愛があれば星の差なんて


扉の開く音がして、やばいと思ったときには遅かった。
とっさに食べかけのプリンを全て口に入れた銀時に、神楽は買い物袋を放り出して駆け寄る。

「プリンー!!!私の名前、書いておいたアルよ!!!!」
「あー、悪い悪い。腹が減ったからしょーがないだろ。冷蔵庫の中で、俺に食べて欲しいーって顔していたから」
「何、わけの分からないこと言ってるネ!!人の留守中におやつを横取りするなんて最悪アル!!弁償するヨロシ!!!!」
「ハッハッハッ。今日もパチンコで有り金全部使っちまった」
「この、甲斐性なしーーー!!」

神楽に遅れて扉から入ってきた新八は、銀時に飛び掛る彼女を横目に冷蔵庫へと向かう。
荷物の中には卵も入っているのだ。
彼らの諍いに巻き込まれて割れる前にしまわなければ、一週間は塩粥のみの生活になってしまう。
ギャーギャーと言い合う声が聞こえるが、二人の喧嘩を止めるのは食材を冷蔵庫に入れてからで十分だった。

 

「神楽ちゃん、プリンはもうないけど、かりんとうなら・・・・」
TVのある部屋へと向かった新八は、目に映った光景に持っていたかりんとうの袋を床に落とす。
視線の先にいるのは、ソファーに寝転がる銀時の上に乗っかっている神楽だ。
ただそれだけなら、瞬きを忘れるほど驚くことでもない。

「何・・・してるんですか」
「見れば分かるアル」
「スキンシップ」
「ちょっとーーーー!!!」
絶叫する新八を気にせず、神楽はつい先ほどまで彼と触れ合っていた唇を拭っている。
「銀ちゃんの口の中、まだ甘ったるいアルよ。新八もチューしてプリンの味見すると良いネ」
「遠慮しておきます!!!」
新八は心の底から声を吐き出していた。
体の向きを変えた銀時が平然とリモコン操作をしているところを見ると、今日が初めてのことではないのだろう。
彼らの注意が
TVの画面にいっていることを確認しつつ、新八は動揺を隠すために咳払いをする。

 

「あの、二人とも、それ以上のことはしていないんですよね・・・・」
「それ以上?」
「何アルか」
同時に振り向いた銀時と神楽は、そろって首をかしげてみせた。
親子のように息のあった二人を前にして、それ以上問いただす勇気のない新八は肩を落とす。
「・・・もういいです」
踵を返し、とぼとぼと歩き出した新八に銀時は一声かける。
「なぁー、地球人と宇宙人のハーフって、どんな子供が生まれると思う?」
「そんなの知るかーー!!!!」

分かっていて言っているあたり、意地が悪かった。


あとがき??
神楽ちゃん以外の夜兎もチャイナ服なんでしょうか??
見てみたいなぁ。
ああ、タイトルはある映画から。未見ですが。
どえらいギャグっぽいパッケージが気になっているんですが。あれ、違う?


戻る