『アズカバンの囚人』感想
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」
2004年 アメリカ 監督:アルフォンソ・キュアロン 出演:ダニエル・ラドクリフ ルパート・グリント エマ・ワトソン
あらすじはもう、書く必要はないでしょう。
いきなりネタバレ感想、いきます。未見の方は注意。
あの、原作読んでいるはずですがすっかり内容忘れているので、正直に映画の感想だけです。きっと原作では説明されていることも疑問に思っています。冒頭のマージおばさん風船事件は、笑っていいのか真面目に見るべきか迷いました。えらいコミカルですよね。しかし、おばさんが大変なのだから笑うべきところじゃないような気もするし。あれはやばいよ、ハリー。
ハリーは頭に血が上ると何をするか分からないキャラなので怖い。
ホグズミードで盗み聞きしたあとも、我を忘れて聖歌隊を突き飛ばしているし。ハーマイオニーの悪口を言ったドラコを、透明マントを羽織ったハリーが懲らしめる場面もやりすぎに思えた。
普段温和なだけに、怒らせると一番怖いタイプか。
忍びの地図を使ってホグズミードに来たときも、何気にネビルの飴をかっぱらっていますよ。いいのかそれで、主人公。
ユニフォームが新しくなったそうですが、クィディッチの場面が少なかったですね。雨の中だから迫力あったけど。
しかし、あれはもはやスポーツではないように思うのは私だけなのだろうか。野球の試合だって、あの豪雨なら中止ですよ。しかも、彼ら、空を飛んでいるんですよ。雷落ちるって!!
何だか燃えている生徒までいたし、そもそも敵チームの選手を叩き落としてもいいというルールが怖すぎる。魔法で人には見えないネットを張るとか、出来ないんだろうか。怖い、怖すぎる。
落ちてからようやく対策を練るんでは遅すぎるって。飛ぶことは出来なくても、落下したら途中で体が停止する魔法を事前にかけておくとか、出来ないのだろうか。
魔法で治せない怪我って、どの程度のものなのかなぁ・・・・。そして怖いといえばハグリッドの授業。
まず指定した教科書が、猛烈に恐ろしくないですか。ハリーが最初に本を開けたとき、どんなことが起きるか予想していたとはいえ、驚いて飛び上がってしまった。
あんなのに噛み付かれたら、手が食いちぎられますよ。本当。
あとヒッポグリフを使った授業ですが、ハリーが首尾良くバックビークと仲良くなったのは良いけど、いきなり背中に乗せて飛ばせるのはどうだろう。
あれこそ箒ないし、見張りもいないし、引き綱もないし、操縦(?)の仕方も分からないし、飛行中に万が一にでも振り落とされたら一巻の終わり。マルフォイパパに厳しく言われてもしょうがないかなぁ。
そうそう、バックビークに乗る生徒を決めるとき、いつの間にかハリーが先頭になっていたところで笑いました。
今回、飛行シーンや風景が綺麗でしたね。建物とか、自然物とか、ホグワーツの外観とか。
こういう自由に空を飛ぶ爽快な場面を見るたびに、『風のケアル』をハリウッドで映画化して欲しいーーーーーと夢を見てしまう。
以下、余談中の余談。読み飛ばしてOK。
『風のケアル』とは。中央公論新書より発売された三浦真奈美著の傑作小説。(全5巻)
私の中で永遠にベスト1の冒険小説です。主人公のケアルは領主の息子(三男)だけれど母親の身分が低いために虐げられている。
世界観は昔のヨーロッパ風だが、魔法は出てこないのでファンタジーではない。
この世界の人達はグライダーのようなもので空を飛ぶんですが(ナウシカみたいだな)
ケアルは空を飛ぶのがとっても上手いのですね。
これが読んでいると本当にケアルと一緒に飛んでいる感じで、光景が目に浮かぶ。
めちゃくちゃ気持ちよさそう。
ケアルが異国に行ったり父ちゃんが死んじゃったりで、物語が二転三転するうえに、
主人公の親友や恋人等、魅力的なキャラクターが次々登場し
私は夢中で本を読んでいた記憶がある。わたくし最初で最後の大絶賛小説でございます。
しかし、98年発売なのにもう絶版。入手は困難か・・・・。以上、余談、終わり。
原作を読んでいない人は、何故ピーターがネズミに変身していたのか分からないと言っていた。
確かに、シリウスが犬に変身する意味も映画だけでは分からない。忍びの地図に書いてある名前の4人の正体も分からない。シリウスが何故脱獄したのかとか。たった一言二言、説明の台詞を入れてくれるだけで違ったのになぁ。
あと、クルックシャンクスがただの猫でしかなかったのが、がっかり。
ルーピン先生が狼人間だと分かる場面も唐突だったような。ボガードに対峙したとき、先生の怖いと思うものが満月だったところが伏線なのか?今回、先生達の出番が全体的に少なかったイメージ。トレローニー先生は何だか、嫌な先生のような。「おばあさんはお元気?」の次の台詞が「お気の毒」って・・・・。
ハーマイオニーにひどいことを言って怒らせていながら、自覚が全くない所あたり質が悪いですね。こういう人、実際にいたら周りから嫌われるんじゃないだろうか。というか、授業風景もイッちゃってる。
占い師は本当は悪いお告げをしてはいけないはずなんですけどね。(どうすれば改善されるかだけ言う)
スネイプ先生は最後の謎解きの場面でちらりと登場しますが(三人組みを背にかばっているあたり、ちゃんと先生してる)、ネビルの想像で女装させられた場面が印象的。(笑)
『ラブ・アクチュアリー』のときとは、本当に別人だよなぁ。
ダンブルドア校長は役者さんが代わりましたが、外見じゃ分からなかったです。
話して何となく分かったけれど、二作目で弱々しいイメージだっただけに、三作目のはきはき喋る校長は、私はわりと好きです。
マクゴナガル先生は新任教師紹介のときに、ハグリッドの腹をひじ鉄していた場面しか覚えていないですよ。
あと、ハリーに保護者のサインがないとホグズミードにいけないと言ったときの光景。ホグワーツに残るハリーが皆を見送るのが寂しげで・・・。(涙)
透明マントを羽織ってこっそり付いていこうとするところが、何とも子供らしくて良いではないですか。みんな大好きルーピン先生は私も好きです。しかし、イメージがだいぶ違った。
こう、長髪で、ぶかぶかのマントを羽織って、顔色の悪い男の人を想像していた。
しかし、あの役者さんは上手く演じていましたね。あんな先生いたら、楽しいのになぁ。ボガードを使った授業で軽快な曲をかけているあたりが良かった。
シリウスは、ゲーリーってば何を演じさせても上手いなぁと。ゲーリー、好きなのよ。
あの、原作、すっかり忘れているんですが、ルーピン先生はシリウスのいる叫びの屋敷に何故突然やってきたんですかね。はて?スネイプ先生はルーピン先生を追いかけて来たと思うのだけど。(怪しんでいたから)
今回、ハリーは4回も気絶しておりますよ。
汽車の中と、クィディッチの試合中と、ボガードを相手に戦う練習をしていたきと、ディメンターに襲われたとき。
三番目を除き、目が覚めるといつもハーマイオニーが心配げに覗き込んでいるんだから、羨ましい・・・・。
この二人、最初から最後までラブラブでした。(と、私には見える)
ロンハーな場面は、バックビークの授業で思わずハーマイオニーがロンの手を掴んでしまったところと、バックビークが殺されたと思ったハーマイオニーがロンにしがみついたところだけですよね。
ハリーとハーマイオニーの方がもっとベタベタしてるって!!!!!
あの、バックビークの死を悲しむ場面だって、ロンに泣きつくハーマイオニーを後ろからハリーが抱きしめているし。ハリハーロンか!!それでもOKよ!!!!バッチ来い!ロンハーも嫌いじゃないです。というかロン、三人組みの中で一番のグッドチョイスだと思うんですが。
情けない演技がこれほど上手い(似合う)役者は、私の知りうるかぎり、西村雅彦とルパードくんだけだよ。ますますもってとしくん(従兄)に似てきた・・・。
犬化シリウスに噛まれて引きずられていく場面は、まさに「ロンーーー!!」って感じでした。(?)
しかし、この怪我が原因で後半フェードアウトしたかと思うと、不憫でならない。
何気に、ホグワーツに戻ったハリーが男子寮でロン達と楽しそうに遊んでいる場面は心が温まりました。こういうところで、好きな女の子の話とかするんでしょうねぇ。女の子といえば、スリザリンにいるあの少女は誰?パンフで見たら、ドラコの隣りにいつもの二人組み以外に美少女が。きっと原作でも登場しているのよね。
それにしては、台詞が「怪我は大丈夫?」だけだったのが寂しいが。ハリー達のように、意地悪グループにも女の子を一人入れてみよう、ということだったのかな。しかし、可愛かった。
ドラコはバックビークに蹴られるし、雪の中で怯えていたし、ハーマイオニーに殴られるし、散々でしたね。もうちょっと格好良い場面があってもいいのに。
髪型が変わっていたのは、ありだろうか。髪が薄く・・・、いえいえ、銀髪だからそう見えるんですよね。しかし、あのオールバックは髪に相当負担だったようです。ぽっちゃり系じゃない方の取り巻きの子も、ちょっと髪に生え際がやばそうだったような。
ドラコ、ハリーに授業中にメモを渡したり、何かと「ポッター、ポッター」言っているから、そんなにかまって欲しいのかと思ってしまった。あれは嫌いというより、好きな子をいじめてしまうというやつなのでは・・・・。あれ。
時間を遡ってバックビークを助けに行く場面なんですけど、ハリー達、あの動物の首が落とされている場面を上から見ていたじゃないの。
どうやって現在の自分に見られずに助けるんだろうと思いましたが、バックビークの姿はぎりぎり三人から見えていなかったのですね。
二回目に見てやっと分かりました。(派手な音を立てていたけど、処刑人が切り落としたのはかぼちゃだった)てっきり、残酷描写を隠すために映像で映さなかったと思いましたが、彼らも見ていなかったのね。
あと、ハリーが引っ張っても動かないバックビークを、ハーマイオニーが動物の肉を使って釣る場面。
え、いつのまにあんな獲物を!?この短時間で狩りをして仕留めてきたんかい、と思ったんですが、よく見たら物干し台みたいなところに一杯餌がかかっていました。これも二回目で気づいた。
でも、よくあんな動物の死骸を首からさげたり出来るなぁ。女の子なのに。魔法の材料でいろいろ使うから、平気なのかな。蛙も素手で持っているしね。バックビークに乗るハリーとハーマイオニーの場面ですが、ハーマイオニーは随分びくびくしていますね。箒で飛ぶ授業は得意じゃなかったのかな。ハリーはとっても楽しそうでしたが。
いや、キャーキャー言うハーマイオニーに抱きついて欲しかったのだろうか。(笑)
あれだけ騒げば、誰か窓から顔を出すって。ほどほどにしないと。
シリウスを助けたあとは、何故かバックビートに乗る順番がハーマイオニー、シリウス、ハリーに変わっていた。何でだろう?ハーマイオニー、ハリー、シリウスの順だったら、彼女にくっつきたかったんだなぁと理解出来るが。(笑)
後半の時間を遡ってバックビートやシリウスを助けに行くあたりは、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいで面白かったです。ハーマイオニー、ハグリッドの家にいるハリーに向かって投げたのは石じゃないよね。ハリーの頭があの割れた壺みたいになったら、困る。
ダンブルドアがさりげなくハリー達の手助けをしているあたりが良かった。大臣の目をお花の方に向けたりして。
さて、恒例(?)のハリハー語り。
タイムターナーペンダントをハリーの首にかけたとき、ハリーが不思議そうにペンダントを触ろうとしたその手を、ハーマイオニーが叩きましたよね。
もう、このとき、ポッター家はかかあ天下なのか、と思いました!(笑)まぁ、私がハリハーにはまったきっかけが一巻の「僕、君にかなわないよ」の台詞だしな。うあーー、可愛いーーーー。(一作目の彼らを思いだし、妄想中)それにしてもくっつきすぎだろう。手を繋いで走ったりしたら、逃げるのが遅くなるぞ。パンフでも、見開きでハーマイオニーを抱きしめるハリーの写真があったし。ベタベタベタの二人。
原作だと、もっとハリーはハーマイオニーに対してドライですよねぇ。冷たいというか。
それでいて困ったときはいろいろ助けてもらっているというか、何でも話しているというか。
親友というのは違う気がするんですが。彼女でもないけど。ハリーは何があっても、ハーマイオニーは自分の味方であると無意識に思っている。またそれは事実でもある。お母さんやお姉さん的な立場のような。微妙。とにかく、今回ハーマイオニーはとことんハリーを守っています。王子様。
ドラコが絡んできたときも腕を引っ張ってハリーを制しているし、シリウスについての会話を盗み聞きしてショックで泣いているハリーに優しく声をかけているし、シリウスと対面したときはハリーを自分の背にかばっているし、狼の遠吠えの真似をしてとっさにハリーを救おうとしているし。とにかくハーマイオニーの行動は何もかもハリーのため。
本当に親友なだけなのかい!!!
責任感強いから、ハリーの境遇に同情しているのかなぁ。ありえるような。
ハリーくんが映画の中で4回も気絶しているから、よけいにハーマイオニーが王子様に見えるんだろうか。
シリウスとハリーが話しているときに、さり気なく場を離れるハーマイオニーの心遣いが好きでした。
原作は、ハリーがハーマイオニーを女の子として全く意識していなだけに、逆に最後の最後でどんでん返しがあることを期待していたり・・・・・。(笑)儚い夢。
マージおばさんに両親のことを悪く言われたとき、怒りを爆発させたハリーですが、ルーピン先生がジェームズとリリーの話をしたとき、めちゃくちゃ嬉しそうに笑うハリーが印象に残った。
うう。生きていて欲しかったよ・・・・。切ない。
しかし、「リリーはいつでも自分をかばってくれた」って、ルーピン先生、リリーに惚れていたんですか!!!?場所は十数年前のホグワーツ、リーマスをかばうリリー、すねるジェームズの図がババッと頭に浮かぶ。
思えば、親世代で結婚しているのって、ジェームズ&リリーだけですね。(スネイプ先生は微妙だが、妻子の話が全くないあたり、いないと思いたい)
まさか、みんなリリーに惚れていたんじゃあ・・・・・。
ジャームズさんは幸せ者だなぁ。短い結婚生活だったけど、きっと凄く凄く幸せだったんだろうな。ディメンターがハリーに興味を持っている理由がよく分からなかった。あからさまにハリー追いかけていましたよね。脱獄したシリウスなら分かるけれど。
あと、シリウスを倒す決意をしたハリーがボガードを使ってディメンターと戦う練習をし始めたこと。シリウスとディメンターは別物ですよね。
原作には書いてあるのかもしれないが、映画だけだとちんぷんかんぷんだった。
しかし、最初にディメンターが登場する場面はホラー映画のようでした。怖い。ルーピン先生も、もっと早く起きて追い払ってちょうだいよ。(笑)
暴れ柳がバサーッと葉を落として秋をイメージさせた場面が頭に残っている。雪、つもっていたりね。
四季がちゃんとあったのだろうけど、ディメンターが登場すると周りが凍るのでいつも寒そうなイメージだった。一年、あっという間だな。ハリー、湖で最初は失敗したのに、あのときは何でディメンターを追い払えたんだろう??分からない。伏線?
もしかしてシリウスと暮らせるのかも、と思ったから幸せのイメージが強くなったのだろうと考えました、それならば一回目のときも同じ状況だしなぁ。
ところで、暴れ柳にやられて眼鏡を落としたハリーが、地面を這いながら一生懸命、眼鏡を探す場面に自分の姿を見た気がした。
私も眼鏡がないとほとんど何も見えない。(^_^;)
暴れ柳に振り落とされそうになるハーマイオニーですが、何とハリーを片手で掴んで一緒に飛ばされていますよ。も、もしや怪力?
ハリーの体重をあの細腕一本で支えるなんて、並大抵の事じゃないと思われますが・・・。どうだろう。
今回、ハーマイオニーがいろいろな髪型で可愛かったです。
ルーピン先生の授業のときはアップにしていましたvポニーテールやみつあみもしていたし。あれは自分でやるのか、友達にやってもらうのか。
ハーマイオニーのいる女子寮の様子も、見れたらいいのになぁ。ハーマイオニーに女子の親友を作って欲しい。
しかし、この映画、終わり方が唐突じゃなかったですか?
何だか、マトリックス(一作目)のラストを思い出したよ。バビューーンと主人公が飛んでいって終わり。え、えええーー!??って感じな。
すみません。ファイアーボルトにくっついていた羽の意味、説明されるまで分かりませんでした。あれに何かメッセージが書いてあるのかと・・・。駄目な私。
次はいよいよ、チョウ・チャンが登場しますね〜〜〜vv楽しみ。オーディションに物凄い人数が集まったのは聞いたけど、誰に決まったのか知らないわ。
ハリーの初恋の人。美少女、美少女vおいしい役だわ。
三作目はいろいろとはしょりすぎだろうと文句もあるけど、楽しかったです。二作目が映画公開したときから、すでに気持ちは三作目にいっていましたし。
ハリハーだからでしょうか??(余談)
ダニエルくんのギャラ、320万ドル・・・・、約3億8080万円・・・・。エマちゃん&ルパートくんは12万5千ドル・・・・、約1488万円・・・。
子役達は同じくらいのギャラだと思っていたけど、全然違うんですね。
確かにダニエルくんがいないと映画はなりたたないし、仕事量も違うのかな?
それにしたって、眩暈のするような金額・・・・。それだけ大変ってことなんだな。