクモが生存しているパラレルストーリーです。
舅サクモ、息子カカシ、息子の嫁サクラ。
サクモ&サクラのラブラブ設定が許せない方はここで止めておいて下さい。
大丈夫な方は、カカシの留守中の朝食風景と思って、以下のSSをどうぞ。

 

 

「何?」
食事の途中、にこにこと自分を見つめているサクラに、サクモは怪訝そうに訊ねた。
「カカシ先生とお箸の持ち方が一緒ですね」
「・・・そうなの?」
「ええ。変わった持ち方だと思っていたんですけど、お父様も同じだから可笑しくて」
くすりと笑うサクラは、好意的な眼差しをサクモに向けている。
カカシに似ているから。
サクラがサクモに懐く根本の理由に、彼は何故だか面白くない気持ちになった。

「カカシが勝手に俺に似たんだよ。サクラの言い方は逆だろう」
「そうですね」
すねた口調のサクモを不思議に思いながら、サクラは素直に相槌を打つ。
だが、サクラの思考の中心はカカシで、どうしてもサクモが彼に似ていると思ってしまう。
カカシとの共通点を見付けるたびに、サクラは嬉しそうに顔を綻ばせるのだ。

 

「・・・サクラと、もっと早く会いたかった」
「え?」
「カカシより早く、サクラに会いたかったよ」
グラスの水を飲んだサクモは、どこか寂しげに呟く。
彼の愁いを帯びた表情の意味はサクラには分からない。
「何でですか?」
自分を気遣って訪ねるサクラに、サクモは思わず苦笑した。

優しく可愛い、天使のようなサクラ。
彼女は時々、ひどく残酷だ。

 

あとがき??
普段のSSではサクサクのラブラブばかり書いていますが、本来はこういう話。
サクモさんの悲しい片思いストーリーなのです。

 

 

(おまけSSシリーズ155)『逆転』

 

ただ、いつものように過ごしていただけだ。
任務をして、カカシの家に寄って、寝泊まりをする。
当然同じベッドで眠りについたが、翌朝、目が覚めたときカカシの記憶が消えていた。
全くの記憶喪失とは違う。
ただ、サクラと恋人関係だったという記憶のみがなかった。

「嘘!」
「じゃあ、何で私がこうして先生のベッドで寝てたのよ」
「・・・・うー」
裸で寝転がるサクラを見れば、その言葉を信じないわけにいかない。
だが、まだ納得できないカカシはサクラに背を向けたまま考え込んでいる。
「もう一回すれば、思い出すかもよ」
「うわっ」
背中にぴったりとくっつかれたカカシは思わず声をあげていた。
互いに服を着ていないのだから、伝わる素肌の感触が妙に生々しい。
「ちょっ、サクラ、駄目だって」
「・・・・」

 

カカシが自分のことを忘れてしまったのは、確かにショックだ。
だが、真っ赤な顔で俯くカカシを見ていると、サクラは妙に楽しくなってくる。
こんなカカシは初めて見た。
「あーんなことや、こーんなこともした仲なのに、本当に忘れちゃったのー?」
サクラは首筋にキスをすると、びくついたカカシの肌を撫で回す。
思いがけず、逆転した二人の立場。
いつも好き勝手に体をいじられているだけに、悪戯心がどんどん湧き起こってくる。
上にのし掛かってカカシの顔を見下ろすと、彼に乱暴しているような心境だ。

困惑し、まな板の上の鯉のようになっているカカシにサクラは笑いかける。
どう料理してあげよう。

 

あとがき??
これは、エロ?ただ、受け身な先生と責め手なサクラを書きたかっただけでした。
サクラに押し倒されて赤くなる、可愛いカカシ先生を想像しておいてください。
羨ましい。どっちも。

 

 

(おまけSSシリーズ156)『さくさく 2』

 

これはカカシの父サクモが生存しているパラレルストーリーです。
舅サクモ、息子カカシ、息子の嫁サクラ。
サクモ&サクラのラブラブ設定が許せない方はここで止めておいて下さい。

 

 

「可愛いーvv」
TVに写った「赤ちゃん、はいはい競争」の映像にサクラは釘付けになっている。
一定の時間内に、赤ん坊が這ってゴールにたどり着ければ景品をもらえる催しだ。
スタートと共に順調にゴールに向かう赤ん坊がいれば、泣くだけで動かない赤ん坊もいる。
子供好きのサクラは赤ん坊を抱える母親を羨ましそうに見つめていた。

「いいな。私も早く赤ちゃん欲しい・・・」
じっとTV画面を見据えるサクラの肩を、サクモはそっと抱き寄せる。
「俺とサクラ、どっちに似ても可愛いだろうしねぇ」
「そうですね」
「男の子と女の子、どっちがいい?」
「元気に生まれてくれれば、どちらでも構いませんよ」
にこにこと笑顔で話す二人に、背後に立つカカシは幽鬼のような顔で告げる。
「君達、撃つよ。乱射するよ」

 

「何だよ、カカシ。せっかく俺達の未来について語り合っているのに、邪魔するなよ」
「サクラーー!!」
サクモを無視したカカシは、二人の間に割って入る。
「何よ、今の会話はー!!サクラの赤ん坊のパパは俺でしょう!」
「そうよ。でも、お父様も先生も似た顔だし、同じことじゃない」
「全然違うの!!似てないの!!!」
金切り声をあげたカカシはサクラの体を強く抱きしめる。
「サクラのために今夜から頑張るからね!」
「・・・・いつも頑張ってるじゃない」

 

あとがき??
先生のあの台詞を言わせたかっただけの話。
『ケイゾク』、今でも大好きなドラマですよ。
前作は、mitsuさんに「カカシ先生が出てこない!」と言われたので、出してみる。
・・・・あんまり良い役どころじゃない気もしますが。

 

 

(おまけSSシリーズ157)『魁!!木ノ葉高校』

 

(注)一応、現代パラレル学園もの。
うずまき家はナルトと四代目の二人暮らし、うちは家はほのぼの四人家族の設定です。

 

 

「おはよー!」
いつも元気なナルトが教室にやってきたとき、隣りの席のサスケが妙に肩を落としていた。
普段はライバル関係の二人だが、気になったナルトは何とか彼から原因を聞き出す。
昨日、サスケが家に帰ったとき、自分の部屋が綺麗に片づいていたらしい。
目に見える範囲だけでなく、クローゼットや机の中まですっきりと。
そして、机の上に積まれたその雑誌類を見て死にたくなったということだ。

「うーん、それは、きっついかもなぁ」
年頃の少年だ、水着美女の写真集やいかがわしい雑誌の一つも持っていない方がおかしい。
だが、それを母親に見られ、なおかつ机に整理整頓されて置かれていたのが辛い。
「いっそ、思い切り叱られた方がどれだけ気が楽だったか・・・・」
「でも、死ぬほどじゃないだろう」
「俺は昨日は一睡も出来なかった」
憔悴するサスケを眺めつつ、彼の美人の母親を思いだしたナルトは何となく納得した。
「俺は親父と二人だし、そんなの部屋に散らばっていても全然平気だけどなー」

 

意気消沈したサスケを見かねたナルトは、彼の肩を優しく叩く。
「俺がもっと恥ずかしい体験談を話してやるから、元気だせよ」
それは、ナルトがレンタルビデオ店に行ったときのことだ。
半額期間だったこともあり、エロビデオを大量に持ってレジに向かったナルトは愕然とした。
「分かった、若い女がレジにいて恥ずかしかったって話だろ。ありきたりだな」
「違う」
会話の途中のサスケのツッコミに、ナルトは首を振る。

レジに立っていたアルバイトは確かに若い女だった。
だが、ただの若い女ではない。
ナルトの長年の想い人であるサクラだ。
「あんた、こんなのばっかり見てるから馬鹿なのよ」
呆れながらも、サクラはお薦めエロビデオをナルトにいろいろと教えてくれたらしい。

 

「それはショックだな・・・」
「なっ、お前のエロ本発覚事件なんて、ささいなことだよ」
遠い眼差しをしたナルトは、窓の外を見やって頬杖をつく。
一気にいろんな大人の世界を覗いてしまった気持ちのナルトとサスケだった。

 

あとがき??
元ネタは『魁!!クロマティ高校』。
ちなみに、林田=ナルト、前田=サスケ、です。似合いすぎだっての・・・・。
うちのサスケはエロ本読まない人なんですけどね、普段は。

 

 

(おまけSSシリーズ158)『さくさく 3』

 

これはカカシの父サクモが生存しているパラレルストーリーです。
舅サクモ、息子カカシ、息子の嫁サクラ。
サクモ&サクラのラブラブ設定が許せない方はここで止めておいて下さい。

 

「・・・・あれ、白い牙じゃないか」
「どれ?」
指差された方角へと顔を向けた上忍は、一目見るなり首を振っていた。
「違うだろう」
商店街を歩くその人物は確かにサクモだったが、彼には連れがいた。
カカシの嫁のサクラだ。
彼女と手を繋ぎ、やに下がった顔つきのサクモは往年の凛々しさが消え去っている。
別人と思ってしまうのも仕方なかった。

「いや、絶対にそうだって。あれ、お嬢さんかな」
「馬鹿。年頃になった娘と、あんな風に手を繋いで歩くかよ」
「でも、「お父様」って言ってるし・・・・」
「おそらく、別の意味の「パパ」だよ」
すぐ近くでこんな会話をしたせいか、彼らに気付いたサクモが手を振りながら近づいてきた。
「おー、久しぶりだなー」
「あ、ど、どうも」
「こんにちは」

 

以前一緒に仕事をした彼らのことを、サクモはちゃんと覚えていたようだ。
当たり障りのないやり取りをした後、数名いる上忍の一人がついに確信をつく質問をする。
「あの、そちらのお嬢様は・・・・」
「嫁のサクラ」
にっこりと笑ったサクモは、サクラの肩を抱き寄せて紹介する。
「こ、こんにちは」
緊張気味に挨拶をするサクラを、上忍達は穴が空くほど見つめた。
あの、白い牙がこんなにも年の離れた嫁をもらったなど、初耳だ。
だが、彼女にメロメロな様子のサクモを見れば、信じないわけにいかない。

「じゃあ、俺達買い物の続きがあるから。バイバイー」
「失礼します」
柔らかく微笑むサクラは、彼らに頭をさげてサクモと歩き出した。
年を取ってから若い嫁さんをもらうとは、非常に羨ましい。
しかも、相手はすこぶる美少女だ。
「いいなぁ・・・」
サクモ達の後ろ姿を見つめ、呟きを漏らした一人に、思わず頷いて応えた上忍達だった。

 

あとがき??
またカカシ先生出てこないよ。(^_^;)
サクモパパ、紹介のとき「息子の嫁」の「息子の」部分を忘れております。(笑)
ラブラブーなサクサクは好きです。

 

 

(おまけSSシリーズ159)『格好良いものと可愛いもの』

 

「可愛い、可愛い」
サクラちゃんは、いつもそう言って抱きしめてくれる。
サクラちゃんより背が伸びても、力を付けても変わらない。
いつまで経っても、可愛い、可愛い。
「サスケは格好良いで、俺は可愛いなの?」
不満げに訊ねると、サクラちゃんは、さも可笑しいというように笑う。

「格好良いは緊張するの、可愛いは抱きしめたくなるの」
頭を撫でながら、彼女は言う。
それならば、可愛いのままで良いかと、納得した。
大好きなサクラちゃん。
緊張して近寄れないより、抱きしめてもらった方が数倍良い。

 

「・・・ナルト」
不安げに声をかけられて、我に返る。
振り向くと、サクラちゃんがかなり離れた場所で自分を見ていた。
「どうしたの?」
「別の人みたいだった」
柔らかく微笑むと、ようやく彼女は一息ついた。
自分はただ、新しい任務のことを考え、地図を眺めていただけだ。
道化を演じても、彼女の前で真剣な顔をすることは、あまりなかったかもしれない。

「ドキドキした?」
自分から抱き寄せると、サクラちゃんの体がびくついたのが分かる。
抱きしめてもらえなくなったら、自分から手を伸ばせばいい。
そして、格好良いサクラちゃんは、実は可愛い人なのだと、初めて気付いた。

 

あとがき??
ナルサクすっきー。
山田詠美の新刊を読んでいたら書きたくなったけど、繋がりはないです。

 

 

(おまけSSシリーズ160)『鬼畜』

 

サクラがカカシに嫁いで2年。
子宝に恵まれ、サクラの腹は目に見えて大きくなっている。
時間を見つけて会いに来たナルトは、腹の子に話しかけているカカシを呆然と見つめた。
「赤ちゃーん、俺がパパでちゅよーー」
「・・・・先生、キモい」
サクラの腹に耳をあて、赤ちゃん言葉で話すカカシにナルトはつい本音を漏らす。
凄腕の上忍で自分の担任だったカカシのこんな姿を、出来れば見たくなかった。

「何だよー、いいだろ」
「・・・・なんか、イメージが」
「じゃあ、お前の俺に対するイメージってどんなの?」
サクラから顔を離して訪ねるカカシに、ナルトは真顔で答える。
「こう、酔っ払って家に帰ってきて、身重のサクラちゃんを蹴り飛ばすような」
「ああ、分かる分かる!」
「・・・それは、イメージっていうか、人として最悪だろう」
ナルト共々、納得して頷いているサクラにカカシは半眼で言う。
腹の中の赤ん坊が聞いていれば、笑っていたかもしれない。

 

あとがき??
『ジャングルはいつもハレのちグゥ』のクライヴ&ウェダ夫妻をカカサクで。
はまるんだよなぁ・・・・。

 

146〜160まで載せてみました。
web拍手にて、何番の作品がお好きかご意見を頂けると嬉しいですv

戻る