蛇足


「君、何やってるのさー?」

仲間の悪魔が呆れたように言った。
しょうがないか。
魂を取る機会を二度も逃したんだから。

「君ほどの上級悪魔なら、重症人から契約無しに魂を奪うのは簡単だし、今日だって変わりにあの子の運勢を悪くして魂を奪うって言ってただろ」
「うん」

僕の出した条件は確かにその人の一番の望み。
撥ね付けることができる人間は滅多にいない。
それを、二人も無碍にする人間が出てきたから、何となく愉快で。

見てみたくなったんだ。
ランスロット君が、どれほどのプレイヤーになるか。
あの子があれほど信じてるランスロット君の可能性は、どこまで通用するのか。

不思議だね。
これを人間風に言うと。
僕はランスロット君のファンってやつなのかな。


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