アレ(笑)


「カカシ先生、もういいでしょー。私、疲れちゃった」
「まだ駄目」
カカシの返答に嘆息しつつ、サクラは作業を続ける。
カカシはうっとりと呟いた。
「気持ちいいなぁ。やっぱりサクラは上手いね」
「・・・これに上手いも下手もあるのかしらね」
カカシは聞こえていないというように目を瞑っている。

暫らくするとサクラはカカシの頭をぺしぺしと叩きながら言った。
「先生、ほら、身体の向き変えてよ」
「んー」
カカシは面倒くさそうにごろりと寝返りをうつ。
「全く、いい年して。本当に子供みたいよ」
ぶつぶつと文句を言いながらも、サクラはせっせと手を動かしている。
その手に握られているのは、耳掻き棒。
カカシはサクラの膝枕で気持ち良さそうに恍惚の表情だ。

「耳掃除くらい、自分でやってよね」
「だって、サクラがいいんだもん」
どさくさにまぎれて自分の身体を撫でるカカシの手を、サクラはつねりあげる。
「セクハラ禁止!もうやってあげないわよ」
「あー、分かった分かった」
名残惜しそうに手を戻すカカシに、サクラはその日何度目か分からないため息をついた。
何気なく時計を見遣ると、時刻は7班の集合時間、間近。

「カカシ先生、そろそろ行かないと。今日任務入ってるんだし」
「そういえば、そうだったね」
のんびりとした声を出すカカシに、先生なのにそんないい加減なことで良いのかとサクラが呆れた顔でカカシを見る。
目が合うと、カカシは唐突に半身を起こしてサクラと向き直った。
「それよりさぁ」
サクラをじっと見詰め、カカシは彼女に顔を近づける。
「な、何よ」
サクラはためらいがちに声を出す。
顔を離すと、カカシは面白くなさそうにふてくされて言った。

「サクラ、ナルトと同じ匂いがする」
「ああ、それはナルトの家で同じシャンプー使ったから、キャア」
サクラの言葉が悲鳴混じりのものになったのは、話している途中でカカシに身体を担ぎ上げられたからだ。
「え、ちょっと、先生、何してるのよ。おろしてよ!」
足をばたつかせて抗議するが、カカシの方はびくともしない。
「もう一回風呂は入れ」
断定的な言葉で言われ、サクラは驚きに目を丸くした。
「そんな、もう時間なんだってば。急がないと遅れちゃうわよ!」
「大丈夫」
カカシはにっこりと笑ってサクラを見た。
「俺が洗うの手伝ってあげるから」
サクラの顔がみるみるうちに赤くなる。
耳まで真っ赤にしたサクラは、癇癪を起こして怒鳴り声を張り上げた。
「よけいに時間かかるでしょー!!馬鹿―――!!」

 

二時間後。
カカシとサクラは揃って集合場所に現れた。
「おはよう。遅れて悪かったなぁ」
「・・・遅れてごめんなさい」
さわやかな笑顔のカカシと、疲れたような声を出すサクラ。
好対的な二人の様子に、ナルトとサスケは揃って首を傾げていた。


あとがき??
エロ?


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