俗・愛の挨拶
犬達を視界に入る範囲の原っぱで遊ばせているサクラは、ひたすらカカシにちょっかいを出されていた。
天候に恵まれ、自然豊富な森林公園には多くの人々が訪れている。
中には興味深げに二人を眺めていく通行人もいるのだが、カカシはどこ吹く風といった様子だ。
「サクラ〜、俺がいない間イルカ先生にセクハラされなかった?」
「・・・・今、されてます」
背後にいるカカシに羽交い締めにされ、胸をしっかりと掴まれたサクラは押し殺した声で呟く。
「はー、何事もなくて良かったなぁ。サクラのおっぱいも順調に成長しているし」
「・・・・あの、やめてください」
サクラは思いきり顔をしかめていたが、抵抗がないのを良いことに、カカシは頬をすり寄らせてくる。
逃げても追いかけられるのは経験済みだ。
いろいろな意味で悟りを開いたサクラだったが、怒りがないわけではない。「先生、私以外のくのいちが生徒でも、こんな風にするの?」
「・・・どうだろう」
首を傾げたカカシは、後ろを向くサクラと目が合うとニコニコと笑う。
「7班が初めて受け持った生徒だから分からないけど、サクラは特別だよv」
「・・・・・」
理不尽なものを感じるサクラは頬を膨らませたが、そうした仕草がまたカカシには愛らしく見える。
「サクラってば、もしかして焼き餅ー?」
「え、ちが・・・」
「可愛いなぁ〜、サクラにしかしないから、安心して」
サクラの否定など耳に入っていない様子で、カカシは彼女の体を抱き竦める。
仕方なく大人しくしているサクラだったが、こうして間近で感じるカカシの優しい香りは嫌いではない。
カカシの背中をぽんぽんと叩き、サクラは唖然とした表情で自分達を見ているイルカの方を指し示す。
二人が気になったのか、彼は午後も残って犬の散歩を手伝っていた。「イルカ先生、驚いてるよ。カカシ先生また叱られちゃうんじゃないの」
「じゃあ、チュウでもしてもっと驚かせようか」
反省するどころか逆に顔を近づけてくるカカシに、サクラは苦笑するしかない。
これがカカシ以外の教師だったら、たとえイルカであってもサクラはもっと反発していたはずだ。
その違いがなんなのか、サクラにもよく分からない。いつもされるだけだったキスをサクラの方からしてみると、カカシは目を丸くして彼女の顔を見つめた。
「・・・セクハラ返しの術、です」
はにかんだ笑顔を浮かべるサクラに、カカシがさらに夢中になったのは言うまでもない。
あとがき??
こんなものを楽しく書いていていいのだろうかと、ふと正気に返る。
「続」ではなく「俗」なのは、このSSのピンク色な雰囲気から何となく。
いちゃいちゃは滅多に書かないので(恥ずかしいから)、大目に見て頂けると有り難く・・・。(=_=;)
ビバ、カカサク!