天然媚薬少女番外編(カカサク的おまけ)


「サクラー。ハヤテの奴と付き合ってるって本当?」
今にも泣きそうな顔で訊ねるカカシに、サクラは訝しげに返事をした。
「はぁ?何の話ですか」
「だって噂になってるよ。仲良く手を繋いで歩いてるのを見たとか、毎日料理作りに行ってるとか、サクラが押しかけ女房同然にハヤテの家に居座ってるとか、もう同棲してるんだとか」
噂にはかなり尾ひれがついている。
サクラは呆れた顔をしたが、当たらずとも遠からずといったその噂に正直感心した。

カカシはすぐにサクラが笑って、または怒って自分の言葉を否定すると思っていたが違った。
何も言わないサクラに、噂を肯定と取ったカカシは見るからに動揺してサクラの肩を掴む。
「え、まさか、本当のことなのか」
「・・・だったらどうする?」
意地悪な笑顔を浮かべるサクラに、カカシは強い衝撃を受ける。
サクラがハヤテの餌食になる図が瞬時に頭に浮かんだ。
顔を真っ青にしたカカシは必死にサクラの説得を試みる。

「やめた方がいい!あいつの周りで何人の人間が行方不明になってるか知ってるのか?絶対に怪しげな薬の実験台になってるんだって。お前も殺されるぞ」
「そんな風に言うのやめて。ハヤテさんはいい人よ」
サクラは憤慨して言い返す。
「カカシ先生が陰で悪口言うような人だとは思わなかったわ。最低!」
カカシを一睨みすると、サクラは踵を返して走り出した。
一度振り返ってあかんべいをすると、サクラはそのまま姿を消す。

あとに残されたカカシはただ呆然と立ち尽くしている。
「・・・ハヤテさん」
親密さをうかがわせるサクラの言動に、不安がつのっていく。

可愛い生徒をみすみす悪魔の生贄にしてなるものか。
力強く拳を握り締めたカカシは心に誓った。
これから毎日サクラの身辺警護をすることを。
息巻くカカシが、サクラにストーカー呼ばわりをされてさらに落ち込むことになるのは、また別の話。


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