(おまけSSシリーズ101)『罠』
「鬼ごっこー?」
「そう」
素っ頓狂な声を出したナルトに、カカシはしっかりと頷く。
ボーナス支給の時期、鬼ごっこをしてカカシを捕まえられれば相応の金額が下忍に与えられる。
期限は日没まで。
子供の遊びのようだが相手は上忍のカカシだ。
森の中を逃げ回られたら、下忍達に勝機などあるはずがない。「じゃ、健闘を祈る」
ナルトとサクラが振り向いたとき、すでにその場所からカカシの姿は消えていた。
ゲームはもう、始まっているということだろう。
「どーする、ナルト・・・」
「大丈夫だよ」
不安げに自分を見るサクラに、ナルトは不敵な笑みで応える。
彼には秘策があった。
カカシの弱点はすでにナルトの手の内にあるのだ。
「ばーちゃん、捕まえてきたよー」
縄でふんじばったカカシを連れてやってきたナルトを、綱手は目を丸くして見つめる。
「え、もう?まだ昼にもなっていないにの」
「簡単だったよ」
ナルトは手製のサクラ人形を懐から取り出すと、その時の状況を説明し出した。
「これを目に付きやすい道に置いてね、周りに沢山罠を張ったの。3分もしないでかかった」
「・・・・」
綱手はにこにこ顔のナルトから、うなだれるカカシへと視線を移す。
「人形でも引っかかるのかい、あんたは」減給を言い渡されたカカシと、特別ボーナスをもらったナルトの明暗ははっきりとした。
そしてサクラだけは、嬉しいような情けないような、微妙な心情だった。
あとがき??
先生、サクラグッズなら何でも欲しがりそうな・・・・。
確かナルトはカカシ人形作って、トレーニングに使っていましたよね。
あれ、どうなったんだろう。
よく見ると14歳設定。
サクラ人形は旅の間もナルトがずっと持ち歩いていた大事な物らしいです。
(おまけSSシリーズ102)『のど自慢』
カカシは意外に歌が上手かった。
マスク越しだというのに、よく通る声をしている。
だが、どんなにいい声だとしても、演歌ばかりを延々と聴かされるのは苦痛だった。
この『北国の春』で5曲目だろうか。
7班の親睦を深めるためにカラオケに来たというのに、これではカカシのワンマンショーだ。
「今の隙に俺達の曲も入力するってばよ」
サビの部分を熱唱するカカシを横目に、ナルトはこそこそとリモコンを持ち出した。
「ナルトってば、渋いわね!」
ジャズを選んだナルトを見てサクラは驚きの声をあげた。
サクラの選曲は主に最新のポップスだ。
残る一人へと自然に目を向けた二人は、サスケが熱心に見ている曲目を見るなり吹き出しそうになる。「お、お前、アニメソングなんか歌うのかよー!!しかも、『プリごろ太』の主題歌」
「・・・悪いか」
爆笑するナルトの傍らで、サスケは憮然とした表情だ。
「わ、わ、笑っちゃ駄目よ、ナルト。アニメソングって、ほら、歌いやすいし」
「お前も笑っているぞ」下忍達の注意がそれた隙に、リモコンを奪ったカカシは6曲目の『津軽海峡冬景色』を入力している。
受付からの電話が鳴ったが、ナルトが「延長」と答えたのは言うまでもない。
あとがき??
ジャイアン、カカシ!(上手いらしいけど)
サスケはやっぱりアニソンだよねv(?)
いいなぁ、私もこのカラオケパーティーに混じりたいっす。
(おまけSSシリーズ103)『よ、予言!?』
里に戻ってきたナルトと共に、元7班の3人で歩いていたときだった。
西洋風の庭園とチャペルがあることで有名な公園で、結婚式が行われている。
幸せそうに微笑む花嫁を見たとたん、サクラは夢見る乙女の眼差しで両手を組み合わせた。「いーなーーv私はいつ、ウェディングドレスが着られるかしら」
「来年着られるよ」
「そっかー」
傍らから聞こえた声に思わず頷き、サクラはハッとなる。
「え、何で、来年?」
怪訝な表情のサクラに笑いかけたカカシは、すぐに愛読書へと視線を戻した。
そのとき覚えた嫌な予感。
「どうかした、サクラちゃん?」
「・・・別に」
曖昧に答えながら、意味深に微笑んだカカシのことが妙に気になるサクラだった。
あとがき??
えーと、この話は一応原作に沿って2年半後なので、サクラ達は14歳。
うちのファミリーシリーズだとサクラは15で結婚するので、来年です。(^_^;)
そろそろ近づいてるよ、どうしよう。
(おまけSSシリーズ104)『金色の花束』
黄色い洪水のような菜の花の咲く畑に、同じような髪の色の少年が立っていた。
何気なく眺めていたサクラだが、彼はずっとその花畑の間の道をうろうろしている。「何してるのー」
大きな声で呼びかけると、振り向いたナルトはにっこりと笑う。
「綺麗な花、選んでる集めてるの」
言葉の通り、ハサミを片手にナルトは黄色の花束を持っていた。
畑の持ち主には、きちんと了解を取っているらしい。
「一番好きな人にあげるんだ」金の無いナルトが考えた、無料のプレゼント。
満足したのか、菜の花を抱えたナルトはサクラの近くまで駆けてくる。
「サクラちゃんは、散歩?」
「うん。お母さんに買い物も頼まれてるけどね」
「そう。じゃあ、また明日ね」
サクラの予想に反し、ナルトはあっさりと踵を返した。
一番好きな人。
てっきり自分だと思ったのは、サクラのうぬぼれだ。
何故だか無性に息苦しくなったサクラだが、彼女が見ているうちにもナルトは立ち止まる。「なんてね」
振り返るなり、悪戯な笑みを浮かべてみせるナルトが心底憎らしい。
でも、それ以上にホッとしていた。
「何考えた?」
黄色の花束を手渡しながら問うナルトに、サクラは棘のある声で答えた。
「・・・・・馬鹿」
あとがき??
ナルトはNARUTO内で一番格好いい男になる予定。
私も頑張って格好いいナルト書いているつもりなんですが、たりない、たりないよ!
ナルトはもっともっと格好いいんですよおーーー!!!(魂の叫び)
だ、誰か書いてくれないだろうか。本当に。
カカサク好きーという気持ちだけじゃこうも長くサイト続いていないです。
ナルトの魅力による影響も大きい。ラブリーちゃん。
(おまけSSシリーズ105)『君がいて僕がいる』
「・・・・もう、行っちゃうんだ」
ベッドをそっと抜け出ようとしたカカシは、その声に驚いて振り返った。
先ほどまで寝ていたサクラが、半身を起こしたカカシをじっと見つめている。
「うん。今夜は任務が入ってるって最初に言ったでしょ」
「・・・」
「サクラーー」
自分の掌をしっかりと握って離さないサクラに、カカシは困り顔だ。
「いやだもん。私、先生が好きで好きで大好きなんだもん。ずっと一緒にいたい」
「それは嬉しいね」
いつになく引き止めるサクラの頭をカカシは空いている方の手で撫でる。
指先を絡める彼女はどこか悲しげで、カカシは強引に立ち上げることも出来なかった。「・・・私、次に生まれてくるときは先生の一部がいい」
「えー?」
「先生の髪の毛とか、目とか口とか鼻とか、何でもいいから、先生から離れないもの」
苦笑するカカシは身をかがめてサクラと唇を合わせた。
「そうしたら、こうしてキスも出来ないし、気持ちのいいことも出来ないよ」
「・・・・」
「俺が帰るのはサクラのところだよ。ずっと。それじゃ駄目なの」
あやすように語り掛けるカカシの首筋にサクラは腕を巻きつける。
どうしようもなくいとおしい人。
優しい声も伝わるぬくもりも、永遠に誰にも渡しはしない。
「先生が大好き」
あとがき??
カカサク好きーーーーー!!!という気持ちを詰めてみる。
いや、これはサクカカ?
カカシ先生にベタ惚れなサクラはカカサクと同じくらい好きです。
・・・なんでこんなに好きなんだろう、この二人。不思議、不思議だ。
(おまけSSシリーズ106)『桃色吐息』
「あっ・・・、せんせ・・」
頬を上気させた彼女は必死にカカシにしがみついてくる。
切なげなその声を聞いただけで、達してしまいそうだ。
ベッドで絡む二人はもう教師と生徒ではない。
獣のように睦み合いながら、互いの気持ちを確かめ合った。
「サクラ」
汗ばんだ頬に手を添えて名前を呼ぶと、彼女は潤んだ瞳でカカシに微笑む。
目の前で何かがパチリと、弾けたように思った。
「先生、どうだったー!?」
明るい笑顔と共にカカシの顔を覗き込んでいるのは、先ほどまで彼の体の下で喘いでいた少女だ。
何がおきたか分からず、茫然自失のカカシにサクラは眉を寄せる。
「大丈夫?先生が言ったんでしょ、私の幻術の腕が見たいって」
「あ・・・ああ」
周りを見回すと、そこは木々に囲まれた演習場だ。
自分の手を離れた2年半の間、どれだけ成長したか見せてみろとカカシは確かに命じた。
だが、こうも完璧に術中にはまるとは、思ってもみなかったのだ。「今のはね、その人が一番望むものを見せる幻術なのよ。先生、何が見えた?」
「・・・・」
「・・・先生、訊いてるんだけど」
「あの、ちょっと近づかないで」
訝しげに顔を寄せるサクラから、カカシは妙に慌てて距離を取る。
サクラは「何よ、それ!!」と声を荒げて怒っていたがしょうがない。
全く自覚のなかった感情をこうもまざまざと見せ付けられ、動揺しないほうがおかしかった。
これ以上サクラがそばにいたら、高揚した気分からそのまま押し倒してしまいそうだ。
あとがき??
これも14歳設定ですね。
何だか、エロいの書きたくなってきました。ヤバイ・・・。
(おまけSSシリーズ107)『フェティシズム』
一人暮らしを始めたサクラの家にさっそく遊びに行くことにした。
紅に散々「最初からがっついちゃ駄目だからね」と注意される。
人を何だと思っているのかと、カカシは不満顔だ。
忠告があったからといって、自制するはずもない。
「サクラ、いのちゃんとの写真ばっかりだねぇ」
「んー、何だか一人が不安で、どこに行くにも一緒だったから。それ、秋の芋掘りの時のよ」
昔のアルバムを眺めるカカシに、サクラはカップの茶を飲みながら写真の説明をしている。
今でも十分可愛いが、小さいサクラは泣きべそばかりで、たまに微笑んだ写真は愛らしさも倍増だ。
とろけるような笑顔でアルバムをめくるカカシを横目に、サクラは唐突に手を叩く。「そうそう!これ、引っ越しの掃除のときに出てきたのよー」
「そ、それは・・・・」
サクラがポケットから出したのは、小さい頃に彼女がずっと付けていたリボンだ。
「いろいろ持っていたけど、いのからもらったこのリボンが一番お気に入りだったのよ」
「・・・サクラ、それ、付けてみてよ」
「いいけど?」
いつもは額当てを付けている場所に、サクラはリボンを結んだ。
「えへへ、どう、可愛い?」
上目遣いに言われたカカシは、反射的にその体を押し倒していた。
「キャーー!!ちょ、ちょっと、何よ先生、いきなり」
「今日はそれ、付けたままでしよう。ねっ!」
「えー!?」
サクラが驚きの声をあげる間にも、カカシは彼女の服を脱がし始めている。
初めてなわけでもなく、サクラも異存はないが、問題はカカシの趣味趣向だ。「先生・・・この前は白いソックスはいたままでやったわよね」
「うん」
「まさか、次はブルマーとか言い出すんじゃないでしょうね」
「・・・・いいかも」
真剣な表情で答えるカカシに、サクラは呆れ顔だ。
「先生ってば、マニアックねー。私以外の人でもこうだったの?」
「サクラだけだよ、もちろん!」
鼻息を荒くするカカシに、それもまた微妙な返答だと思うサクラだった。
あとがき??
エロい話しか浮かばなくなってきました。うーん。
次からはほのぼので。
おまけSSシリーズ108『かぜします 1』
「サクラ、風邪?」
雑草むしりの任務の間、咳を繰り返すサクラにカカシが声をかけた。
「熱はないけど、ちょっとのどが痛いかも・・・・」
「風邪はひき始めが肝心だよー。よく効く薬をあげよう」
「・・・・」
カカシがポーチから出した丸薬を、サクラは訝しげに見つめる。
「先生、いつも風邪薬なんか常備してるの?」
「うん。他にも胃薬とか、目薬とかいろいろ」
「へぇー」
薬の小瓶をいくつか出して見せるカカシにサクラは感心している。
「じゃあ、有り難く頂きます」
薬の効果は覿面だった。
水と共に丸薬を飲み込んだサクラはそのままひっくり返るようにして倒れ込む。
「あれあれ、大変だ。風邪が悪化したみたいだね」
意識のないサクラを背負うと、カカシは振り返ってナルトとサスケに指示を出す。
「サクラを家まで送り届けてくるね。お前達は任務を続けるように」
「ちょっと待てーー!!」
すぐにも消えようとするカカシをナルト達は必死につかまえた。
「今の倒れ方、どう見ても不自然だってばよ!!」
「サクラを眠らせてどこに連れて行く気だ、こら!」眠り続けるサクラをよそに彼らは揉めに揉め、その日は任務どころではなくなった7班だった。
あとがき??
眠り薬・・・。別バージョンもあります。
おまけSSシリーズ109『かぜします 2』
「サクラ、風邪?」
雑草むしりの任務の間、咳を繰り返すサクラにカカシが声をかけた。
「熱はないけど、ちょっとのどが痛いかも・・・・」
「風邪はひき始めが肝心だよー。よく効く薬をあげよう」
「・・・・」
カカシがポーチから出した丸薬を、サクラは訝しげに見つめる。
「先生、いつも風邪薬なんか常備してるの?」
「うん。他にも胃薬とか、目薬とかいろいろ」
「へぇー」
薬の小瓶をいくつか出して見せるカカシにサクラは感心している。
「じゃあ、有り難く頂きます」
薬の効果は覿面だった。
「カカシ先生、好き!!」
水と共に丸薬を飲み込んだサクラはそのまま目をハートの形にしてカカシにしがみつく。
「先生のお嫁さんにして!」
「ハハハッ、困ったなぁ。プロポーズされちゃったよー」
サクラを抱き寄せると、カカシは振り返ってナルトとサスケに指示を出す。「じゃあ、ちょっと入籍してくるね。お前達は任務を続けるように」
「ちょっと待てーー!!」
すぐにも消えようとするカカシをナルト達は必死につかまえた。
「そんな突然先生のことを好きになるなんて、どう考えても不自然だってばよ!!」
「サクラに何を飲ませたんだ、こら!」
「言いがかりはよしてくれよー。大人の魅力にサクラがようやく気付いただけだって」揉めに揉めたおかげで、その日は任務どころではなくなった7班だった。
あとがき??
惚れ薬・・・。同タイトルの漫画のこと、誰か知ってる人いるかな??
(おまけSSシリーズ110)『名前をよんで』
「先生・・・不審者にしか見えないってばよ」
ナルトが呟く間にも、カカシはゴホゴホと咳を繰り返す。
口元を覆うマスクはいつも通りだ。
その上から風邪用のマスクをしていて、カカシの見かけは普段より数倍怪しくなっていた。
「え、何、のどを痛めて今日は声が出ない!?」
カカシが取り出したメモ帳の文字をそのまま読み上げ、ナルトは目を丸くする。
「そんなに風邪がひどいなら、仕事休めばいいのに」首を振ったカカシは近くにいたサクラの肩を抱き、ぱくぱくと口を動かした。
「・・・・サクラと一緒にいたいから、休めない」
カカシの心情を適当に代弁したサスケだったが、大正解だったらしい。
にこにこ顔で自分を見るカカシに、サクラは「馬鹿ねー」としか言えなかった。
「・・・何だか変な感じ」
後方を歩くカカシを見つめて、サクラは小さく呟く。
振り返ればカカシはそこにいる。
それなのに、いつものように名前を呼ばれないと、妙に落ち着かない気持ちになった。
「先生」
カカシに駆け寄ったサクラは不安げな表情で彼を見上げる。
「早くよくなってね」カカシは明るく笑って彼女の頭を撫でたが、それだけでは十分ではない。
優しい声と一緒だからこそ、安心出来る気がした。
あとがき??
井上さんの声、いいですよねぇ。
「サクラ」と言ってくれるだけで、ドキドキです。
(おまけSSシリーズ111)『雪』
「雪って、どう思う?」
民家の雪かき任務が終わった後、帰路に就くサクラはナルトに訊ねた。
「わくわくする!木ノ葉丸と雪遊びも出来るし」
「子供ねー」
興奮気味のナルトにサクラは苦笑をもらす。
「サスケくんは?」
「・・・・面倒だ。寒いし、動きも鈍くなるし。家でじっとしているにかぎる」
これはまたナルトとは正反対で、年寄りじみた返答だと思った。
だが、口には出さずにサクラは微笑を返す。「カカシ先生は?」
「えー、何」
「雪、どう思う」
イチャパラを読みながら歩くカカシに近寄ると、サクラは同じ質問を繰り返した。
視線を傍らの木々へと向けると、カカシは少し考えてから声を出す。
「可愛い」
「え?」
「ほら、こんな小さい葉っぱの上にも、同じように丸くつもってる。可愛いじゃないの」
同意を求めるように自分を見たカカシに、サクラはにっこりと笑った。
「あれ、どうしたの?」
分かれ道まで来ると、ナルトとサスケは銘々好きな場所へと散ったがサクラは動かない。
「先生についてく」
「報告書を出しに行くんだけど・・・」
「じゃあ、先生が出てくるまで待ってるから一緒に帰ろう」
サクラが手を差し出したのは、繋いで歩こうという誘いだ。
「どういう風の吹き回し?」
いつもならばサクラはサスケを追いかけてすぐに消えていた。
怪訝な表情で手を掴んだカカシに、サクラは笑いながら答える。
「先生の答えが一番気に入ったんだもの」
あとがき??
雪が降ったので、雪ネタでカカサクv
(おまけSSシリーズ112)『ベリーピンク』
好きになった相手によって、趣味趣向が変わる人間がいる。
恋人と同じ髪型にしたり、同じブランドを身につけたり、同じペットを飼ったり。
カカシもその類だった。「・・・・お前、サクラのこと好きなんだろう」
「え、何で分かったの!!?」
自分の家に一歩入るなり、ずばり言い当てたアスマにカカシは驚愕の表情になる。
「何となく・・・・」
以前来たときは白と黒の家具があったが、今は部屋中がピンク色だ。
小物はともかく、ピンクの壁というのは非常に気持ちが落ち着かなかった。「やめた方がいいぞ」
「何だよ、俺とサクラの仲を裂く気か!」
憤慨するカカシに、アスマは頭を抱えながら答える。
「いや、そうじゃなくて、この部屋の色」
あとがき??
先生・・・可愛い。
(おまけSSシリーズ113)『幸か不幸か??』
「道で会った人に、「段々、お父さんに似てくるね」って言われちゃったよ・・・」
「ありゃー、それは悲惨ねー」
肩を落として帰宅した快を見て、小桜は大きな笑い声を立てた。
「聞き捨てならないなぁ。何でそんなに嫌そうなわけ」
「・・・分からない?」
小桜が冷ややかに見つめる先には、サクラにべったりとくっついて頬ずりするカカシがいる。
夫婦の仲がよいのは構わない。
だが、彼の場合は度を超えているのだ。「子供の前でベタベタするのやめてよね。キスも私達が見てないところでしてよ」
「しょーがないじゃないか。したくなっちゃうんだから。これでも5回に1回は我慢しているんだからな」
詰め寄る小桜にカカシは胸を張って答えている。
「僕の未来もこんな風に・・・・」
「何だよ、パパは昔は神童と言われて女の子にもキャキャー言われてたんだぞ!」
「そうよ。こんな先生だけど、懐くと可愛く見えてくるのよ。どこが不満なのよ」
項垂れる快に対し、カカシとサクラはそろって弁護しようとする。
自分達がこの夫婦の生産物だと思うと、もう何も言えなくなる小桜と快だった。
あとがき??
未来のはたけ一家です。カカサク夫婦に小桜(長女)と快(長男)。
先生・・・すでにペットか何かのような。
幸せなら良いのです。
(おまけSSシリーズ114)『子供か大人か??』
「本当に、全然格好良いと思わないのー?」
「うん」
アカデミーの昼休み、皆がアイドルグループの話題で盛り上げる中、小桜一人が付いていけていない。
「ほら、大河ドラマにも出てるアッキーよ。何とも思わない?」
「うん」
雑誌の写真を指差して言われても、小桜はどこが良いのか分からないといった様子だ。
同級生の男子の中には彼女に想いを寄せる者が多くいるが、彼らに対しても小桜は素っ気なかった。
「小桜ってば、子供ねぇ・・・」
「もっと恋愛に興味を持ちなさいよ」
「・・・いいわよ、別に」弁当を食べ終え、さっさと教室を出ようとした小桜は、立ち上がった拍子に手帳を落とした。
傍らにいたクラスメートがすぐに拾い上げたが、挟まっていた写真を見るなり目を丸くする。
小桜と、二人の若い男が写っていた。
黒髪の青年は容姿端麗で、芸能雑誌でも見たことがないほど綺麗な顔立ちをしている。
金髪の方も、タイプは違うが明るい笑顔が魅力的で、小桜も嬉しそうにくっついていた。「あ、有難うー」
「こ、小桜、これ、誰!!?」
手帳を受け取った小桜は、驚きの冷めやらぬクラスメートに笑顔で答える。
「私の男」
遠ざかる小桜の背中を、クラスメート達は呆然と見送る。
確かに、あんなものが常に近くにいたら、芸能人も霞んでしまうことだろう。
「小桜って、大人ねぇ・・・」
あとがき??
小さい頃からいい男を見てきたので、小桜の理想はべらぼうに高いです。
サスケとナルトと・・・・先生もか。一応。
(おまけSSシリーズ115)『心と傷』
「痛い痛い痛い!!!」
「うるさい!!」
上着を脱ぎ、サクラが背中に出来た怪我に薬を塗る間ナルトはずっと叫んでいた。
どんなにひどい傷を負っても、眉一つ動かす治療を受けるサスケとは大違いだ。
「何で怪我を隠したりしたの!無茶して動いていたから悪化したのよ」
「だって、俺ってば、傷の治りが早いし・・・・」
「早いし、何!?」
「前は痛いとか苦しいとかて言っても、聞いてくれる人がいなかったから。黙ってる癖が付いた」
「・・・・・」サクラは薬瓶を片づける手を止めてナルトを見たが、後ろからだとその表情は見えない。
たぶん、サクラが声をかければ笑顔で振り返るだろう。
本音を隠すことには慣れてしまっている。
「・・・サクラちゃん?」
背中から柔らかな感触が伝わり、抱きしめられたことを知ったナルトは驚きの声をあげる。
だが、それも一瞬のことだ。
包帯を巻き終えた場所を叩かれ、ナルトは苦悶の表情で前のめりになった。
「はい。治療、終わり!」
「サクラちゃんー・・・」
涙目で自分を見上げるナルトに、サクラはにっこりと笑いかける。
「やっぱりさ、泣いたり喚いたりしていた方が、あんたらしくて良いわ」体の治療はサクラにも出来る。
だけれど、心に受けた傷はいつになれば治るのか、サクラにも見当が付かなかった。
あとがき??
ナルトには、いつも笑顔でいてもらいたいです。
ナルトの笑顔は、人を元気にする凄いパワーがあるから。
101〜115まで載せてみました。
うーん。7班やカカサクやナルサクやカカシファミリーシリーズと、入り乱れておりますね。
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